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印刷 ページ番号1015056 更新日 2024年3月25日

場所の記憶が未来への光源となる―大阪コリアタウン歴史資料館 館内見学とフィールドワーク【2023(令和5)年度 社会教育部 第2回人権教育現地学習会】

現地学習会の様子

3月1日金曜日、大阪市生野区の大阪コリアタウン歴史資料館に行ってきました。

JR環状線の桃谷駅に集合し、長澤社会教育部長とフィールドワークガイドの尼崎市教育委員会社会教育課所属の社会教育指導員 宮下先生のご挨拶の後、フィールドワークに出発。桃谷商店街を通って「つるのはしの碑」、そして疎開道路を歩き、コリアタウン入口付近にある「御幸森(みゆきのもり)天神宮」でお話を伺いました。

コリアタウンは、御幸通(みゆきどおり)、御幸通中央(みゆきどおりちゅうおう)、御幸通東(みゆきどおりひがし)の3商店街が統合して発足。現在は、キムチや豚肉などの韓国食材、民族衣装、韓流スターのグッズなどを扱う約150店が軒を連ねる一大観光地として、観光客はもとより日常のお買い物に来た地元の方、また、社会見学の学生も多く訪れており、平日とは思えないくらいの賑わいでした。

その喧騒から離れ、少し路地を入った場所にある大阪コリアタウン歴史資料館で、館長の高(こう)正子さんからご講義いただきました。コリアタウンの土台となった猪飼野(いかいの)の歴史、日本と朝鮮半島の間に生まれたさまざまな流れが古代から積み重なり、現在の生野区での多文化共生の町づくりに結び付いた成り立ちなどをわかりやすく説明していただきました。また、現在から古代までさかのぼるたくさんの写真と図表、動画などの展示資料を見学することで、より理解を深めることができました。

その後はまたフィールドワークに戻って、「百済門(くだらもん)」で平野川の改修工事にまつわるお話を聞き、御幸森(みゆきのもり)小学校校舎を利用してできた「いくのパーク」の見学、「大阪朝鮮第四初級学校」のお話で終了し、校門前で解散となりました。

今回の大阪コリアタウン歴史資料館、そして第1回現地学習会で訪問した宇治市のウトロ平和祈念館で、日本人と在日コリアンが共に力を合わせて築いてきた歴史を学び、「多文化共生」とは、どちらか一方だけの意見や要望を押し付けるのではなく、お互いが歩み寄り、譲り合い、協力することで成り立つのだということを強く感じました。

 

在日コリアンの歴史と人権を学ぶ―ウトロ平和祈念館 館内見学とフィールドワーク【2023(令和5)年度 社会教育部 第1回人権教育現地学習会(バス研修)】を実施しました。

現地学習会の様子

12月8日金曜日、京都府宇治市にあるウトロ平和祈念館に行ってきました。

ウトロ地区は、第二次世界大戦時に京都飛行場建設のために集められた朝鮮人労働者たちの飯場跡に形成された集落です。戦後、様々な事情により朝鮮半島に帰ることのできなかった人々が暮らすこの地区は生活インフラ整備からも取り残され、社会の無理解と偏見、差別に苦しめられてきました。

ウトロ平和祈念館はそういった困難に直面しながら声をあげた人々と、ウトロに寄り添ってきた日本人、在日コリアン、そして韓国市民が協力して居住権を守った歴史を継承するとともに、地域の人々に開かれたコミュニティの拠点として、また、地域を超えて日本と朝鮮半島の未来を担う人たちの出会いと交流が深まる場としての役割も担っていきたいと考えているとおっしゃっていました。

【参加された方のアンケートから感想を一部抜粋してご紹介します。】

・まず、今までに自分が新聞記事等で見たり読んだりしていたウトロ地区と、フィールドワークで実際に目にした現在のウトロ地区の様子が全く違っていたことと、祈念館の立派なことに驚きました。館内の展示や講話時にスクリーンに映し出されたウトロ地区は、新聞記事等で見たことのある姿でした。それを、マイノリティの立場に押し込められた住民(在日コリアン)だけでなく、マジョリティの立場にいる住民(日本人支援者)が共に力を合わせて、司法や行政に立ち向い、現在の姿に変えたということに意義と感動を覚えました。

・放火があった時には驚きました。その行為こそ差別だと憤りを覚えました。平和祈念館が開館されたことは喜ばしいです。住民の方々の諦めない強さを感じました。

・写真や映像、農楽の楽器等々、視覚に訴える展示がされていて印象に残り、理解が深まりました。これまでの歩みや人の交流、闘いの歴史を知ることができました。平和祈念館での出会いを通じてつながりがうまれていることもわかりました。

