若い世代に知ってほしいヘルスケアについて~プレコンセプションケア~

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印刷 ページ番号1038359 更新日 2024年9月27日

プレコンセプションケア(プレコン)って何?

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みなさんは、「プレコンセプションケア(プレコン)」ということばを聞いたことはありますか?
プレ(Pre)は(~の前)、コンセプション(Conception)は(受胎・妊娠)で、“妊娠前”のヘルスケアを意味します。

若い男女が、現在のからだの状態を知り、生活習慣の見直しや、将来の妊娠・出産や子育て、さらには年齢とともに訪れるからだの変化などに備えて正しい知識を身につけ、自分自身と家族、そして将来生まれてくる赤ちゃんの健康に役立てるものです。

早い段階から健康や生活についての知識を得ることは、将来のライフプランを考えるきっかけにもなります。
いまは結婚や妊娠を考えていなくても、プレコンを実践することで、いまの自分がもっと健康になって、人生100年時代の満ち足りた自分の実現につながります。
(出典:プレコンノート 国立成育医療研究センター)

プレコンセプションケア

いまなぜプレコンが大切なの?

(1)リスクのある妊婦の増加

若い女性のやせと肥満の増加、出産年齢の高齢化などから、リスクの高い妊娠が増加しています。プレコンの実践で、妊娠前にリスクを減らしていくことが、健やかな妊娠・出産や生まれてくる赤ちゃんの健康につながります。

(2)不妊の増加

「生理不順を放置していた」「生理痛をがまんしていた」などが将来の不妊の原因となることがあります。妊娠や出産に関する正しい知識を得て行動し、将来の不妊のリスクを減らしましょう。

(3)性や生殖に関する知識の不足

日本は、性と生殖に関する教育が国際標準に立ち遅れている現状があります。下のグラフにあるように、卵子は女性が生まれる前から持っていて、年齢とともに質が低下し、数も減少します。年齢を重ねても若々しさを保つ人が増えていたり、高齢出産のニュースに触れるなどすると「いつでも子どもは持てる」と思う人もいるかもしれませんが、年齢が上がると、妊娠・出産に関するリスクが上昇するとともに、妊娠しにくくなることが医学的にも明らかになってきています。ライフプランを立てるときは、キャリアプランだけでなく、これからのことも考慮しましょう。

女性の各年齢における卵子の数の変化
女性の各年齢における卵子の数の変化(出典:平成25年版 厚生労働白書抜粋)

プレコンを実践しよう!(5つの生活習慣改善)

1 適正体重を維持しよう

若い女性のやせ(BMI18.5未満)は、貧血や将来の骨粗しょう症の原因になります。一方、栄養過多や太り過ぎ(BMI25以上)は、将来、糖尿病や高血圧などさまざまな病気のリスクを高めます。やせも肥満も、不妊や妊娠・出産のリスクを高めます。男性の肥満も不妊のリスクを高める報告があり、注意が必要です。

BMI(体格指数)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
例:体重50kg、身長155cmの場合…50÷1.55÷1.55=20.8

2 栄養バランスを考えよう

栄養不足による若い女性のやせは、貧血・肌荒れ・骨密度や筋力の低下などを引き起こします。月経不順や不妊、低出生体重児の原因になるなど、将来の妊娠・出産にも影響を与えます。食品に含まれている栄養素は異なっており、五大栄養素の『炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラル』をバランスよくとることが体や心を作り、健康に生きていくためには必要です。
 

妊娠前から妊娠初期にかけて、葉酸というビタミンをしっかり摂ることで、赤ちゃんの神経管閉鎖障害の予防につながります。神経管閉鎖障害とは、胎児の神経管ができるとき(受胎後およそ28日)に起こる先天異常で、無脳症・二分脊椎・髄膜瘤などがあります。妊娠を知るのは神経管ができる時期よりも遅いため、妊娠を希望する女性は緑黄色野菜を積極的に摂取し、サプリメントも上手に活用しながらしっかり葉酸を摂取しましょう。サプリメントや食品中に強化される葉酸として1日400μg摂取することが望まれます。
参考:「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」(厚生労働省,2021年3月)

