JICAボランティアからのお便り(平成28年度3次隊)

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印刷 ページ番号1005341 更新日 2018年2月23日

平成28年度3次隊 ウルグアイからのお便り 吉田 正三朗(よしだ しょうざぶろう)さん(日本語教師)

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吉田 正三朗さん(外国語センター長代理とともに)

 

(平成29年4月のお便り)

地球の反対にある南米のウルグアイで日本語を教えています。

JICAのシニア海外ボランティアとして、2017年1月からウルグアイの共和国大学で、日本語教育のボランティアをしています。ウルグアイは南半球に位置しており、日本の夏がこちらでは冬になります。今、ウルグアイは秋です。花屋ではコスモスを売っており、果物屋ではみかんを安く売っています。気温は少しずつ下がっています。真夏にあたる1月中旬に赴任しましたが、大きな街路樹が町中にあり、クーラーをあまり使わずに、日本よりも快適なウルグアイの夏を過ごしました。

ウルグアイの面積は日本の半分くらいですが、大きな山がなく、国土の大部分が平地です。人口は342万人ほどで、兵庫県の人口より少なく、首都のモンテビデオに人口の半数近くの140万人がすんでいます。広大な平地には、人口の数倍にあたる沢山の牛や羊などの家畜が放牧されています。従って、牛肉の値段は1キログラム800円位です。しかし、国内の生産物を守るために外国の品物には高率の関税がかけられ、さらに消費税が22%もかけられているため、外国から輸入される商品の値段は日本よりも高くなっています。地理的に近いエクアドルのバナナやチリの鮭は輸入品なので、日本よりずっと高い値段です。

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ロド公園とラプラタ川
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共和国大学本校

私は首都モンテビデオにある共和国大学で、3月から日本語教育を担当しています。任期は2017年1月から2019年1月までの2年間になります。共和国大学は唯一の国立大学で大学の授業料は無料です。経済学部、法学部、建築学部、芸術学部、医学部、獣医学部、人文教育科学学部など14学部があります。人文教育科学学部には、外国語センターが置かれています。ここには英語、ドイツ語、イタリア語、フランス語、ポルトガル語、日本語などの外国語講座があり、日本語は入門から初中級まで3クラス開かれています。私はこの外国語センターで、日本語の授業をすべて担当しています。この学部には、他にスタッフがいないため、スケジュールやテスト、名簿やプリントの作成など、学校の事務員が担当するような仕事まで、すべての作業を一人でしなければなりません。しかし、以前、スペインに住んでいたこともあり、スペイン語は話せますので、特に問題もなく日本語の授業を進めています。今年は、この大学で10年間使われてきた、テキストを新しいものに変更したので、授業スケジュールやテストなど、作り直さなければならないので、私が担当する仕事がたくさんあります。病気などで休むと、日本語クラスが休講になってしまいますから、病気や怪我などしないように気を付けながら生活しています。

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日本語クラス
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青空市場

ウルグアイは日本から最も遠い国で、飛行機の乗り継ぎ時間も含めると、30時間以上もかかります。しかし、日本のマンガやアニメなどの日本の文化は、ウルグアイの若者にとても人気があります。そのため、日本語を学ぶ学生は年々増えています。今年は、応募者が昨年より30%ほど増え、入門コースには109名の登録がありました。実際には登録しても授業に来ない学生もいますが、いまのところ70名位が入門コースの授業を受けています。今年の日本語クラスの登録学生数は、全体で151名になります。日本語は一般教養科目になるので、全ての学部から受講の申し込みがあります。学生の中には、仕事やほかの授業の関係で週2回の授業にこられないため、終了単位は取れないことがわかりながら、どうしても日本語を勉強したいという熱意から、授業に参加している学生もいます。単位をとるには、日本の大学よりも高い出席率と高い得点が必要になり、大学の単位の取得や大学卒業は大変難しいのです。授業以外にも、日本の文化の紹介なども、計画しています。1回目は、全ての日本語クラスの学生を対象にして、3月29日に習字を行いました。31名の学生が参加しましたが、筆を持つのが初めての学生がほとんどで、みんな熱心にひらがなや漢字を練習していました。

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書道教室

ウルグアイは、日本ではあまり知られていませんが、「世界で一番貧しい大統領」と呼ばれるムヒカ氏が日本の大学で講演してから、ウルグアイの国名も日本人に知られるようになってきました。日本への関心をもつ学生も増えていますので、将来、日本語を学んだウルグアイの学生が日本へ留学してほしいと思います。以前、私がベトナムの日本語学校で、日本語を教えたことのある学生が、今は日本に来て、関西大学や同志社大学で勉強しています。尼崎に住んで、関西の大学で勉強するウルグアイ人もでてくるかもしれません。帰国してからは、外国人の留学生への支援活動や様々な日本人との交流活動を進めて、尼崎市のさらなる国際化のお手伝いが少しでもできればと思います。

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市内を走るバス

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