・あきらめないで闘って勝ち取った歴史を知ってよかった。現地を知っていると、本を読んでもニュースを見ても関心がもてる。ガイドは丁寧な説明でよくわかった。

・これからも多くの人、特に若い人たちに見学して欲しい施設でした。

人の世に熱あれ、人間に光あれ~水平社博物館 館内見学とフィールドワーク【2022(令和4)年度 社会教育部 第2回人権教育現地学習会(バス研修)】

現地学習会の様子

3月10日(金曜日)、奈良県御所市にある水平社博物館に行ってきました。

人権NPO「ほっとねっと」のボランティアガイドさんの解説を聴きながら展示を見学し、全国水平社の創立や差別と闘った運動の歴史を学びました。

水平社創立100周年にあわせて2022年3月にリニューアルオープンした水平社博物館では、人権学習で訪れる中学生や高校生が多いとのことで、広く読まれている流行のマンガから、人権を考えるきっかけになるシーンを抜粋・解説した展示が新設されていました。普段の何気ない生活の中にも、差別や偏見など「人権」について考える機会はたくさんあるということを教えられました。

フィールドワークでは、同じくボランティアガイドさんの案内で、全国水平社創立宣言の起草者である西光万吉の生家でもある「西光寺」や燕会の青年たちが集まって部落差別をなくすために話し合いを重ねた「燕神社」、全国水平社創立50周年を記念して建立された「水平社宣言記念碑」などを巡りました。

コロナ禍で3年ぶりの実施となったバス研修。参加者さんたちの学びへの意欲を感じた学習会でした。

ドキュメンタリー映画「こんばんは2」と講演会「夜間中学で未来が見えた!~自信を持って生きるために、字ぃなろてんねん~」【2022(令和4)年度 人権・同和教育実践研究大会】を開催しました。

実践研究大会の様子

1月19日木曜日、尼崎市立中央北生涯学習プラザで、人権・同和教育実践研究大会を開催しました。

コロナ禍で2年続けて中止となり、今年度も直前まで開催が危ぶまれましたが、3年ぶりに開催することができました。

全体研修会では夜間中学を舞台にしたドキュメンタリー映画「こんばんは2」の視聴と、「ひょうご夜間中学をひろげる会」の事務局長 桜井 克典さんのご講演で、全国の夜間中学の現状と課題、そして今後の展望にについて学びました。

夜間中学の生徒というと、戦争や厳しい生い立ち等の理由で、小学校や中学校を卒業することができなかった年配の人が多いというイメージだったのですが、最近では様々な理由で学校に行くことが難しくなった人や、日本に暮らす若い外国の人も増えているとのこと。

映画では、実際に夜間中学に通われている皆さんが、きらきらした眼で学ぶことの楽しさや大切さを語られていて、「学校に通って学ぶ」ということは「あたりまえ」のことではないのだということをあらためて感じました。

参加された皆さんも“夜間中学は「あってはならない学校 しかし、なくてはならない学校」”という言葉に、様々なことを考えさせられていたようでした。

また、講演後のアンケートでは「夜間中学が増えることを願っています」「尼崎市に夜間中学があることが誇りです!」との感想がありました。

講演会の後、就学前教育部(保育所)・小学校教育部・中学校教育部・社会教育部の4専門部が研究発表を行いました。限られた時間ではありましたが、熱い討議が繰り広げられ、充実した分科会となりました。

講演会と分科会の内容は3月末発行の「尼同教この1年」に収録予定です。

「人権マンガ2022」入賞作品が決まりました!

人権マンガ2022表彰式の様子と入賞作品

11月8日「人権マンガ2022」の審査委員会を行い、「小学生以下の部」「中学生から一般の部」それぞれから教育長賞1点、尼同教会長賞1点、奨励賞の2点を選出し、入賞8作品を決定しました。

また、審査委員賞は「小学生以下の部」から4点、「中学生から一般の部」から5点の計9作品が選ばれました。

表彰式は12月13日に行われ、白畑教育長・寺岡尼同教会長より、賞状と副賞が授与されました。

コロナ禍でたくさんの人が集まる講演会や学習会の実施がむずかしい中、何か人権啓発につながる事業を、と始めた「人権マンガ大募集」。むずかしいと思われがちな「人権」ですが、今回も小学生から一般までたくさんの方から素晴らしい作品をご応募いただきました。

今年度の作品展は1月19日から2月5日まで、中央北生涯学習プラザで開催予定です。ぜひ、素晴らしい作品をご覧いただき、「人権」について考える機会にしていただければと思います。

 

【入賞作品】

小学生以下の部

・教育長賞「男女の差別」 石原 ひまり さん 尼崎北小学校6年

・尼同教会長賞「家事はだれの仕事?」 Hima さん 武庫庄小学校5年

・奨励賞 「一人一人の権利」 あまきた さん 小学生

     「じんけん君と考えよう!」 中原 幹人 さん 上坂部小学校4年

中学生から一般の部

・教育長賞「あなたの人権」 ひいち さん 24歳

・尼同教会長賞「歩み寄り」 もみじパパン さん 一般

・奨励賞 「優しい心と支え合える力を」 勝又 風香 さん 甲子園学院高等学校3年

     「私を助けて」 にねみちら さん 中学2年生

「戦争の記憶を残す寺院を訪ねて平和を考えるー宝塚聖天 七宝山 了徳密院 光明殿」 2022(令和4)年度 社会教育部 第1回人権教育現地学習会を実施しました。

現地学習会の様子

11月24日木曜日、2022(令和4)年度第1回現地学習会を実施しました。宝塚市内にある宝塚聖天 七宝山 了徳密院の「光明殿」は、通常、公開時期が限定されていますが、特別に許可をいただき見学することができました。

