離婚後のこどもの養育について
印刷 ページ番号1042151 更新日 2026年3月6日
離婚を考えている方に、子の養育に関して考えていただく際の参考になる情報を掲載しています。
民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について
2024年(令和6年)5月17日に、民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)が成立しました。
この法律は、父母の離婚等に直面する子の利益を確保するため、子の養育に関する父母の責務を明確化するとともに、親権・監護、養育費、親子交流、養子縁組、財産分与等に関する民法等の規定を見直すものです。この法律は、令和8年4月1日に施行されます。
【Youtube法務省チャンネル】離婚後の子の養育に関する民法等の改正について(約37分)
詳しくは、法務省のホームページをご覧ください。
改正法のポイント
1 親の責務に関するルールの明確化
父母が、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもを養育する責務を負うことなどが明確化されています。
こどもの人格の尊重
こどもの心身の健全な発達を図るため父母は、こどもの人格を尊重し、年齢や発達の程度に配慮してこどもを養育する責務を負います。
こどもの扶養
こどもが親と同程度の水準の生活を維持することができるように父母は、こどもを扶養する責務を負います。
父母間の人格尊重・協力義務
こどもの利益のために父母は、お互いの人格を尊重し協力しなければなりません。
次のような行為は、この義務に違反する場合があります。
- 父母の一方から他方への暴行、脅迫、暴言等の相手の心身に悪影響を及ぼす言動や誹謗中傷等
- 別居親が、同居親による日常的な監護に、不当に干渉すること
- 父母の一方が、特段の理由なく他方に無断でこどもを転居させること
- 父母間で親子交流の取決めがされたにもかかわらず、その一方が、特段の理由なく、その実施を拒むこと
こどもの利益のための親権行使
こどもの面倒をみたり、こどもの財産を管理する親権は、こどもの利益のために行使しなければなりません。
2 親権に関するルールの見直
(1)父母の離婚後の親権者
協議離婚の場合
離婚後も親子関係は続きます。こどもが心も体も元気でいられるように父母が話し合って、親権者を父母双方とする共同親権か、父母の一方とする単独親権とするかを定めます。
父母の協議が調わない場合や裁判離婚の場合
家庭裁判所が、こどもの利益の観点から、共同親権とするか、単独親権とするかを定めます。
また、次のような場合には、家庭裁判所は必ず単独親権の定めをすることとされています。
- 虐待のおそれがあると認められるとき
- DVのおそれその他の事情により父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるとき
※殴る・蹴る等の身体的な暴力を伴う虐待・DVに限定されません。
※共同親権と定めることでこどもの利益を害すると認められるときは、裁判所は必ず単独親権の定めをすることとされています。
(2)親権の行使方法(父母双方が親権者である場合)
父母双方が親権者である場合の親権の行使方法のルールが明確化されています。
ア. 親権は、父母が共同して行います。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他方が行います。
イ. 次のような場合は、親権の単独行使ができます。
- 監護教育に関する日常の行為をするとき
- こどもの利益のため急迫の事情があるとき
【監護教育に関する日常の行為】
日々の生活の中で生じる監護教育に関する行為で、こどもに重大な影響を与えないものをいいます。
日常の行為に当たる例(単独行使可)
- 食事や服装の決定
- 短期間の観光目的での旅行
- 心身に重大な影響を与えない医療行為の決定
- 通常のワクチンの接種
- 習い事
日常の行為に当たらない例(共同行使)
- こどもの転居
- 進路に影響する進学先の決定(高校に進学せずに就職するなどの判断を含む)
- 心身に重大な影響を与える医療行為の決定
【こどもの利益のため急迫の事情があるとき】
父母の協議や家庭裁判所の手続を経ていては親権の行使が間に合わず、こどもの利益を害するおそれがある場合をいいます。急迫の事情があるときは、日常の行為にあたらないものについても父母の一方が単独で親権を行うことができます。
個別具体的な事情によりますが、急迫の事情の例としては次のような場合があります。
- DVや虐待からの避難(こどもの転居などを含みます)をする必要がある場合(被害直後に限りません)
- こどもに緊急の医療行為を受けさせる必要がある場合
- 入学試験の結果発表後に入学手続の期限が迫っているような場合
ウ. 特定の事項について、家庭裁判所の手続で親権行使者を定めることができます。
【親権行使者の指定】
父母が共同して親権を行うべき特定の事項(例:急迫の事情があるとはいえない場面におけるこどもの転居や財産管理など)について、父母の意見が対立するときは、家庭裁判所が父又は母の請求により父母の一方を当該事項に係る親権行使者に指定することができます。
