A群溶血性レンサ球菌感染症
印刷 ページ番号1035489 更新日 2024年4月4日
A群溶血性レンサ球菌感染症とは
「A 群溶血性連鎖球菌(略して溶連菌)」という健康な人の鼻や皮膚にいる、ごくありふれた常在菌が呼吸器や皮膚の傷口などに侵入して感染し様々な疾患を引き起こす病気です。溶連菌はいろいろな症状の原因となり、場合によっては重症感染症にも繋がりかねないため注意が必要です。たかが「溶連菌」と侮らず、全身症状が強いときは安静にし、注意深く経過を観察しましょう。
好発年齢
3~15歳を中心に、幼児・学童期に多く発症します(ピークは5歳~10歳)。
抵抗力の低下した大人もかかりますので家庭内でも注意が必要です。
流行時期
冬および春から初夏にかけての年2回流行のピークがあります。
潜伏期間
2~5日、膿痂疹(とびひ)では7-10 日。
症状が出始めた頃が最も感染力が強く、幼稚園や保育園、小学校などで集団発生することがあります。
感染期間
抗菌薬の内服開始後24 時間で感染力は低下するとされています。
感染経路
唾液などが口に入ることで感染する飛沫感染、菌に触れた手を介して感染する接触感染。
溶連菌が引き起こす症状・病気
上気道感染
発熱と咽頭痛で発症。首のリンパ節が腫れることもあります。咳や鼻水などの風邪の症状が少ないことも特徴です。舌が真っ赤に腫れる「いちご舌」になることもあります。
皮膚の症状
全身にかゆみを伴う発疹が出ますが1週間程度で発疹は治まります。その後指先の皮膚がむけてきます。3週間程度で治まります。その他にも、膿痂疹(とびひ)、蜂窩織炎(ほうかしきえん:皮膚や皮下組織に菌が入り込み炎症を起こす)などがあります。
※治療が不十分な場合は、リウマチ熱や急性糸球体腎炎を併発する場合があります。
治療法
溶連菌に効果的な抗菌薬で治療します。抗菌薬を飲み始めると数日で症状が軽くなりますが、体内から完全に消えたわけではなく、再発してしまうことがあります。リウマチ熱や急性糸球体腎炎などの合併症予防のためにも、症状がよくなっても決められた期間きちんと抗菌薬を飲むことが重要です。
予防法
ワクチンはありません。
飛沫感染、接触感染として、手洗い、うがいなどの基本的な予防法の励行が大切です。アルコール消毒が有効なので、ドアノブなど多く触れる場所はこまめに消毒をしましょう。
日ごろからバランスの良い食事や規則正しい生活リズムを心がけ、免疫力を高めましょう。
家庭でのケア
食事・水分
- 脱水予防のため、こまめに水分をとりましょう。
- 消化に良いものを食べましょう。
- かたいもの、熱いもの、酸っぱいもの、のどに刺激を与えるものは避けましょう。
環境
- 室温は秋から冬にかけては20℃前後、夏は26~28℃が適温と言われています。暑すぎたり寒すぎたりしないよう快適な室温を保ちましょう。
- 湿度は50~60℃程度を保ちましょう。ぬれタオルや洗濯物を室内に干したり、加湿器を使用しましょう。加湿器を使用する場合は水をこまめに変えて清潔にしましょう。
- 定期的に換気をしましょう。
家庭内感染予防
- 手を介して感染することがあるため、こまめな手洗いで手を清潔にしましょう。
- 発症者とのタオルの共有は避けましょう。ペーパータオルを使うことも一案です。
- 発症者のお世話をする方はマスクを着用しましょう。
その他
- ひっかき傷を作らないように爪は短く切るようにしましょう。
- お風呂は、元気なら入っても構いません。但し、温まりすぎるとかゆみが増すので注意しましょう。
受診の目安
回復後、2~4週間してから急性腎炎・リウマチ熱・アレルギー性紫斑病などを起こすことがあります。
下記の症状を認めた場合はすぐ受診して下さい。
- 顔がむくむ
- 尿がでにくい。水分摂取をしているにもかかわらず尿の色が濃い
- 動悸、息切れ
- 関節痛
- 呼びかけても反応が弱いなど異常にぼんやりしている場合
- 首が硬直して曲げづらい など
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このページに関するお問い合わせ
保健局 保健部 感染症対策担当(尼崎市保健所感染症対策担当)
〒660-0052 兵庫県尼崎市七松町1丁目3番1-502号 フェスタ立花南館5階
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