鰐口・雲板

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印刷 ページ番号1028933 更新日 2022年12月14日

尼崎の指定文化財

鰐口・雲板(わにぐち・うんばん)

  • 至徳二年鰐口
  • 嘉吉元年鰐口
  • 天文六年鰐口
  • 雲板

指定  尼崎市指定文化財

種別  工芸

数量  3口・1口

所在地 尼崎市寺町10

所有者 長遠寺

指定日 昭和58年3月24日

至徳二年鰐口(しとくにねん わにぐち) 1口

至徳二年鰐口

 銅製、径31cm、厚さ 下端8.4cm、中央14.4cm。両面とも中央撞座は中房に蓮子1+6を配し、その外側に放射状に細線をめぐらし、さらに圏線をまき、外円に間弁入り単弁八葉をめぐらしています。それに沿って三重の圏帯があります。外側の圏帯内に刻銘があり、至徳2年(1385)の製作であることが判明します。この鰐口はもと河内国野田龍淵寺にあったものであるが、この寺については詳らかではありません。

嘉吉元年鰐口(かきつがんねん わにぐち) 1口

嘉吉元年鰐口

 銅製、径24.6cm、厚さ 下端6.5cm、中央11.2cm。両面とも中央撞座は蓮子1+6を配した中房に周円に櫛歯文をめぐらし、さらに周円に間弁入り複弁を配しています。それをめぐって三重の圏帯があります。外側の圏帯内の左右に下記の刻銘が見られます。この銘文中の横山村は兵庫県宍粟市一宮町横山のことです。製作年代は嘉吉元年(1441)ですが、銘文中の観音寺については詳らかでありません。

天文六年鰐口(てんぶんろくねんわにぐち) 1口

天文六年鰐口

 銅製、径27.8cm、厚さ下端6.2cm、中央11.2cm。

 両面とも中央撞座は蓮子1+6を配した中房に素弁八葉をめぐらした簡略形式のものです。銘文は一面に本銘、一面に追銘を各々銘帯に左右に分けて各一行を刻んでいる。この鰐口は天文6年(1538)池大明神に寄進されたものが買得されたものと見られ、妙蓮によって天正5年(1577)に長遠寺に寄進されたものです。本銘中、松江は紀ノ川北岸の地名で現在和歌山市に属しています。

雲板(うんばん) 1口

雲板

 銅製、上下47.3cm、左右45.2cm、厚さ撞座1.3cm、表面0.8cm。

 全体に表面が心持ちそり、釣り手には当初のものと思われる鉄製の鐶がついています。正面中央に実線で位牌形を造り、その下に径約6.5cmの撞座を陽鋳しています。撞座は磨滅していて意匠はわかりません。この雲板は様式や文字から南北朝時代(1336から1392年)のものと推定されます。位牌形の中に7字の題目(南無妙法蓮華経)を陰刻し、銘文は撞座の左右に各1行(豊後州瑞光寺、住山明室置之)計12字を陽鋳し、さらに追銘を「豊後州瑞光寺」銘の左右及び「住山明室置之」銘の左に陰刻しています。

 陽鋳の本銘文にみる豊後州は豊後国であり、現在の大分県ですが、瑞光寺については詳しくは判りません。追銘によって天正13年(1585)に塚口屋源兵衛によって、住職日鎮のとき長遠寺へ寄進したことが判ります。おそらく善住はその亡妻で、4月22日が彼女の祥月命日で、死後37日の供養のために寄進されたと考えられています。

このページに関するお問い合わせ

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ファクス番号:06-6489-9800
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