尼崎市公共建築物における木材利用促進に関する方針

ポスト
シェア
LINEで送る

印刷 ページ番号1008124 更新日 2022年5月24日

木材利用の促進について

 木材は再生可能な建材であり、木材利用を促進することにより、資源循環型社会の形成、二酸化炭素の排出抑制などが図られるほか、林業の活性化につながり、水源の涵養、自然環境の保全が図られるなど、市民の生活環境対策にもつながります。

 平成29年6月1日、尼崎市公共建築物における木材利用促進に関する方針を策定しています。

 尼崎市では、この方針により公共建築物及び公共性の高い建築物を整備する際には、兵庫県産をはじめ国産木材の利用を促進しています。

このページの先頭に戻る

木材の利用条件

木材の利用に際しては、次のような条件を踏まえる必要があります。

利用条件

 尼崎市は密集市街地が多いため、主要な駅前や住宅地などに防火地域や準防火地域を指定し、都市の不燃化を進めています。このため、これらの地域の指定に応じて、建物の用途や規模によって建築基準法や消防法等の規制を受けますので、木材を使用する場合は一定の耐火などの性能が必要となります。

  • 耐火構造・準耐火構造等の規制
  • 内装制限の規制など

 木材は、その使用する部位により腐食、虫害、燃焼の可能性があるため、水や洗剤、火器等の使用室に使用する場合は、衛生面、耐久性等に配慮が必要となり、一定の防水性や耐久性などを確保するのに特殊な加工が必要な場合があります。
 その他にも、公共施設は防災機能を担う施設でもあることから、地震や大火などの災害時に十分に機能が発揮できるよう構造材等には一定の強度などを確保する必要があります。

このページの先頭に戻る

木材の優れた特性

再生可能な省エネ素材

 石油、石炭などの化石燃料は使用することで資源が消費され、簡単に再生できません。コンクリートなどの建築資材も同じです。
 木は伐採して使用しても、新しい苗木を植え育てれば、30~60年後には材料や燃料として活用できるほどに成長します。
 木材は、適切な植林など森林を健全に管理すれば、永続的に資源として再生可能な材料です。
 また、木材は、加工しやすく、製造時の消費エネルギーが比較的小さな材料で、再生可能な省エネ素材です。

調湿性

 木材は、空気中の湿度が高いときには水分を吸収し、湿度が低いときには水分を放出する調湿作用をもっています。このため、木材を建物の内装などに使用すると、部屋の中の湿度の変動は小さくなります。

断熱性が高い

 木材は、無数の細胞からなり、そのひとつひとつに熱を伝えにくい空気を含んでいるため、コンクリートなどに比べ高い断熱性をもっています。木材、ビニルタイル、コンクリートを床材にして、足の甲の皮膚の温度変化を測定すると、コンクリートがもっとも足が冷え、木材がもっとも冷えなかったという結果が得られています。

衝撃に対する安全性

 木材は、パイプ状の細胞が柔軟に変形してクッションのような役目をするので、例えば、大理石に比べて2~3倍の衝撃吸収能力があります。このため、床や壁に木材を使用することは、転倒などによるけがを抑制する効果等が期待できます。

安らぎを与え温かみのある素材

 木材は温かみを感じたり、優しさを感じたり、独特の肌触りがあります。このため、人が直接触れる部位に木材を使用することは人に安らぎを与え、温かみのある環境を創り出します。
 また、日本人は、古くから、木でできた家に住み、木とともに暮らしてきました。木は、日本人にとって親しみやすい素材です。

このページの先頭に戻る

木材利用のイメージ1(市が整備する公共建築物)

 尼崎市では、建築物の用途や、建設コストのほか維持管理及び解体・廃棄等のコストを含めたライフサイクルコスト、法令の制限や機能性等の制約、施設等の利用者ニーズ、木材の利用による付加価値や効果等を勘案のうえ、兵庫県産をはじめ国産木材の利用に努めるものとしています。

【学校の増改築工事において】
一部普通教室及び共用部分の床や腰壁などに木質系材料(床:複合フローリング、腰壁:しな合板塗装品など)を使用しています。

写真1
市立小学校普通教室
写真2
市立小学校多目的教室
写真3
市立小学校廊下(共用部分)
写真4
市立小学校廊下等(共用部分)

中学校においては、木質化の高い学校として文部科学省のホームページ(3ページ・小田中学校)に掲載されています。

 

【尼崎市役所の耐震補強工事において】
南館2階の共用部分の間仕切りルーバーに木質系材料(兵庫県産木材)を使用しています。

尼崎市役所南館2階
尼崎市役所南館2階廊下

このページの先頭に戻る

木材利用のイメージ2(市以外の者が整備する公共建築物)

 尼崎市では、広く市民に利用され、文化・福祉の向上に資するなど公共性の高い学校、社会福祉施設、医療施設、運動施設、社会教育施設、公共交通機関における旅客の乗降・待合施設を整備する事業者を中心に、木材の利用促進についてPR し、連携を図っています。

院内保育所(木造)

尼崎総合医療センター院内保育所(木造)

このページの先頭に戻る

経緯経過

 平成22年10月に公共建築物等木材利用促進法が施行し、国や兵庫県等において木材利用促進に係る方針や計画が策定され、木材利用促進の取組が進められています。

平成22年10月

「公共建築物等木材利用促進法」を施行

「公共建築物における木材の利用に関する基本方針」を策定(農林水産省、国土交通省)

平成22年12月

「新農林水産省木材利用推進計画」を策定(農林水産省)

平成23年5月

「公共建築物における木材の利用の促進のための計画」を策定(国土交通省)

平成23年12月

「兵庫県公共建築物等木材利用促進方法」を策定(兵庫県)

平成28年4月

「新農林水産省木材利用推進計画」を改定(農林水産省)

このページの先頭に戻る

PDFファイルをご覧いただくには、「Acrobat Reader」が必要です。お持ちでない方はアドビ株式会社のサイト(新しいウィンドウ)からダウンロード(無料)してください。

このページに関するお問い合わせ

資産統括局 技術監理部 技術監理課
〒660-8501 兵庫県尼崎市東七松町1丁目23番1号本庁中館3階
電話番号:06-6489-6225
メールアドレス:ama-gijutsukanri@city.amagasaki.hyogo.jp