阪神・淡路大震災による指定文化財の被害状況

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ページ番号1030000 更新日 令和4年3月30日

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 平成7年1月17日未明におきた兵庫県南部地震のため、尼崎市内の文化財も大きな被害をこうむりました。1月下旬には文化庁・兵庫県教育委員会により指定建造物の被害状況の把握と、今後の修復計画作成のための現地調査が行われました。その後修理の方針や修理工事の着手時期など事業内容について文化庁・兵庫県教育委員会の指導を受けるとともに、所有者とも協議を重ね、平成7年度から修理事業に着手することになりました。

 また埋蔵文化財に関しては、各都道府県教育委員会の埋蔵文化財調査技師の支援を受けて発掘調査にあたることになりました。このホームページでは指定文化財と埋蔵文化財の被災の状況を記録しておくことにします。(本ページの指定レベルは平成7年当時のものです。)

国指定文化財の被災状況

本興寺方丈(破損程度大)

軸部の破損が大きく、南東の玄関は、柱長で30cm余東に傾斜し、西側の大床は西に傾き上段の間・松の間との間に亀裂・間隙を生じた。

壁の漆喰は随所で剥落、落下。建具の襖・障子・雨戸一部破損、襖絵は一部破れ破損。

裂けた軸部(本興寺方丈)

裂けた床間(本興寺方丈)

本興寺開山堂(破損程度中)

軸部のズレ微小、漆喰壁南面が落下、西面剥落。厨子回り板壁落下、南面石段傾斜。

長遠寺本堂(破損程度中)

軸部が緩み、正面長押が落下。全面の壁大破、縁束柱移動。

長遠寺多宝塔(破損程度大)

上層屋根北に傾斜し、ねじれる。相輪南に傾斜、露盤に亀裂。亀腹剥落。

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県指定文化財の被災状況

長遠寺客殿 (破損程度大)

軸部破損が甚だしく、全体に北西に大きく傾き、修理中の軒足場に寄りかかる状態で辛じて倒壊をまぬがれる。柱等の部材も大破。

軒足場に寄りかかって倒壊を免れた長遠寺客殿

斜めに傾いた長遠寺客殿

長遠寺庫裏 (破損程度大

傾いて倒壊寸前の長遠寺庫裏

軸部破損が甚だしく、全体に大きく東及び南に傾斜し壁及び内部の建具は大破。玄関は倒壊、東面下屋も崩落。

長遠寺鐘楼 (破損程度大)

建物北西に傾斜。瓦脱落、袴腰壁板・台輪割れ。

富松神社本殿 (破損程度小)

葺北西隅一部脱落、蟇股脱落。

石造十三重塔(倒壊)

回り込むように倒壊した十三重塔

基礎部分から全て倒壊、笠の一部欠損。


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市指定文化財の被災状況

本興寺鐘楼(破損程度小)

袴腰部わずかに傾斜、扉部一部破損。

本興寺三光堂向唐門(破損程度大)

倒壊した拝殿の下敷きになり二つに破断。表面の彩色に土砂付着。(財)元興寺文化財研究所員により応急的に表面のクリーニングを行う。

おかげ踊り図絵馬(破損程度大)

倒壊した拝殿の下敷きになり二つに破断。表面の彩色に土砂付着。(財)元興寺文化財研究所員により応急的に表面のクリーニングを行う。

本殿手前の完全に倒壊した拝殿

倒壊した拝殿から救出された絵馬

長洲天満神社本殿(破損程度小)

桧皮葺南東隅脱落。野地板前面破損。

水堂古墳出土品(破損程度中)

展示中に落下して破損した鏡とガラス

三角縁神獣鏡・鉄刀2本落下破損。

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震災に伴う埋蔵文化財調査について

解体作業の横で進む発掘調査(尼崎城跡第43次調査)

 平成7年度現在、尼崎市内では106箇所の埋蔵文化財包蔵地が周知されており、総面積は約114ヘクタール程の広がりがありました。被災状況の調査では、直接的な被害を受けた遺跡は見られませんでしたが、田畑や公園などの36遺跡以外の、70遺跡では遺跡内に建築されていた家屋の屋根瓦等が破損するなど何らかの被害を受けており、そのうち特に15遺跡では遺跡上に所在する神社・寺院・住宅などの損壊が甚だしく被害4.6ヘクタールに広がっていましたので、復旧・復興に際して行われる家屋の改築・新築などにともなう発掘調査は一時に重なることが予想され、発掘調査に携わる専門職員の不足が心配されました。これに対して全国から埋蔵文化財担当職員が兵庫県に派遣されることになり、市町村ではその支援を受けて発掘調査を行うことになりました。尼崎市内では平成7年7月から平成10年3月までの間に延べ8遺跡、24名の支援のもとに発掘調査を行いました。