また、宝塚市の中学校教諭で「宝塚の平和と人権を考える会」代表の本田芳孝さんに、展示されている写真などの解説と戦争についての講話をしていただきました。

屋根上にある零戦のレプリカにまつわるお話をはじめ、開戦から特攻に至った経緯、学徒出陣などを報道した新聞や展示品について詳しく解説していただきました。知らなかった事はもちろん知っているつもりだった事でも、当時の資料を目の前にして具体的なお話をお聞きすると、知識だけでなく、当時の人々が実際にその状況に置かれていたということを実感させられる、とても深いお話でした。

光明殿には特攻で亡くなった方の遺影や遺書なども展示されています。彼らは何を思って死んでいったのか。今を生きる私たちは彼らに「感謝」ではなく「謝罪」をしなければいけないのではないか。そして二度と、若者の未来や子どもたちの人生を奪ってしまう戦争をしてはいけない。そのために、これからどうしたらいいのかを、私たちは考える必要があるとおっしゃっていました。

本田さんは平和教育のひとつとして、宝塚市に残る戦争にまつわる「痕跡」を調査・解説した「ピースマップ宝塚」の発行に携わり、また、市民といっしょにそれらの痕跡をめぐるピースウォーク、7月には子ども対象のキッズピースウォークなども実施されています。

「みて きいて 歩いて かんがえて 伝えて」…ピースマップ宝塚に記載されている言葉です。

最後に長澤社会教育部長が「絶対に戦争はしてはいけないという思いを次の世代に引き継いでいかなければならない」と締めくくられました。

戦争は最大の人権侵害であるということを、再認識した学習会でした。

 

 

DVD「一人になる」視聴研修 -2022(令和4)年度 人権・同和教育推進大会を開催しました。

推進大会の様子

6月16日木曜日、尼崎市教育・障害福祉センター視聴覚室にて、人権・同和教育推進大会を開催しました。今年度は、DVD視聴研修として、ハンセン病問題をテーマにしたドキュメンタリー「一人になる」を視聴しました。

当日は、知人から聞いて参加された方やチラシやホームページ、尼崎市が発行している情報誌「あまナビ」を見てきたという一般の方にたくさんご参加いただき、それだけハンセン病問題への関心が広まっているのだと感じました。職場研修などで来られた方の中には、ハンセン病差別のことを初めて知ったという声もありましたが、「知る機会」を提供できたという意味でも有意義な企画であったと思います。

参加した方の感想を、アンケートから一部抜粋してご紹介します。

・ハンセン病について係りがなく知らなかったので、今日知ることができて良かった。今までほとんど聞かない隔離などが昔は実際にあったことにおどろいた。(20代)

・改めてハンセン病の隔離政策の問題について学ぶことができた。あの政策がいかに非科学的で人道に反するものであるかを知ることができて良かった。また、隔離政策の凄惨さと小笠原先生の優しさの対比が、人と社会の正しいあり方を示していると感じた。多くの人に知ってもらいたい内容でした。(30代)

・国策により誤った認識で政策がすすめられることが恐ろしいと思いました。意外とこういうことは表立たないだけであるのでしょう。「なかったこと」にしてしまわず、歴史を学ぶ事は重要だと思いました。(40代)

・国の政策がハンセン病患者の方に病気だけでなく、それ以外の苦しみを生んだことがわかった。難しいことではあるが、一人ひとりが正しい判断ができるようにならねばならない。(40代)

・次の世代へ引き継がなければならないと思います。(70代)

・両親は明治生まれだったので、「ライ」についてはうつるときかされていました。大人になるにつれハンセン病だと判りましたが、私の中に偏見がなくなったとは思いません。教育がいかにおそろしい事かと思います。(80代以上)

たくさんの方に感想をお寄せいただき、感謝申し上げます。正しい認識のための「知る機会」の提供に今後とも努めたいと思います。

「アンネの生涯に学ぶ平和と人権-アンネ・フランク資料館」  2021(令和3)年度 社会教育部 人権教育現地学習会を実施しました。

見学の様子

2月25日金曜日、西宮市甲陽園の「アンネ・フランク資料館」で、アンネのバラの教会・坂本牧師の講話を伺い、展示資料を見学しました。

甲陽園駅から急な坂を上り、最後に長い階段を上りきると、瀟洒な教会の前で可愛らしいアンネ・フランクのブロンズ像がお出迎えしてくれます。残念ながら「アンネのバラ」は次の季節への準備中ということで咲いているところは見ることができませんでしたが、5月には色が変わっていく綺麗なバラが咲くそうです。

講話では、ユダヤの歴史や、ナチスドイツ政権がどのように台頭し、ユダヤ人がどんな迫害をされたかといったアンネの生涯と時代背景を、物語の読み聞かせのようにわかりやすくお話いただき、アンネの平和への願いをより鮮明に理解することができました。また、当時教会では、神戸にたどりついたユダヤ難民の支援活動をされており、そのひとり、尼崎の瀬戸四郎牧師をはじめ、多くの日本人がユダヤ難民に救いの手をさしのべていたことを知りました。

