A-LAB Exhibition Vol.41「たましいのかたち Soul Form」黒宮菜菜

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印刷 ページ番号1035136 更新日 2024年1月9日

イベントカテゴリ: 文化・芸術

 人間の死生観に興味を抱き、小説や古代史に着想を得て幻想的な作品を生み出してきた気鋭の画家、黒宮菜菜の新作個展を開催します。

  - 魂に色や形を与えるとしたら、どのようなイメージになるだろうか -

 黒宮は近年、古墳時代の遺跡から出土した「少年」と「鳥」をモチーフに取り上げ、浮遊する魂のイメージを描いてきました。今回の個展では、そこからさらに展開し、空間を往来する鳥、馬、船、さらに見えない存在を可視化する衣服の袖や領巾(ひれ)の揺れなど、古代から様々な形象に託されてきた、魂のイメージを模索します。絵具や蜜蝋、植物や石など様々なものから成る独創的な画面から、どのような「たましいのかたち」が生成されるのか。注目の最新作をぜひご覧ください。

開催期間

2023年12月9日(土曜日)から2024年1月28日(日曜日)まで

開催時間

平日  午前11時から午後7時
土日祝 午前10時から午後6時
休館日 火曜日
    年末年始 12月29日(金曜日)から令和6年1月3日(水曜日)

対象

未就学児、親子、小中学生、一般、シニア

開催場所

A-LAB
住所:西長洲町2-33-1
A-LAB(えーらぼ)とは?

費用

不要

関連イベント

アーティストトーク

作品の背景や作品への思いをアーティストに聞きながら鑑賞します。

日時:1月21日(日曜日) 午後2時から午後3時
定員:先着20人
会場:A-LAB
 

申込方法

メールにイベント名、氏名、年齢、電話番号を書いて申込ください。

Eメール:amalove.a.lab@gmail.com

出展作家

黒宮 菜菜(くろみや なな)

1980年 東京都生まれ
2009年 京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻(油画)修了
2015年 同大学博士号 (芸術学) 取得
 

 小説、神話、古代史などから着想を得て、人間の死生観や自然観を独自の視点で描く。主に油彩作品と、染料と和紙による作品の、2種類の絵画作品を制作。特に近年の油彩作品では、支持体の縁に土手状のフレームを作り、キャンバスを器に見立て、絵具や蜜蝋、植物や石など様々なものを注ぎ込んで重層的で混沌とした画面作りを行っている。

作家コメント

 魂に色や形を与えるとしたら、どのようなイメージになるだろうか。

 古代の日本人は、魂の色を青色と考えていたらしい。そして、肉体が死を迎えると、魂は鳥や馬や船になる。陸海空、遠くまで移動可能なものたちだ。また、行ったきりではなく、 再び帰ってくる性質のものたちでもある。行ったり来たり、どこを?と聞かれたら困るが、この辺りをうろうろとしているものたちなのであろう。

 他にも、眼に見ることのできない魂は、衣服の袖や領巾(ひれ)の揺れによって視覚化されてきた。風が魂を運ぶというのだ。人が袖を振るうとき、風を受けて領巾(ひれ)が棚引くとき、布の動きを介して魂が目の前に現れるのだ。

 

 わたしが魂というキーワードに興味を持ち始めたのは、古墳時代の遺跡に渡り鳥(アジサシ)を抱いた少年の遺骨が埋葬されていたというテキストを読んでからだ。両親か親族が幼くして亡くなった子供の命に想いを馳せ、渡り鳥(毎年舞い戻ってくる)に魂を託して抱かせたのではなかろうかという内容であった。鳥に魂が乗りうつる。このような考えが日本にあったことにとても驚いた。

 魂が何かしら具体的な形をとって未来永劫存続するというイメージの生成。有限の命を自明のものとしながら生きる人間にとって、この生成活動は重要な営みに当たるのだろう。分からない、見えない、では安心できないのだ。だから想像によって魂の形を補った。これは、死を克服しようと試みた歴史ともいえるのではないだろうか。

 

 これまでも人間の性や死生観に興味を抱いて創作活動を続けてきたが、ここでは、古代日本の魂の形象にヒントを得て作品を作ってみたいと思っている。神話や考古学の資料などを横断しながらイメージを紡ぎ、眼に見ることのできない魂の形を模索していきたい。

問い合わせ

A-LAB   電話/ファクス 06-7163-7108

文化振興課 電話 06-6489-6385

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このページに関するお問い合わせ

総合政策局 協働部 文化振興課
〒660-8501 兵庫県尼崎市東七松町1丁目23番1号 本庁中館7階
電話番号:06-6489-6385
ファクス番号:06-6489-6702
メールアドレス: ama-art@city.amagasaki.hyogo.jp