3 適度に体を動かそう

適度な運動は、適正体重の維持に役立ちます。

また、血行の改善、筋肉の増加、骨の強化といった健康効果が得られるほか、心にも良い影響を与えます。

プレコンでは、1週間に150分程度、少し息がはずむくらいの運動が目安とされています。

4 たばことお酒に注意しよう

タバコはがん・心臓病をはじめたくさんの病気を引き起こすします。また男女ともに不妊症のリスクが増加し、特に妊娠中の喫煙や受動喫煙は流産、早産、周産期死亡、低体重を引き起こす可能性があります。パートナーや周囲の人からの受動喫煙も同様です。また、妊娠中にお酒を飲むと、アルコールは胎盤を通って赤ちゃんにも影響し、胎児性アルコール症候群の原因になります。「この量なら大丈夫」というものは確立していませんので、妊娠を考えたときからアルコールは控えるようにしましょう。

5 ストレスをためない

強いストレスは心身にダメージを与えます。深呼吸や体を動かすなど、普段から自分に合った方法で小まめに解消しましょう。

生活リズムを整え、寝不足を避けることも大切です。困った時は家族や友人、相談できるところに相談しましょう。

健診・検診・予防接種をうけましょう

健康診断・がん検診をうけましょう

生活習慣病や早期のがんは、自覚症状のない場合が多い病気です。
定期的な健診(検診)によって、自分たちの体の状態を把握しておくことで、妊娠合併症や低出生体重児などの赤ちゃんの健康リスクの予防することができます。                                                          特に20歳以上の女性の方は、2年に1回、子宮頸がん検診を受診しましょう。

性感染症を予防しましょう

性感染症の中には、不妊の原因になったり、妊娠中にかかると赤ちゃんの健康に影響を与えるものがあります。感染しても無症状であることが多く、治療に結びつかないケースが多く見られます。検査を受け、しっかりと治療することが大切です。パートナーがいる場合は、パートナー間で感染しあうピンポン感染を防ぐため、カップルは一緒に性感染症のチェックをしましょう。

尼崎市保健所では、性感染症の不安がある方に対してHIV/エイズ・性感染症検査を実施しています。
匿名受検やご相談のみも受け付けています。

予防接種について

ヒトパピローマウイルス

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性経験のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。子宮頸がんを始め、肛門がん、膣がんなどのがんや尖圭コンジローマ等多くの病気の発生に関わっています。特に、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。

風しん抗体検査と予防接種

妊娠中にかかると、赤ちゃんに影響を与える恐れのある感染症があります。感染症から完全に身を守ることはできませんが、風疹、麻疹、水痘(みずぼうそう)、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)はワクチンを打つことで予防できます。妊娠中、とくに妊娠20週までに風疹に感染すると、赤ちゃんが先天性風疹症候群を発症し、心臓の病気や白内障、難聴を患うリスクが高まります母子手帳でワクチンの接種歴を確認して、必要であれば妊娠を考える前に接種しましょう。

プレコンノートを活用しよう

プレコンノート

プレコンについてより詳しく知りたい方はプレコンノートに記載されている、「5つのプレコンAction」を参考にしてください。

できるものから取り組んでみましょう。

5つのアクション

プレコン・チェックシート

もっとすてきな自分になるために、未来の家族のために、できることから始めて、1つずつチェック項目を増やしていきましょう。プレコンは女性だけではなく、男性にも必要です!妊娠は女性だけの問題ではありません。男性も以下の項目をチェックし、健康維持につとめて将来の健康へつなげましょう。

不妊検査や不育症の検査や治療に関する助成について

尼崎市では、不妊に悩む方が早期受診し、不妊症の早期発見・早期治療を促進することともに、その経済的負担の軽減を図るため、不妊症の検査に要する費用のうち、医療保険が適用されない検査費用の一部を助成します。
また、妊娠しても流産や死産を繰り返す不育症の医療保険適用されない検査・治療の一部を助成します。

兵庫県不妊治療応援サイトについて

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このページに関するお問い合わせ

保健局 保健部 健康増進課(尼崎市保健所健康増進課)
〒660-0052 兵庫県尼崎市七松町1丁目3番1-502号 フェスタ立花南館5階
電話番号:06-4869-3033
ファクス番号:06-4869-3049