資料館にはアンネの父、オットー・フランクさんのご厚意により寄贈されたスプーンや切手入れなど、世界にもほとんど残っていない貴重なアンネの遺品が展示されていて、教会とオットーさんの深い絆を感じることができました。

アンネの生涯とその時代背景を学ぶことで、ホロコーストやユダヤ難民に関することなど、過去に現地学習会で訪れた「ホロコースト記念館」や「人道の港 敦賀ムゼウム」での学びが一つにつながり、実り多い研修となりました。

 

「人権マンガ’21」作品展を開催しました。

人権マンガ’21作品展

1月20日木曜日から2月6日日曜日まで、尼崎市立中央北生涯学習プラザ1階ロビーにて「人権マンガ´21作品展」を開催し、ご応募いただいた作品40点を市民の皆様にご覧いただきました。

今年度はパラリンピックやコロナ禍などから、「人権」をより身近に考える機会が多かったのでしょうか、昨年度とは違った視点からの作品も見られました。

併設のアンケートBOXには、子どもたちからの感想もたくさんありました。中にはアンケート用紙の裏面にイラストやマンガを描いてくれているものもあり、気持ちがホッコリしました。

ちょっと難しく思われがちな「人権」ですが、親しみやすいマンガとして表現すること、またそれを鑑賞することで、少しでも多くの人に「人権」について考える機会になればと思います。

「人権マンガ’21」入賞作品が決定しました!

入賞作品と表彰式の様子

11月16日に「人権マンガ‘21」審査委員会を行いました。今年度は「小学生以下の部」「中学生から一般の部」それぞれから教育長賞1点、尼同教会長賞1点、奨励賞2点を選出し、入賞8作品を決定しました。また、審査委員賞は「小学生以下の部」から4点、「中学生から一般の部」から3点の計7作品が選ばれました。様々な立場の方の、様々な人権をテーマとした作品40点はどれも素晴らしく、今回もとても難しい選定となりました。

入賞作品の表彰式は12月7日火曜日に尼崎市教育・障害福祉センター視聴覚室で行われ、白畑教育長・寺岡尼同教会長よりそれぞれ賞状と副賞が贈呈されました。

受賞された皆様の作品に込めた思いや受賞の感想には、喜びと緊張の中にもしっかりとした人権意識を感じました。また、この「人権マンガ」に応募することが、“人権”を考えるきっかけとなったというご意見もいただき、本当に嬉しく思いました。

 

【入賞作品】

小学生以下の部

・教育長賞 「みんなのために自分たちができること」 関口 千春 さん ・ 山岸 未華子 さん 園和北小学校6年

・尼同教会長賞 「女の子らしいってなんだろう?」 堺 彩音 さん 小園小学校3年

・奨励賞 「自分らしく」 Hima さん 小学校4年

     「負けない」 まー さん 下坂部小学校5年

中学生から一般の部

・教育長賞 「お互いに少しの勇気をもって」 富久 ゆり さん 一般

・尼同教会長賞 「理解者」 玉井 次美 さん 兵庫県立明石高等学校1年

・奨励賞 「一歩」 もみじパパン さん 一般

     「因果応報」 ター さん 日新中学校3年

 

入賞作品は3月末発行の「尼同教だより」に掲載します。また、ご応募いただいた作品は2022(令和4)年1月20日木曜日から2月6日日曜日まで中央北生涯学習プラザで展示予定です。

「子どもと大人の発達障害 ~すべての人の凸凹が生かされる社会へ~」2021(令和3)年度 人権・同和教育推進大会(講演会)を開催しました。

講演会の様子

10月15日金曜日、尼崎市教育・障害福祉センター視聴覚室にて人権・同和教育推進大会(講演会)を開催しました。コロナ禍の中、例年より参加募集人数を制限しての開催でしたが、たくさんの方にご参加いただきました。

今回は「子どもと大人の発達障害~すべての人の凸凹が生かされる社会へ~」と題して、NPO法人DDAC(発達障害をもつ大人の会)代表の広野ゆいさんにご講演いただきました。

広野さんご自身も、子どもの頃から「片づけられない」「遅刻が多い」といった特性があり、大人になってから「発達障害」と診断を受けられています。

当事者としての経験談や、発達障害についての基本的な知識など身近な言葉でお話いただき、発達障害への理解をより深めることができました。

中でも、「合理的配慮」とは、誰かを特別扱いすることではなく、その人が能力を発揮できる環境を作ることだということ、そして、多様性を受容できる環境を作っていくことが障害の有無にかかわらず全ての人にとって大切なのではないでしょうか、とのお話に参加された皆さんは深くうなずいておられました。

講演の内容は年度末発行の「尼同教この1年」に収録予定です。詳しくは尼同教事務局(社会教育課内06-4950-0405)までお問い合わせください。

 

「人権マンガ大募集」作品展を開催しました!

