旧尼崎紡績本社事務所(きゅうあまがさきぼうせきほんしゃじむしょ)
印刷 ページ番号1034106 更新日 2023年5月9日
所在地
尼崎市東本町1-50
阪神「大物」南東約450m
1 概要
(1)構造
煉瓦造2階建一部平屋建(屋根は寄棟瓦葺、小屋組は木製洋小屋)
(2)規模
延床面積:571.36平方メートル、建築面積:337.05平方メートル
敷地面積:3,027.25平方メートル
(3)竣工
1900年(明治33)10月29日
(4)設計者
不詳(茂庄五郎の可能性有)
(5)施工者
不詳(銭高組の可能性有)
2 歴史
尼崎紡績は1889年(明治22)に、現尼崎市域で最初に設立された大企業です。本建物は同社10周年記念事業として同社本社工場敷地の一角に建設されたもので、尼崎紡績本社事務所として1900年(明治33)に竣工しました。市内に現存する最も古い洋風建築で、同社の成功が工業都市尼崎発展の契機となっており、尼崎の近代史、工業史を考える上で重要な位置を占めています。
3 特徴・意義
本建物は「イギリス積」による煉瓦造となっており、煉瓦の刻印から大阪府の岸和田・堺など泉州地方で製造された煉瓦が使用されていることが判明しています。設計者・施行者を明らかにする資料はありませんが、本建物より少し前に建設された尼崎紡績本社工場は茂庄五郎設計、銭高組の施工であることが判明していますので、同じ設計者・施行者の可能性があります。
内部については、部屋割りや階段、暖炉は竣工当初のままと考えられますが、内装は記念館として改修した時に大幅に変えられており、竣工当初の姿を残している所はごく一部です。
明治30年代の煉瓦造建築は、全国に相当数現存していますが、大企業の煉瓦造本社事務所が現存している例は希少であると思われます。また、尼崎市内に現存している最古の洋式建築であり、工業都市尼崎の歴史を象徴する建物でもあり、尼崎紡績(大日本紡績)に関して唯一、尼崎市内に現存している建物でもあります。
このような特徴・意義をから本建物は、兵庫県の景観形成重要建造物等や経済産業省の近代化産業遺産に指定されています。
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