衛生研究所での新型コロナウイルスの検査について

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印刷 ページ番号1021952 更新日 2021年12月2日

 衛生研究所は、日頃から市民の安全・安心を守るための科学的かつ技術的機関として、衛生に関する各種の試験、検査、研究を行っています。また、感染症や食中毒等の突発的な健康危機事案が発生した際は、更なる被害の拡大を防ぐため、速やかに必要な検査体制を整備し、検査を実施しています。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についても、人員や機器等の検査体制を整備して検査を実施しており、適時、検査体制の強化を図っているところです。

 このページでは、新型コロナウイルスの検査がどのように行われているか、ご紹介します。

フロー図:検査の流れ

 当所に搬入された鼻咽頭ぬぐい液などの検体は、まず、陰圧にした専用の実験室で取り出されます。次にこの検体から遺伝子の抽出を行い、感染力を失わせてからPCR反応液と混合します。こうして作成された反応液を分析装置(リアルタイムPCR)にかけて陽性・陰性の判定を行っています。

ステップ1 検体の受け取り(確認作業)

写真:検体を搬入し、取り出している様子

 鼻咽頭ぬぐい液などの検体は3重包装の状態で当所に搬入され、2重扉で仕切られた「安全実験室」に持ち込まれます。安全実験室に持ち込まれた検体は、空気が外に漏れないように気流がコントロールされた「安全キャビネット」内で取り出し、搬入された検体に書かれた氏名や検体の種類を確認します。

ステップ2 前処理(遺伝子抽出、PCR反応液と混合)

写真:抽出の様子

 検体から抽出試薬等を用いてウイルス遺伝子を取り出し、PCR反応液(酵素やプライマーなどを混合したもの)と混ぜ、リアルタイムPCRにかけるための反応液を作ります。また、遺伝子の抽出操作は手動又は自動抽出装置を用いて行っています。

 遺伝子を取り出すまでは検体に感染力があるため、安全キャビネット内でガウン、手袋、マスク、キャップ等を装着した上で作業に当たっています。これら作業に着用したガウン等の着用物は高圧蒸気滅菌という方法で滅菌処理した後に廃棄しています。

 検体から抽出された遺伝子には感染性はありません。

ステップ3 リアルタイムPCRで遺伝子を増幅

写真:リアルタイムPCR

 作成した反応液を分析装置(リアルタイムPCR)にかけ、遺伝子を増幅させます。

(補足)リアルタイムPCRとは、温度変化による反応を繰り返すことで遺伝子のコピーを大量に増幅させ、その様子をリアルタイムでモニタリングすることのできる分析装置です。

ステップ4 結果判定

写真:結果判定の様子

陽性の場合にはウイルス遺伝子の特異的な増幅が起こり、イメージ図のような増幅曲線の立ち上がりが見られます。

このページに関するお問い合わせ

尼崎市立衛生研究所(保健局 保健部 衛生研究所)
〒661-0012 兵庫県尼崎市南塚口町4丁目4番8号 ハーティ21 5階
電話番号:06-6426-6355
ファクス番号:06-6428-2566