感染性胃腸炎
印刷 ページ番号1035612 更新日 2024年3月19日
感染性胃腸炎は、病原性大腸菌やサルモネラなどの細菌、ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス等により起こる胃腸炎の総称です。
1年を通して発生する可能性がありますが、冬場に流行する感染性胃腸炎のほとんどは、ウイルス性のものが多いとされています。
ノロウイルス胃腸炎・ロタウイルス感染症とは
ノロウイルス胃腸炎 | ロタウイルス感染症 | |
---|---|---|
流行時期 | 11月~2月頃 | 1月~4月頃 |
好発年齢 | 年齢関係なく発症 |
生後6カ月から5歳ごろまでの乳幼児 |
潜伏期間 | 1日~2日 | 約2日 |
症状 |
・吐き気、おう吐、下痢、腹痛 ・37℃~38℃の発熱を伴うこともある。 ・上記症状が1日~2日続き、回復する。 |
・吐き気、おう吐、下痢、腹痛 ・米のとぎ汁のような白色の水様便が特徴。 ・ノロウイルスに比べて発熱を伴うことが 多い。 ・下痢やおう吐は、3日~8日程度で回復する。 ・発熱は通常半日から1日で回復する。 |
感染経路
経口感染
ウイルスに汚染された食品を食べてしまうことで感染します。ノロウイルスでは牡蠣やあさりなどの二枚貝を、加熱不十分で食べてしまうことで感染します。
接触感染
ウイルスに直接触れたり、感染者が触れたところに第三者が触れることで感染します。
空気(塵埃(じんあい))感染
ふん便やおう吐物が乾燥し、チリやホコリとなり空中を漂い、それを吸い込むことで感染します。
治療
ノロウイルスやロタウイルスに対する治療薬はありません。症状に合わせて整腸剤や吐き気止め、解熱剤を使用する対症療法になります。下痢止めで下痢を止めてしまうとウイルスが腸管内にたまって、かえって回復を遅らせてしまう可能性があるためなるべく使用はやめましょう。
感染予防法
十分な加熱処理でウイルス退治
食品に付着したノロウイルスを死滅させるためには、中心温度85℃~90℃、90秒以上の加熱処理が必要です。そのため冬季は牡蠣などの生食は避けましょう。また生ものを扱った包丁やまな板などの調理器具もしっかり洗い、塩素系消毒薬で洗浄しましょう。
流水・せっけんでの手洗い
ノロウイルス・ロタウイルスにはアルコール消毒が効かないため、流水とせっけんで手洗いをすることが最も有効です。症状がない場合でもウイルスに感染しており、ふん便中に排出している可能性があります。普段からこまめな手洗いを心がけましょう。
感染性胃腸炎予防の手を洗うタイミング
- トイレに行った後
- 調理をする前
- 料理を盛り付ける前
- 食事の前
- おむつ処理の後
- おう吐物を処理した後
手洗いのポイント
- 指輪や時計などを外し、せっけんを使って洗いましょう。
- 指先や指の間、爪の間、親指の周り、手首、手の甲は汚れが残りやすいところなので注意して洗いましょう。
- おむつ処理やおう吐物処理をした後は、「2度手洗い」をしよう。
感染拡大しないために
食器・環境・衣類の消毒
感染者が触ったドアノブやスイッチ、便座などにウイルスが付着してしまうため、塩素系消毒液で消毒しましょう。おう吐物がついた食器は、塩素系消毒薬に浸してから洗浄しましょう。また汚染した衣服は静かに水洗いし、塩素系消毒薬で消毒しましょう。
適切な汚物処理
おう吐物やふん便の処理は使い捨てのエプロンやマスク、手袋を着用して、乾燥する前に塩素系消毒薬で速やかに行いましょう。乾燥してしまうとウイルスが空中に漂い、吸い込むことで感染拡大につながります。処理後は窓を開けて換気し、拭き取ったペーパーやおむつはビニール袋に入れて、必ず密封し廃棄しましょう。
症状が落ち着いてからも感染対策を
症状が強い時は感染力が強い時期なので、タオルの共有はやめましょう。しかし、症状が落ち着いてからも、数週間は便にウイルスが排出されているので、トイレの後やおむつ交換の後は、しっかりと流水とせっけんで手洗いをしましょう。
感染性胃腸炎になったら
脱水に注意
脱水予防には、こまめに少しずつ水分補給をするよう心がけましょう。塩分や糖分を含んでいる経口補水液やスポーツドリンクでの水分補給が効果的です。吐き気が強い時やおう吐の直後は、水分摂取をすることで再びおう吐を誘発してしまうこともあるため、症状が落ち着いてから、少しずつ水分摂取を開始しましょう。
胃腸にやさしい食事を
食欲がないときは、1回量を減らして回数を分けて食べてみましょう。おかゆやうどんなど温かいものにし、うどんはいつもよりやわらかく煮込むことで消化が良くなります。また人参や大根をやわらかく煮た野菜スープは水分補給も一緒にできるため食べてみましょう。逆に生野菜やレンコン、ごぼうなどの繊維の多い野菜は消化が悪く、下痢を悪化させてしまうため避けましょう。また柑橘系や油分の多い食品も腸を刺激してしまうので避けましょう。
こんな時は受診を
血便が出る、意識がもうろうとする、ぐったりとして呼びかけへの反応が鈍い、黄色・緑色のおう吐が続くなどの症状があれば医療機関を受診しましょう。
消毒薬の作り方
次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤)を活用し消毒液を作りましょう。
感染者が触れた場所 0.02% |
おう吐物やふん便が直接触れた場所 0.1% |
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製品の濃度 | 製品の液量 | 水の量 | 製品の液量 | 水の量 |
6% | 10ml | 2L | 40ml | 2L |
1% | 40ml | 2L | 200ml | 2L |
- 0.02%はドアノブやスイッチ、便座などの感染者が触れた場所の消毒、調理器具の漬け置きに使用。
- 0.1%は、直接おう吐物がついた床や衣類、廃棄するおむつを浸す時に使用。
- 塩素系漂白剤は手指や皮膚などの消毒には使用しないでください。
- 効果が弱まるため消毒液の作り置きはせず、誤飲防止のために消毒液であることははっきりを明記しておきましょう。
添付ファイル
関連情報
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このページに関するお問い合わせ
保健局 保健部 感染症対策担当(尼崎市保健所感染症対策担当)
〒660-0052 兵庫県尼崎市七松町1丁目3番1-502号 フェスタ立花南館5階
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