親権行使者は、その事項について単独で親権を行うことができます。
3 養育費の支払確保に向けた見直し
養育費は、こどもが経済的・社会的に自立するまでに要する衣食住に必要な経費、教育費、医療費などが該当します。
離婚によって親権者でなくなった親であっても、こどもの親であることに変わりはありませんので養育費の支払義務を負います。
【合意の実効性の向上】
これまでは父母間で養育費の支払を取り決めていたとしても、養育費の支払がなかったときに養育費の支払義務を負う親の財産を差し押さえるためには、公正証書や調停調書、審判書などの「債務名義」が必要でした。
今回の改正により、養育費債権に「先取特権」と呼ばれる優先権が付与されるため、債務名義がなくても養育費の取決めの際に父母間で作成した文書に基づいて差押えの手続を申し立てることができるようになります。
養育費のうち先取特権が付与される上限額は、子一人当たり月額8万円です。
なお、民法等改正法の施行前(令和8年3月31日以前)に養育費の取決めがされていた場合には、施行後(令和8年4月1日以降)に生ずる養育費に限って先取特権が付与されます。
【暫定的に請求することができる養育費(法定養育費)の新設】
これまでは父母の協議や家庭裁判所の手続により養育費の額を取り決めなければ、養育費を請求することができませんでした。
今回の改正により、離婚のときに養育費の取決めをしていなくても、離婚のときから引き続きこどもの監護を主として行う父母は他方に対して、暫定的に一定額(子一人当たり月額2万円)の養育費を請求することができるようになります。
- 民法等の一部を改正する法律の施行日(令和8年4月1日)以降に離婚した場合に、法定養育費を請求することができます。
- 法定養育費は、あくまでも養育費の取決めをするまでの暫定的・補充的なものです。こどもの健やかな成長を支えるためには、父母の協議や家庭裁判所の手続により各自の収入などを踏まえた適正な額の養育費の取決めをしていただくことが重要です。
【裁判手続の利便性向上】
養育費に関する裁判手続をスムーズに進めるために、家庭裁判所が当事者に対して収入情報の開示を命じることができるようになります。
養育費を請求するための民事執行の手続においては地方裁判所に対する1回の申立てで、次の一連の手続を申請することができるようになります。
(1)財産開示手続:養育費の支払義務者は、その保有する財産を開示しなければならない
(2)情報提供命令:市区町村に対し、養育費の支払義務者の給与情報の提供を命じる
(3)債権差押命令:判明した給与債権を差し押さえる
4 安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し
【婚姻中別居の場合の親子交流】
婚姻中別居の場合の親子交流について、次のようなルールを明らかにしています。
(1)婚姻中別居の場合の親子交流については父母の協議により定める。
(2)協議が成立しない場合には、家庭裁判所の審判等により定める。
(3)(1)や(2)に当たっては、こどもの利益を最優先に考慮する。
【父母以外の親族とこどもの交流】
こどもの利益のため特に必要があるとき家庭裁判所は、父母以外の親族とこどもとの交流を実施するよう定めることができることとしています。
また、こどもが父母以外の親族と交流をするかどうかを決めるのは、原則として父母ですが、例えば、父母の一方が死亡したり行方不明になったりした場合など、ほかに適当な方法がないときは次の(1)~(3)の親族が、自ら家庭裁判所に申立てをすることができるようになります。
(1)祖父母
(2)兄弟姉妹
(3)(1)(2)以外で過去にこどもを監護していた親族
【親子交流の試行的実施】
家庭裁判所は、こどもの心身の状況に照らして相当であるかや親子交流の試行的実施の必要性があるかなどを考慮して、当事者に親子交流の試行的実施を促すことができます。
国(法務省・こども家庭庁)関連サイト
- (法務省)民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について(外部リンク)

- (法務省)パンフレット(父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました)(外部リンク)

- (こども家庭庁)ひとり親家庭のためのポータルサイト(外部リンク)

こどもの養育に関する合意書作成の手引きとQ&A
協議離婚の際には、子どもの監護者(親権者)だけでなく、親子交流や養育費の分担について「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」と民法に規定されています。
法務省のWebサイトでは、大事な事項の取り決め方についてパンフレットを公開していますので、ご活用ください。
このページに関するお問い合わせ
こども青少年局 こども福祉課
〒660-8501 兵庫県尼崎市東七松町1丁目23番1号 本庁北館2階
電話番号:06-6489-6349
ファクス番号:06-6482-3781














