第5回 アマメシ紹介 (平成28年12月掲載)

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印刷 ページ番号1003255 更新日 2021年5月26日

アマメシ紹介

この「アマメシ紹介」のページでは、社員食堂、大学、学校、保育所、病院、高齢者施設など、尼崎市内の様々なところで提供されている給食を『アマメシ』と題して、『アマメシ』とそれを『作る人』や『食べる人』の姿をご紹介していきます。

 

それでは、今回の『アマメシ』をご紹介しましょう!!
皆さん、「一体、どこの給食なのか・・・??」を想像しながら、ご覧ください。

本日の『アマメシ』紹介!!

本日の『アマメシ』は、「炊き込み御飯・季節の天ぷら・菊菜ときのこの和え物・赤だし・柿」です。
きのこや柿など秋が旬の食材を使用した献立です。おいしそうですね♪♪

給食

≪栄養成分表示(1食分)≫ 
エネルギー:679キロカロリー、たんぱく質:26.1グラム、脂質:18.0グラム、食塩:3.5グラム、野菜量:197グラム

~献立のポイント~

  • さつまいも、きのこ、柿など、秋が旬の食材を使用した人気の季節メニューで、食欲増進を目指しました。
  • 季節の天ぷらには、積極的に摂っていただきたい“たんぱく質”や“食物繊維”などが多い食材を選び、盛り合わせました。
  • 繊維がかたい食材や葉物は小さめにカットして食べやすくするなど、どの食材も食べやすさを考慮して、下処理から仕上がりまで調理を工夫しています。 
  • 食材は安心・安全を考えて、なるべく国産のものを選んで使用しています。また、野菜は旬のものをおいしく食べていただくために、出来る限り冷凍野菜ではなく、生野菜を使用しています。 

 

この『アマメシ』は、一体、どんな方が食べる給食なのでしょうか・・・??
実際にこの給食を食べている様子をご紹介しましょう!

私達が給食を食べています!

食事時にお邪魔させていただき、食べている方々にお話をうかがったところ、「炊き込み御飯が食べたかった。」「天ぷらは好きやから、今日はうれしい。おいしかったで。」などとおっしゃっていました。今回の『アマメシ』でご紹介した“天ぷら”や“炊き込み御飯”は、とても人気があるメニューなんですね♪

~給食風景~

食べている方の写真

給食を召し上がられている様子です。
管理栄養士さんや言語聴覚士さんが様子をうかがいながら、食事状況を確認されています。

さて、この給食は、どんな人が作っているのでしょうか・・・??

私達が給食を提供しています!

実は、本日ご紹介した『アマメシ』は・・・「医療法人 旭会 園田病院」でお昼に提供されている給食(常食)でした!!

給食提供に携わられている皆さんに、日々の給食に込めた想いやエピソード等を教えていただきました。

 

 

院長の写真

≪橋本院長より≫
医食同源とはバランスのとれた食事を摂ることによって病気を予防し治療するという考え方です。適切な栄養療法がなければ病気の治療効果が上がらないということはエビデンスに裏付けられています。当院は療養病床ということで急性期の治療を終え在宅を目指したリハビリテーションを行っている患者さんが多く入院されています。長期入院で低下した筋力を回復させるには十分なエネルギーとたんぱく質が豊富な食事が欠かすことができません。そのような観点からリハビリテーション栄養という概念が生まれてきました。リハビリスタッフと管理栄養士は毎週の回診において低栄養状態の患者さんを抽出し、多職種が参加するNSTミーティングで栄養療法を中心とした治療方針を検討しています。 

 

管理栄養士の写真

≪栄養課・管理栄養士より≫
当院には、ご高齢の患者さんが多く入院されています。“給食”では、お一人お一人の様々なニーズにすべて応えることは難しいと感じることも正直ありますが、皆さんが食べたいと思うものはどんなメニューで、実際に食べることができるものはどんな形態の食事なのかを日々考え、食事を提供しています。また、口から食べることが難しい患者さんも多くいらっしゃいます。そのような方ともいろいろとお話する中で、昔からお好きだった食べ物や、思い出のメニュー、お好みの味、食べることに関するエピソードなどをお聞かせいただけることがあります。そういったお話を貴重なヒントとして、提供する食事に活かすことで、また口から食べることが出来るようになる方もいらっしゃいます。このように、私達は給食を通じて治療やリハビリの効果を得るための大切な基礎となる『食べること・必要な栄養を摂ること』をサポートしています。出来るだけ長く、最期まで、一口でもお好きだったものを口から食べていただくことが、患者さんご本人と、少しでも口から食べて欲しいと希望されるご家族のQOL(生活の質・人生の質)を高めることに繋がると確信し、出来る限りの個別対応に努めています。今後とも、ご高齢患者さんの長きにわたって歩んでこられた人生に敬意を表し、その中で作り上げてこられた食習慣に寄り添えるよう関わらせていただきたいと思っています。

 

言語聴覚士の写真

≪リハビリテーション科・言語聴覚士より≫
私達、言語聴覚士は「話すこと」と「食べること」のリハビリを行う専門職です。園田病院では特に「食べること」のリハビリに力を入れています。園田病院に入院するまで食べることは無理だと言われていた患者さんでも、適切な評価とリハビリにより、再び口から食べることができるようになる患者さんもいらっしゃいます。その時に大切になってくるのが食事形態です。私達がイメージを伝えると、それを給食として“かたち”にしてくれる栄養課の皆さんのお陰で経口摂取が実現できています。私達の無理なお願い、難しい注文ができる関係を作れるように病院内外問わずコミュニケーションを密にとっていき、これからも協力して患者さんのために職務を全うしていきたいと思います。

 

≪栄養課・厨房スタッフ(栄養士・調理員)より≫
味も見た目も、おいしく安全な食事をお出しできるよう、頑張っています!