作品展の様子

2021(令和3)年6月12日土曜日から30日水曜日まで、尼崎市立中央北生涯学習プラザ1階ロビーにて「人権マンガ作品展」を開催しました。

昨年度の「人権マンガ大募集!」にご応募いただいた作品をたくさんの方にご覧いただき、展示の様子はベイコム(ケーブルテレビ)の番組「週刊Bayニュース」の中で紹介されました。

今年度も「人権マンガ大募集‘21」として、身近な人権について伝えたい思いをマンガで表現した作品を募集します。9月30日木曜日締切(必着)で、12月に表彰式、来年1月に作品展の開催を予定しています。

 

2021(令和3)年度 定期総会議決結果を報告します。

2021(令和3)年度 定期総会は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から書面議決としました。

・書面表決書返送締切日 5月28日(金曜日)必着

・書面表決権を有する会員数(団体理事・代議員) 226名

・返信総数 162通

・各議案について

 第1号議案-(1)2020(令和2)年度 活動の経過・事業報告・・・承認162/否認0

 第1号議案-(2)2020(令和2)年度 会計収支決算報告・・・承認162/否認0

 第1号議案-(3)2020(令和2)年度 会計監査報告・・・承認162/否認0

 第2号議案 2021(令和3)年度 役員の選出について・・・承認162/否認0

 第3号議案 2021(令和3)年度 活動方針(案) ・・・承認162/否認0

 第4号議案 2021(令和3)年度 事業計画(案) ・・・承認162/否認0

 第5号議案 2021(令和3)年度 会計収支予算(案) ・・・承認162/否認0

 第6号議案 尼崎市人権・同和教育研究協議会規約の改正について ・・・承認157/否認0/どちらにもチェックなし5

 

・結 果

全ての議案について、尼崎市人権・同和教育研究協議会規約第14条に基づき、書面表決権を有する会員の過半数をもって可決されました。

「人権マンガ大募集」入賞作品が決まりました!

表彰式の様子と入賞作品

3月1日月曜日「人権マンガ」入賞作品の表彰式が行われ、松本教育長・寺岡尼同教会長よりそれぞれ賞状と副賞が贈呈されました。

初めての企画でどれだけの応募があるのか全く予想ができない中、最初は作品が届くたびにただただ大喜びしていましたが、冬休みが終わり続々と届きだすと、今度は「賞の選定が難しい…」と嬉しい悲鳴に変わりました。

小学校2年生から一般の方まで全部で74点もの応募があり、尼同教会長はじめ役員・専門部長と「尼同教だより」編集委員の計14名が審査にあたり、入賞5作品と○○賞14作品が決まりました。

どれも素晴らしい作品で、たくさんの方が「身近な人権」というテーマをマンガで表現するという、とても難しい作業に取り組んでくださり、本当に嬉しく思います。改めて、皆様の人権意識の高さを感じました。

 

【入賞作品】

・教育長賞    「言葉の力」 安井 友萌さん 常陽中学校2年

・尼同教会長賞  「うわさを信じずに」 富永 愛那さん 大成中学校1年

・奨励賞(左から)「"パレット"な街」 佐野 裕芽乃さん  尼崎双星高等学校2年

         「感謝の気持ち」 玉井 次美さん 小田中学校3年

         「私は私」 荒木 優里さん 園和小学校6年

 

入賞作品は3月末発行の「尼同教だより」に掲載します。また、ご応募いただいた全部の作品を中央北生涯学習プラザにて展示の予定です。時期など詳細は市報6月号やHPでご案内します。

尼崎市立歴史博物館に行ってきました。(2020(令和2)年度 現地学習会)

当日の様子

12月2日水曜日、社会教育部主催の現地学習会を実施しました。

今回は定員を大きく越える応募があり、本来なら抽選とさせていただくところでしたが、2グループで館内見学と講話の順序を入れ替えて実施することで全員参加していただけることになりました。

館内は、時代ごとに展示されていて、職員の方の解説とともに尼崎市の歴史をわかりやすく学ぶことができました。また、ところどころに楽しいクイズが設置されているなど、興味深く学ぶ工夫がたくさんありました。

歴史博物館史料担当・辻川さんの講話では、尼崎市の空襲と、軍需工場だった尼崎精工で100人以上動員されていた「ろうあ産業戦士」についてお話いただきました。(尼崎市立地域研究資料館編「たどる調べる尼崎の歴史」に詳しく記載されています。)

参加された方の中には、アンケートに自身の戦争体験を記してくださった方もいらっしゃいました。また、戦争を経験していない世代には、尼崎市が戦争被害にあっていたということが改めて「事実」として認識されたことと思います。

戦争の悲劇は絶対に繰り返してはいけないという思いにあふれたお話に、多くの学びがあった学習会でした。

2020(令和2年)度 人権・同和教育推進大会(講演会)を開催しました。

講演会の様子

10月29日木曜日、教育・障害福祉センター視聴覚室で尼同教人権・同和教育推進大会(講演会)を開催しました。

昨年度の人権同和教育現地学習会でお話をしていただいた、崇仁発信実行委員会代表の藤尾まさよさんをお招きし、「このまちが好きだから~被差別の歴史をもつ地域に生まれて~」というテーマで、ご講演いただきました。ご自身の体験からなるお話に、人権を学ぶ意味や大切さを改めて考えさせられました。

