第14回 アマメシ紹介 (令和1年12月掲載)
印刷 ページ番号1019287 更新日 2021年5月26日
この「アマメシ紹介」のページでは、社員食堂、大学、学校、保育所、病院、高齢者施設など、尼崎市内の様々なところで提供されている給食を『アマメシ』と題して、『アマメシ』とそれを『作る人』や『食べる人』の姿をご紹介していきます。
それでは、今回の『アマメシ』をご紹介しましょう!!
皆さん、「一体、どこの給食なのか・・・??」を想像しながら、ご覧ください。
本日の『アマメシ』紹介!!
本日のアマメシは、「黒豆ごはん・牛乳・けんちん汁・さばのしょうが煮・チンゲンサイとちくわの炒め物」です。
給食といえば○○○でしょ!と誰もが思うあの場所で提供された1食です!
≪栄養成分表示(1食分)≫
- エネルギー:613kcal
- たんぱく質:31.1g
- 脂質:20.4g
- 食塩相当量:3.0g
- 野菜量:44g
≪献立のポイント≫
黒豆ごはん
お正月に煮豆として食べる黒豆を使った炊き込みご飯です。ごはんが薄くピンクに染まって、炒った黒大豆のほのかな香りが食欲をそそります。
けんちん汁
尼崎の伝統野菜「田能のさといも」をけんちん汁に使いました。田能のさといもは、粘りが強く、煮るととても柔らかくおいしいさといもです。けんちん汁は、とうふ、にんじん、こんにゃく、しいたけなどが入った具だくさんのお汁です。
特別に、詳しいレシピを教えていただきました!!
尼崎の伝統野菜 “田能のさといも”
ところで、「田能のさといも」って知っていますか?
尼崎の北部、田能地区に伝わる伝統野菜です。
色が白く、もっちりとした粘りがあり、皮をむいてもかゆくならないのが特徴です。
独自の栽培方法により大量には収穫できないため、あまり市場に出回ることはない貴重なお芋です。
そんな貴重な食材を使用した今回の『アマメシ』。
地で産まれた作物を地で消費する「地産地消」が今回のテーマです。
どこの給食か、もうおわかりですよね?そう、今回はみんな懐かしの「小学校」給食です!
では実際に、この給食を食べている様子をご紹介しましょう!
私達が給食を食べています!
4時間目の終わりを告げるチャイムが鳴ったら、みんなお待ちかね!給食の時間です!
本日ご紹介するのは、「尼崎市立わかば西小学校」の給食です!
昨年、新しい校舎に移転したわかば西小学校には、中庭を望める素敵なランチルームがあります。
取材当日、そのランチルームで給食の時間を楽しむ5年生に密着しました!
さすが高学年!
給食当番が、テキパキと準備をすすめていきます。
当番から、今日の献立について説明があった後は、待ちに待ったこの言葉…
「いただきます!」
するとそこに、こんな放送が…
放送を聞いた子どもたち。
栄養教諭の先生からも説明を受け、さっそくパクリ!
「これや!もちっとしてる」
「ほんまや、美味しい!」
「どれどれー?あ、あった!豆腐みたいに白いね」
「さといもって美味しいんやね~」
量が多くないのかな?と思ったのもつかの間。
どんどん食べ進めていき、おかわりも続々。この日の一番人気は「黒豆ごはん」!
黒豆のほのかな甘みとご飯の相性は抜群!
あっという間に、すべての食缶が空っぽになりました!
そして、食べ終わった頃を見計らって、栄養教諭による食育の授業が始まりました。
「みんなは、なぜ食べるんですか?」
先生の問いかけに、次々手があがります。
(ピン!と伸びた手を見ると、なんだかすがすがしい気持ちになりますね)
「死なないように!」
「生きるため!」
「お腹がすくから食べる!」
「身長を伸ばすため!」
この日は、私たちが食べたものが体の中でどのような働きをしているのか、五大栄養素についての授業です。
子どもたちの表情は真剣そのもの。
あっという間に、給食の時間は終了です。
担任の先生にも、クラスの様子について伺いました。
《担任 塩瀬先生より》
食べることが大好きな児童が多く、一日一人(毎日)行っている質問タイムでは「今日の給食で好きなメニューは何ですか?」と尋ねることが定番になっています。
1学期から食缶を空っぽにすること、きれいに入れることを指導しているので、子どもたち自身も食器をきれいに、お米一粒、人参一本を大切に食べることに気をつけてくれています。
社会科で学習した「地産地消」の野菜が出ると興味をもって食べています。
さて、この給食は、どんな人が作っているのでしょうか・・・??
私達が給食を提供しています!
