JICA海外協力隊 松本千花隊員(パラグアイ)

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印刷 ページ番号1042100 更新日 2026年9月14日

松本千花隊員のお便り

令和7(2025)年10月

Hola!(オラ!)パラグアイからこんにちは!

パラグアイは日本のちょうど反対側にあり、季節も真逆、時差もちょうど12時間あります。「南米の心臓」と言われるように、南アメリカ大陸の中心に位置する内陸国です。海がないので海と海鮮がとても恋しくなりますが、パラグアイには、大きな川があり、多くの人が釣りや川遊びを楽しんでいます。

パラグアイ川
パラグアイ川にて

みなさんの中には、パラグアイと聞いて「サッカー」をイメージする方もいらっしゃるかもしれません。実は今年16年ぶりにワールドカップの出場権を手に入れて、大盛り上がりです。日本と対戦する日が来るのかなとワクワクしながら日々を過ごしている今日この頃です。

南米では、多くがスペイン語を話されていますが、パラグアイでは、「グアラニー語」という先住民族の言葉もスペイン語とともに公用語とされており、多くの人が混ぜて話します。最初は彼らの言っていることがわからない理由が、スペイン語がわからないからか、グアラニー語がわからないからかがわからず、大変戸惑いました。笑(住んで4カ月、今では発音の違いからすぐわかるようになりました。)それでも、グアラニーはお金の単位にまで使用されているほど、彼らにとっては大切な祖先であることがわかり、私もできるだけ彼らと同じ気持ちで、敬うことにしています。 

渡航する前に、パラグアイのことを調べて一番驚いたのは、パラグアイの面積は日本の面積の1.1倍あるにも関わらず、人口は埼玉県とほぼ同じだということです。それでも、首都は車社会なので、通勤・帰宅時はとても渋滞しています。一方、首都から180kmほど離れた私の住む地域では、6000人前後しか住んでおらず、渋滞とはかけ離れた生活をしています。私が活動している市役所は午前7時〜午後1時しか開いておらず、1日の来訪者は平均5人前後です。何かに焦ることもなく、人も動物ものどかに暮らし、自然と平和を愛している様子が伺えます。また、日曜日=家族の日としている家庭が多く、毎週日曜日の昼にBBQをする文化があります。BBQと言っても、日本で想像するよりも大きな肉の塊がまるごと焼かれ、自分のお皿で切って食べるスタイルです。毎度、大きな肉を見ては驚いて感動しています。そして、私の住む家の大家さんは、近所に親戚が多く住んでいるため、「毎日がお祝い事」と言っては過言ではないくらい、毎晩のように誕生日やベビーシャワー(出産前祝い)と称した行事を開催しており、異国の文化を日々経験しています。

バーベキュー
バーベキューの様子

令和8(2026)年9月

Hola!(オラ!)パラグアイからこんにちは!

今回はパラグアイの中でも、私の住む町「ミシオネス県サンミゲル市」について紹介したいと思います。この町は首都からバスで4時間ほど、約180km南下した位置にある人口約6000人の町の片田舎です。首都には半日足らずでいけるので、何にもない割には不便もなく、人々も穏やかで、日々鳥、猿、牛などの鳴き声を聞きながら、平和に暮らしています。

この町は畜産とともに、「羊毛の町」として知られています。その歴史は、三国同盟戦争で壊滅した畜産を復活させるため、19世紀ごろからパラグアイ政府が外国からの家畜導入を積極的に始めたことにより、アルゼンチン人とウルグアイ人により、羊毛の飼育が持ち込まれたことから始まります。もともと、綿織物をしていたこともあり、次第に綿に変わり、羊毛を扱い始めるようになりました。そうして、今や町を代表する特産品とまで成長しました。

主な生産物は冬に着る「ポンチョ」と「ヘルガ」という馬の鞍に使われる敷物です。現在、羊の飼育のほとんどを他県に委託し、羊毛を仕入れて、洗浄・毛梳き・糸紡ぎ・織り(編み)という工程を行っています。親戚ぐるみで手工芸店を経営していたり、お店を持っていない人でも、仕事の合間に羊の毛を糸にしたり、編んだり、と片手間に生業としている人が多く、この地域の経済源であり、アイデンティティとして存在しています。すなわち、羊毛の生産から製品づくりまでが 地域の生活と密接に結びついているのです。(一度、全工程を体験させてもらいましたが、どの作業も想像以上に大変でした。)

羊毛つむぎ
羊毛紡ぎ
羊毛を天日干し
羊毛

今では、パラグアイ政府が2025年4月に羊毛を扱う技術と文化(Ovecha Rague)を国の無形文化遺産として登録し、町のご年配の職人4名が人間国宝に認定されました。とはいえ、現状国内でもまだあまり知られていない文化であり、かつ、後継者不足という課題もあり、その文化の認知拡大をし、持続可能な文化にしていくことが、私の主な役割です。伝統文化の後継者不足や、保護における課題はどの国も一緒だと感じるばかりですが、日本の成功事例を踏まえて、少しでも現地の方々のためになる活動をしていきます。

現在は毎年6月に「羊祭り」と題して、羊毛文化と技術を祝い、周囲にPRする行事が開催され、今年は35周年の節目として、盛大に行われる貴重な年となりました。みなさんもパラグアイを訪れる機会がありましたら、是非6月を狙って来てみてください。

羊毛製品を販売
羊毛製品のブース
羊毛製品を試着
素敵な羊毛製品

このページに関するお問い合わせ

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