新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、例年より参加定員を少なくしての開催でしたが、講師のお話に引き込まれて、熱気のあふれる講演会となりました。

以下、当日の資料から藤尾さんのご挨拶を紹介します。

 

はじめに

私は、ただ単なる偶然で、みなさんが被差別部落と呼ぶ地域に生まれただけの人間です。被差別体験を語りにくい今の社会で、たまたま自らの被差別体験を語ることができるので、話を聞きたいという方にお話をしています。今、私にできることは、自らの体験と反省を通して、人としてよりよく生きたいと願い、ただ一度のこの人生を生き抜くことです。

この講演で、私のお伝えすることが全て正しいとは限らないと申し上げておきます。いろいろな生き方があるように、いろいろな考えや答えがあります。「その考えや答えが、自らの中でどのように導き出されたのかを深く問うこと」が大切だと思います。

そのように導きだされた、みなさんの内にある疑問や考えを、安心して自由に出せる環境を創ること、そして、今を生きるみなさんがどのような境遇におかれても、人が人として生きられる社会を築いてくださることを願っています。

 

講演の内容は年度末発行の「尼同教この1年」に収録予定です。詳しくは尼同教事務局(社会教育課内06-4950-0405)までお問い合わせください。

2020(令和2)年度 定期総会議決結果を報告します。

今年度の定期総会は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から書面議決を行いました。

 

・書面表決書返送締切日 5月26日(火曜日)必着

・書面表決権を有する会員数(団体理事・代議員) 229名

・返信総数 182通(内3通は承認・否認どちらにも記入なし)

・各議案について

  第1号議案-(1) 2019(令和元)年度活動の経過・事業報告・・・承認179/否認0

  第1号議案-(2) 2019(令和元)年度会計収支決算報告・・・承認179/否認0

  第1号議案-(3) 2019(令和元)年度会計監査報告・・・承認179/否認0

  第2号議案 2020(令和2)年度役員の選出について・・・承認179/否認0

  第3号議案 2020(令和2)年度活動方針(案)・・・承認178/ 否認1

  第4号議案 2020(令和2)年度事業計画(案)・・・承認179/ 否認0

  第5号議案 2020(令和2)年度収支予算(案)・・・承認179/ 否認0

 

・結 果

全ての議案について、尼崎市人権・同和教育研究協議会規約第14条に基づき、書面表決権を有する会員の過半数の承認をもって可決されました。

また、新型コロナウイルス感染症に関する差別事象に対する啓発活動の実施が必要なのでは、というご意見をいただきました。今後の役員会等で検討していきたいと考えています。

 

2019(令和元)年度 第2回人権教育現地学習会(バス研修)を実施しました。

ホロコースト記念館見学の様子

2月26日水曜日、広島県福山市の「ホロコースト記念館」を訪問しました。

第2次世界大戦中のヨーロッパで、ただユダヤ人であるという理由で差別と迫害を受け、ガス室などで150万人の子どもを含む600万人もの命が奪われたホロコースト(ナチスによる大虐殺)の事実を、館の職員さんをはじめ、ボランティアの方々の丁寧な解説とともに、当時の子どもたちの写真や、実際に使用されていた服や食器などの展示を見学しました。

ナチスドイツによるユダヤ人大虐殺のことは漠然とは知っていましたが、迫害や虐殺に至った経緯などを学び、二度と同じ歴史をくり返さないために、「無関心」にならず、差別や偏見をなくしていくことの大切さを痛感しました。

また、アンネ・フランクが自由に、平等に、平和に生きたいと願いながら書き続けた日記は、今も私たちの心を動かし、「平和のために、私には何ができるか」を問いかけられるものでした。

参加した方からいただいたアンケートには、「往路の車中で映画『戦場のピアニスト』を鑑賞したことで、展示の内容がより理解できて良かった」「二度とこういう事がないように次の世代へと伝えていくべきだと思いました」「ホロコーストは最大の人権侵害である。民族・宗教・政治の違いで争いが起る。未だに争いが無くならないのは何故か?」などの感想があり、それぞれが深く考える機会となりました。

令和元年度 尼同教人権・同和教育実践研究大会を開催しました。

実践研究大会の様子

1月23日木曜日、尼崎市立中央北生涯学習プラザで尼同教人権・同和教育実践研究大会を開催しました。

全体会では、寺岡会長の挨拶の後、来賓の教育委員会事務局社会教育部の安田部長にご挨拶をいただきました。

講演会は、作家で詩人の寮 美千子(りょう みちこ)さんに「あふれでたのはやさしさだった~奈良少年刑務所 絵本と詩の教室~」というタイトルでお話しいただきました。

寮さんは奈良少年刑務所で社会性涵養プログラムの中の「絵本と詩の教室」の講師を10年間勤められており、その時に少年たちが書いた詩を、解説や感想を交え本にされています。今回はその内容をもとにお話を進められました。

「彼らは最初、心の鎧に閉じこもっているが、絵本を朗読し、詩を書くことで自己表現ができるようになり、心が開放され、変わっていく」とのお話に、聴講された皆さんは深く感銘を受けていました。