給食提供に携わられている皆さんに、日々の給食に込められた想いやエピソードを教えていただきました。
《岡本校長より》
6年生の担任をした時、卒業文集に学校で好きな時間ベスト3を載せました。その中に「給食の時間」がありました。(残りは、体育と休み時間でした。)給食は子どもたちにとって大きな楽しみであり、会食を通して友だちとの人間関係を深めたり食文化への理解や関心を高めたりする大切な時間です。
もちろん、安全、衛生管理の指導と徹底による「食の安全・安心」の確立や、食品の種類や働きを考えたバランスのとれた「健康によい食」のために、栄養教諭と学校栄養職員を中心に委託業者や保護者と連携をとりながら献立作り等を進めています。
学校給食を通して日常の食事を大切にし、学んだことを生かそうとする子どもたちを育てるために、より良い給食の提供を目指していきます。
《川原栄養教諭より》
給食の時間が楽しい時間になるようにといつも考えています。どんなに栄養バランスの整った献立でも残してしまうと意味がありません。もちろん安心、安全な給食は言うまでもありませんが、子どもたちが「おいしいね。」とにっこり笑顔で給食を食べてくれるのが一番です。
もちろん好き嫌いばかりしていたのでは困ります。ランチルームでの給食時間の指導や教科と関連づけた食育の時間を通して、食べることの大切さや、食品についての知識を伝えるようにしています。子どもの頃の食習慣は、大人になっての食習慣に大きく影響するといわれています。一人一人が給食から一つでも自分の健康のために何かを学んでくれたらいいなと思います。また、子どもを通して、給食から家庭への食の大切さの発信につながればと思います。
《調理師 村上さん(後列中央)より》
自分の子どもたちに料理を出しているつもりで作っています。
安全・安心はもちろん、よりおいしく感じてもらうにはどうするべきか?よりいい状態で出すにはどうすべきか?を考え、栄養教諭の先生と相談し、調理員全員で試行錯誤しながら作っています。
児童の皆さんには、家でお父さん、お母さんが作るごはんを食べるように、給食も友達や先生方と一緒に食べる楽しい時間にしてもらいたいです。卒業して給食を食べなくなっても、料理の味だけでなく、楽しかった時間、友達、先生方との会話などを思い出して「ほっこり」してもらえればうれしいです。
平成29年度から学校給食での提供が始まった「田能のさといも」。
その貴重さから、一度に全ての学校で提供することは難しく、わかば西小学校では今年が初めての提供です。それでも今年、学校給食のために用意された田能のさといもは、なんと!約110kgもあるそうです。
市内で田能のさといもの保存・普及に努めている、自然と文化の森協会の方々の畑に伺いました。
《会長 引地さん(前列左端)より》
自然と文化の森協会では、農薬、除草剤を使わずに、ひとつひとつ手作業で栽培しています。
田能のさといもは連作がきかないので、3年間、畑をかえて作らなければいけません。失敗できないから気を遣うね。今年の夏は特に暑くて、水やりが大変でした。
大きなつるを引っこ抜くと、親芋、子芋、孫芋までゴロゴロ!そこから丁寧に土を除き、サイズ分けをして、粒ぞろいのさといもが学校給食用として納入されました。
今年11月17日(日曜日)に開催された収穫祭には、200人を超える方々が参加!
さといもが入ったのっぺい汁の提供や、収穫体験が行われました。
一人でも多くの方々に、田能のさといものおいしさ、田能の農地のすばらしさを知っていただくために、日々活動しているそうです。
施設のご紹介
尼崎市立わかば西小学校
- 所在地:〒660-0084 尼崎市武庫川町1丁目25番地
- 電話番号:06-6418-2888
- ファクス番号:06-6418-2889
取材にご協力いただき、どうもありがとうございました!
≪保健所 管理栄養士より≫
一つのお椀の中の、たった一つの具ですが、その一つの具に込められた生産者の想いが、献立を立てる人、調理する人をはじめ、多くの人によって食べる人(子どもたち)に伝えられる…
まさに今回は、食から広がる人の想いが見える給食でした。
また、近年増えている、ランチルームでの共食。いつも食べているおにぎりでも、外で食べるだけで妙に美味しく感じるという経験があるという方も多いかと思います。大きなガラス戸からたくさんの光が入るわかば西小学校のランチルーム。いつもの教室とはちょっと雰囲気が違うだけで、心も会話も弾みそうな気がしました。
お忙しいなか、取材にご協力いただきました皆様、本当にありがとうございました。
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このページに関するお問い合わせ
保健局 保健部 健康増進課(尼崎市保健所健康増進課)
〒660-0052 兵庫県尼崎市七松町1丁目3番1-502号 フェスタ立花南館5階
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