支援を受けた調査一覧
遺跡名 次数 調査原因 調査面積(平米)

調査期間

発掘担当者
道ノ下遺跡 7 市営住宅建設 500 1995年7月10日から8月25日 小野田義和(福島県)
北原 治(滋賀県)
尼崎城跡 43 小学校建設 1,400 1996年3月1日から9月13日 佐藤公保(愛知県)
家塚英詞(鳥取県)
横田 明(大阪府)
禰宜田佳男(大阪府)
尼崎城跡 47 市営住宅建設 324 1996年3月4日から5月8日 矢口裕之(群馬県)
木下晴一(香川県)
兼康保明(滋賀県)
菊地吉修(静岡県)
武庫庄遺跡 36

共同住宅建設

680 1996年5月20日から8月20日 半澤幹雄(千葉県)
三輪晃三(岐阜県)
時友遺跡 7 共同住宅建設 350 1996年6月4日から7月19日 大川勝宏(三重県)
小林公治(山梨県)
久保田遺跡 3 共同住宅建設 370 1996年9月30日から11月27日 宮崎敬士(熊本県)
弘田和司(岡山県)
猪名庄遺跡 31 再開発事業 5,300 1997年1月16日から1998年7月1日 渡辺 昇(兵庫県)
禰宜田佳男(大阪府)
矢口裕之(群馬県)
岡山真知子(徳島県)
大久保浩二(鹿児島県)
氏平昭則(岡山県)
武庫庄遺跡 46 共同住宅建設 430 1998年1月19日から1999年3月24日 半澤幹雄(千葉県)
永光 寛(和歌山県)

 

大勢の見学者に囲まれた武庫庄遺跡36次調査現地説明会

再開発事業に先駆けて行われた猪名庄遺跡31次調査

市教育委員会がおこなった震災関連発掘調査一覧
遺跡名 次数 調査原因 調査面積(平米) 調査期間
大物遺跡 1 市営住宅建設 520 1995年4月6日から8月21日
東園田遺跡 20

共同住宅建設

300 1995年11月27日から1996年2月8日
武庫庄遺跡 34 共同住宅建設 200 1995年12月11日から1996年1月11日
古宮遺跡 3 専用住宅建設 50 1996年2月9日から2月28日
深田遺跡 4 共同住宅建設 240 1996年4月24日から5月29日
古宮遺跡 5

宅地整理事業

130 1996年10月21日から11月12日
松ケ内遺跡 6 共同住宅建設 200 1996年11月5日から12月5日
熊野神社遺跡 5 専用住宅建設 40 1997年4月15日から5月7日
武庫庄遺跡 43 共同住宅建設 102 1997年8月4日から8月29日
道ノ下遺跡 10 専用住宅建設 142 1998年1月26日から2月20日
道ノ下遺跡 12 専用住宅建設 220 1999年1月11日から2月10日
西浦遺跡 4 共同住宅建設 372 1999年1月11日から2月27日
南戸板遺跡 7 共同住宅建設 412 1999年8月16日から9月14日
武庫庄遺跡 54

共同住宅建設

102 1999年11月1日から12月1日
栗山・庄下川遺跡 11 共同住宅建設 330 2000年2月7日から3月4日
栗山・庄下川遺跡 12 共同住宅建設 142 2000年2月21日から3月24日

 

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このページに関するお問い合わせ

教育委員会事務局 社会教育部 歴史博物館
〒660-0825 兵庫県尼崎市南城内10番地の2
電話番号:
06-6482-5246(企画担当・史料担当)
06-6489-9801(文化財担当)
06-4868-0362(埋蔵文化財専用)
ファクス番号:06-6489-9800
メールアドレス:
ama-rekihakubunka@city.amagasaki.hyogo.jp(文化財担当)
ama-chiiki-shiryokan@city.amagasaki.hyogo.jp(史料担当)