その後、尼同教の4専門部に分かれて研究発表を行いました。限られた時間ではありましたが、熱い討議が繰り広げられ、充実した分科会となりました。

講演会と分科会の内容は3月末発行の「尼同教この1年」に収録予定です。

令和元年度 第1回人権教育現地学習会を実施しました。

現地学習会の様子

11月13日水曜日、尼同教社会教育部主催で人権教育現地学習会を行いました。

JR京都駅で集合、徒歩8分の下京いきいき市民活動センターで、崇仁発信実行委員会代表の藤尾まさよさんに「このまちが好きだから~被差別の歴史をもつまちに生まれて~」というテーマでご講演いただきました。

藤尾さんは、心無い差別を受けても、知らず知らずのうちに「被差別の歴史をもつまちに生まれたから、差別されてもしかたがない」と思い込んでいたこと、そしてそれは自分自身への差別でもあったことが、人権を学習してわかったとおっしゃっていました。崇仁は、被差別の歴史をもつまちではあるけれど、その時代の「古い差別の考え」をひとつひとつ取り出し、それを「人としてひとりひとりが幸せに生きてもよい、今の時代」に更新していかなければならない。「知らない」「知ろうとしない」ことは人を残酷にさせるとのことでした。

人権を学習することは「義務」ではなく「権利」であること、これからの歴史は私たちが作らなければならないこと、また、人権学習は、自分が自分として幸せに生きるために、人が人として幸せに生きるために、私もみんなも幸せに生きるために、必要な学びであると教えていただきました。

講演後、同じく藤尾さんの案内で崇仁地域を歩きました。

柳原銀行資料館は展示品入れ替えのため休館でしたが、特別に1階玄関付近の見学を許可していただきました。参加された皆さんは、創建当時の姿を復元した内装や、地元の方々から寄贈された貴重な資料に見入っていました。

崇仁小学校の前身である「柳原小学校」が仮設された西光寺の跡地や、銭場座跡の説明、そして崇仁小学校西門では、藤尾さんの生家周辺ということもあり当時の様子を詳しくお話していただきました。

昔は、地域内を通れば三十三間堂への徒歩での最短距離であったにもかかわらず、部落の中だから通らないようにと言われ、観光客の多くは七条通りを通っていました。けれど、今では海外からの観光客を中心に通る人が増えているそうです。実際にフィールドワーク中もたくさんの観光客に出会いました。一方で、東山方面に向かうタクシーの抜け道としても使われていて、一部の運転手によって差別的な考えが拡散されてしまっている現状もあるとのことです。

崇仁地域は、2023年に京都市立芸術大学移転開校予定で、工事が急ピッチで進められています。現在は新しい市営住宅が完成し、改良住宅からの引っ越しも始まっています。明治・大正・昭和と鉄道移動工事や高瀬川の流路変更など、何度も南北や東西に分断されながら姿を変えてきた崇仁地域ですが、今回、東西ど真ん中に芸大が立つことを地域住民が分断と捉えることなく「ともに心地よく暮らせるまち」になるよう、崇仁自治連合会と京都市立芸術大学、そして崇仁発信実行委員会が「崇仁未来図デザインプロジェクト」に取り組んでいるとのことでした。

令和元年度 尼同教人権・同和教育推進大会を開催しました。

講演会の様子

6月20日木曜日、教育・障害福祉センター視聴覚室で尼同教人権・同和教育推進大会(講演会)を開催しました。

今年度は「部落問題をどう語り、伝えるか ―これからの同和教育の課題―」というテーマで関西大学名誉教授の石元さんにご講演いただきました。

石元さんの専門は部落差別問題論、差別論で、大学院時代から農村地域の被差別部落の実態調査や、全国各市民意識調査に取り組んでおられます。

ご講演では、「人権についての市民意識調査」のデータや、大学生の部落問題に関する意見や考え方についての回答から、一般的な被差別部落に対するイメージが誤って捉えられてしまっていると分析されていました。そこから、現在行われている同和教育の問題点として「具体的な内容に踏み込めない教育」がリアリティをなくし、自分とは関係のない問題となってしまうことや、「差別はいけない」という結論だけを強調し、「なぜ」「どうして」を教えていない、また「部落差別について考えなければならない」という義務感の押しつけになっているのでは、と話されました。

また、「部落」の歴史は江戸時代の身分制度から始まったものではなく、血筋にもとづくものでもないというお話はとてもわかりやすく、皆さん真剣に聞いていらっしゃいました。

最後に、人権を学ぶ意義について話され、一人称で語る人権(ひとごとではなく、自分の問題としての人権)教育が大切だと締めくくられました。

参加者にご協力いただいたアンケートでは、「部落のことで、わかっているようでわかっていなかったことがたくさんありました。勉強になりました。」「自分の中にある潜在的な差別意識に気付いた。」「例えがわかりやすく非常におもしろかった。“まずは自分の足元から”、子どもと一緒に実践していこうと思います。」等のご意見があり、改めて難しいと思われがちな同和教育や人権問題の語り方、伝え方の重要性を認識しました。