厨房スタッフの写真

~調理風景~

調理風景

 

~形態対応食の提供~
給食を召し上がる患者さんの中には、噛みづらい・飲み込みにくいといった咀嚼・嚥下障害の方もおられます。そのような方々には、一人一人の状況に応じて、軟菜食一口大・きざみ食・からめ食・ミキサー食といった形態対応食を提供されています。

形態対応食の写真

<軟菜食一口大>・・・軟らかく調理し、食材の大きさが一口大になるようカットした食事です。(写真左上)
<きざみ食>・・・全ての食材を細かく刻んだ食事です。(写真右上)
<からめ食>・・・きざみ食とミキサー食を混ぜ合わせてよくからめ、バラけにくくまとまりやすくした食事です。(写真左下)
<ミキサー食>・・・軟菜食をミキサーにかけて、とろみを調整した食事です。(写真右下)

調理風景

きざみ食やミキサー食も、なるべく色鮮やかに仕上げられるよう、食材ごとに調理し、盛り付けにも配慮されています。細かく刻んだり、ミキサーにかけると、元の食材や料理名が分からなくなってしまいやすいですが、食事を提供する際には、ご本人や食事介助を行う職員・ご家族等に、食材や料理の名前を同時に伝え、おいしく食べてもらえるよう配慮されています。


ご高齢の方が食べやすい「軟菜食・からめ食・ミキサー食のポイント」を管理栄養士さんに教えていただきました。ご家庭で介護食を作る際には、ぜひ参考にしてみてください

 

~手作り野菜ジュースの提供~
常食を食べている方には、毎月季節に応じた行事食を提供していますが、形態対応食や胃ろう等から流動食を投与している方には、一般的な行事食を提供することができません。そんな中でも、少しでも季節感のあるものを楽しんでいただきたい!との気持ちから、毎月1回、フレッシュな旬の野菜や果物を使った“手作り野菜ジュース”を提供されています。

元々は、形態対応食や流動食の方のために・・・と始めた取組みですが、おいしい♪と好評で、今では常食の方にも食事と一緒に月1回手作り野菜ジュースを提供されているそうです。

ジュースの写真

 

特別に、おすすめの手作り野菜ジュースレシピを教えて頂きました!!
皆さん、お家でも参考にしてみて下さいね ↓

 

~栄養管理委員会の開催~

栄養委員会の様子

毎月1回、院内で栄養管理委員会を開催し、患者さんの望ましい栄養管理の実現に向けて、医師、管理栄養士、言語聴覚士、看護師、薬剤師、事務、介護担当者、調理担当者等、さまざまな職種の方々で情報共有や課題検討をされています。こうやって、いろんな方々が患者さんの給食や栄養管理を支えてくださっているんですね♪
栄養管理委員会では、その月に提供予定の手作り野菜ジュースの試飲もされていました。

施設のご紹介!

園田病院の外観


施設名:医療法人 旭会 園田病院
所在地:〒661-0953 尼崎市東園田2-48-7
電話番号:06-6491-9521
ファクス番号:06-6494-0199

園田病院のホームページ

 

その他の取組み

往診の様子


~管理栄養士の往診同行~

必要に応じて、医師の往診に管理栄養士が同行し、在宅で療養されている患者さんのご様子を、栄養・食事の面からも確認し、サポートされています。入院中だけでなく、退院後の在宅での食事療養についても、管理栄養士さんに相談できる機会があるのは、とても心強いことですね♪

 

 

取材にご協力いただき、どうも有難うございました!!

おじぎする女性

≪保健所 管理栄養士より≫
元気なうちは“口から食べること”は当たり前のように感じますが、病気や高齢などの理由で、噛むことや飲み込むことが難しくなり、一般的な食事では“口から食べること”ができなくなることがあります。今回ご紹介した病院では、そういった咀嚼・嚥下障害をもつ方が多く入院されており、それらの方々にも、おいしい食事を安全に口から食べ続けていただけるよう、様々な職種のスタッフが協力し、食事形態の工夫などをされていました。食べ物を口から食べておいしいと思えることは、体にも心にも本当に大切なことですね♪ 「軟菜食・からめ食・ミキサー食のポイント」や「手作り野菜ジュースのレシピ」も教えていただきましたので、ぜひご家庭でも参考にしてみてください。また、ご自宅等の住み慣れた場所で少しでも長く過ごして欲しいとの想いで、管理栄養士さんが往診に同行し、在宅等での食事療養を支援されていました。「これからは、病院の管理栄養士も地域連携の輪の中に必要とされるよう、求められる知識・技術を習得し、在宅患者さんとの関わりも深めていきたいと思います。」とおっしゃっていたことが心に残りました。取材にご協力いただきました皆様、本当に有難うございました!!

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このページに関するお問い合わせ

保健局 保健部 健康増進課(尼崎市保健所健康増進課)
〒660-0052 兵庫県尼崎市七松町1丁目3番1-502号 フェスタ立花南館5階
電話番号:06-4869-3033
ファクス番号:06-4869-3049