講演会の内容は、年度末に発行の「尼同教この1年」に収録予定です。詳しくは尼同教事務局(社会教育課内06-4950-0405)までお問い合わせください。

平成30年度 第2回人権教育現地学習会(バス研修)を実施しました。

研修の様子

3月6日水曜日、尼同教社会教育部主催で人権教育現地学習会を行いました。

今年度第2回目の現地学習会は、バス研修で福井県敦賀市の「人道の港 敦賀ムゼウム」と「色浜の産小屋」を見学しました。

「人道の港 敦賀ムゼウム」では、当時の日本外務省の指示に背いてビザを発給し、ナチスの迫害から6,000人以上のユダヤ人難民の命を救った杉原千畝について、敦賀ムゼウムの職員に詳しくお話を伺いました。往路のバス車中で、唐沢寿明主演の映画「杉原千畝スギハラチウネ」を鑑賞したことで、お話がより深く理解できたとご好評をいただきました。

館内には、その「命のビザ」を握りしめて敦賀に上陸したユダヤ人難民と、その難民を受け入れた敦賀市民の証言や残された資料、また、ロシア革命で家族を失ったポーランド孤児たちを救出した記録などの展示があり、参加された方から、「戦争が原因で難民を生み出すのは昔も今も変わらない。歴史を学ぶことは現在・未来を知り、考えることだと改めて思った。」との感想がありました。

産小屋は、お産や血に対する禁忌から、村のはずれなどに建てられた出産のための小屋で、現存する産小屋は僅かしかありません。「色浜の産小屋」は1974年に現在の場所に移築復元され、福井県の有形民俗文化財に指定されています。

血の穢れを忌む風習から始まったと言われていますが、一方で出産という一大事を終えた女性が、日々の家事労働から解放され、束の間の安息を得ることができるように配慮された風習であったのかもしれないという解釈もあるとのことで、参加された女性たちからは「わかる!」「納得できる!」との声があがりました。

当日は、心配された雨にもあわず、予定よりも早い帰着となりました。参加された皆様、ご協力ありがとうございました。

尼同教では毎年、バスでの人権教育現地学習会を実施しています。次年度はどんな研修になるのか、今から楽しみです。

平成30年度 尼同教人権・同和教育実践研究大会(講演会)を開催しました。

大会の様子

1月24日木曜日、尼崎市立中央公民館で尼同教人権・同和教育実践研究大会を開催しました。

全体会では寺岡陽子会長・松本教育長のご挨拶の後、「ひとり親家族で育つ子どもたち―現状から支援策を考える」というテーマで、神戸学院大学現代社会学部学部長の神原文子(かんばらふみこ)教授にご講演いただきました。

今回は特に母子世帯に焦点をあて、安定した就労の難しさによる貧困化の問題、そこから連鎖する子どもの貧困問題は、女性や子どもの人権の問題であるとし、現状における課題と打開策として、母親ひとりが頑張るのではなく、祖父母や友人の協力はもちろん、地域全体で子育てをする「子育ち支援システム」等の体制づくり、そしてそれをサポートする機関との連携が必要とのお話でした。

参加した方からは、子どもの人権について考えるきっかけになった、また、「地域での子育て」の重要性は理解していても、個人個人ではなかなか実践できるものではないが、小さなことから少しずつ始めていければ、とのご意見もあり、有意義な講演会となりました。

講演会終了後は、4専門部に分かれて研究発表が行われました。限られた時間ではありましたが、熱い討議が繰り広げられ、充実した分科会となりました。

※講演会と分科会の内容は3月末発行の「尼同教この1年」に収録されます。

平成30年度 第1回人権教育現地学習会を実施しました。 

学習会の様子

11月20日火曜日、尼同教社会教育部主催の人権教育現地学習会が行われました。

今年度第1回目の現地学習会は、野坂昭如さんの小説「火垂るの墓」の舞台となった西宮市阪急苦楽園口駅から夙川駅周辺を「火垂るの墓を歩く会」実行委員会の辻川敦さんに案内していただき、戦争の歴史を学びました。

「火垂るの墓」は、野坂さんの実体験をもとに書かれた小説で、スタジオジブリの高畑勲監督のアニメーション映画でも有名です。ニテコ池から南側のおばさんの家があったあたりは、今でも階段の上からアニメと同じアングルで見ることができますが、閑静な住宅街であるこの場所が空襲にあったという事実には言葉がでませんでした。

講師の辻川さんの解説は、実際に野坂さんが体験されたことと小説や映画での描かれ方との違い、空襲の様子や突然被災者を受け入れる立場になった人たちの葛藤など多岐に渡っており、また、映画のためのロケハンでのこぼれ話などを交えながら、終始穏やかな口調でお話され、とてもわかりやすく引き込まれるものでした。

最後に、「戦争は人権侵害の最たるもの、特に一番の被害者は子どもたちである」と締めくくられ、参加者の皆さんは大きく頷いておられました。その後、希望者のみのオプショナルツアーでは、夙川沿いの道を南下、昔ながらの小橋やドラマのロケ地にもなった翠橋を見学して、西宮回生病院の前で解散となりました。

同じ場所から見る風景は時代とともに変わってしまいますが、戦争の記憶がなくならないように、そして戦争による悲劇を二度と繰り返さないように語り継いでいかなければならない、と再認識した学習会でした。

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