深刻化する多重債務問題

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印刷 ページ番号1004419 更新日 2020年6月29日

深刻化する多重債務問題

便利さの落とし穴!

 「借りたお金は返す」というのは社会の大原則。しかし、借りる時に返済方法まで考えていますか。

市内には数多く設置されているサラ金業者の無人契約機、銀行などの消費者ローン、クレジットカードでのキャッシングなど、ボタン操作ひとつでだれでも手軽にお金を借りられるシステムが氾濫しています。

今は、自分の預金を引き出す感覚で簡単に借金できるので、ひと昔前までの保証人や担保を用意し、頭を下げて借金をするといった心理的な抵抗感などなくなっています。最近のテレビ広告なども暗いイメージはありません。

しかし、その便利さなどに目を奪われて、無計画に利用していると、自分の返済能力を超えてしまい、「多重債務」に陥ってしまう危険性があります。

また、最近では、長引く経済不況の中で、企業の倒産・リストラなどで失業や収入減により、生活費を補うためにカードローンやサラ金を利用しているうちに、多額の借金を抱え、自己破産に追い込まれる人も増えています。

多重債務者の多くは、クレジットやサラ金業者の過酷な取立てを恐れて、借金のために借金を繰り返すという自転車操業を余儀なくされている人もいて、自殺や夜逃げする人もいるといわれています。

「多重債務」とは?

一般に、「貸金業者からの金銭の借り入れやクレジット利用により発生した借金が、本人の返済能力を超え、さらには借金返済のために借金を重ねること」を多重債務といいます。

「多重債務」に陥る原因は?

  1. クレジットで無計画に買物をする。
  2. 失業等による生活苦、病気、事故などの予期せぬ出来事、あるいは事業の資金繰りのために借金をする。
  3. 友人、知人に頼まれ、安易に連帯保証人になり債務を負う。
  4. 厳しい取立てに追われ、返済のために新たな借金を重ねる。
  5. 悪質な「紹介屋」「整理屋」「買取屋」等の被害に遭う。

甘い宣伝文句に要注意!! 

ヤミ金融 悪質・巧妙に

法外な金利で利用者に資金を貸し付け、脅迫的な取立てをするヤミ金融業者が急増しています。

狙われる多重債務者

多重債務者を食い物にする「紹介屋」「整理屋」「買取屋」等と呼ばれる業者が横行 しています。これらの業者は多重債務者を救済するフリをして、さらにお金を巻き上げます。借金の返済に行き詰まると、目の前のお金や甘い宣伝文句に飛びついてしまいがちですが、かえって借金を増やす結果になってしまいます。利用しないようにしましょう。

「090金融」

個人宅や自転車のかごの中などにチラシの投函や駐車中の自動車のワイパーにチラシを挟み込むなどにより勧誘し、携帯電話(電話番号が090ではじまる)に連絡があれば、客のところに出向き、その場で融資する。契約書を交わすこともなく、保証人として、親、兄弟、親戚等の氏名・住所・電話番号を聞いておき、返済が滞ると過激な督促をします。業者は違法を承知なので自分の身元を明かさない。

「貸します詐欺」(融資保証金詐欺)

融資の約束をした後、保証金、保険金などの名目で現金、小切手、手形などを送らせますが、融資はせずに連絡を絶ち、現金などをだまし取ります。

「紹介屋」

 「低利切り替え」、「他店で断わられた方でも即融資」、「債務の多い方大歓迎」などとおとり広告を出して、多重債務者を呼び込み、実際には何ら面識のない業者や審査の甘い別の貸金業者に行くように指示するだけで、法外な紹介料を請求する業者です。

「整理屋」

 「あなたの借金を整理、解決します」「借金低利一本化」などと勧誘し、「整理手付金」などの名目で現金を預かり、実際にはずさんな債務整理しか行わず、次々と手数料をだまし取る業者です。中には悪徳弁護士と提携し、その名義を借りて法律事務所の事務員を装っている業者もあるとか。

「買取屋」

クレジットカードで商品券や家電製品などの換金性の高い商品を購入させ、一定の金額で買取る業者のこと。買値の半値以下で買い取って、下取り業者に転売して多額の利益を得る業者です。一時的に現金を手にすることができるが、結局はクレジットの支払だけが残ることになり借金が増えるだけ。

「リース屋」

家財道具等を買取った上で、本人にリースしてリース料を取る。

「押し貸し」

多重債務者を狙って、銀行口座などに勝手に現金を振り込む。「借りたかも知れない」と放置していると数日後、法外な金利をつけて取立てをはじめる。

多重債務に陥らないために

  1. 必要以上のカードは持たない。安易にクレジットやローンを利用しない。
    借入金は返済能力を考え、必要最小限にし、借金が今どれぐらいあるか常に把握しておく。
  2. 借金返済のための借金はしないこと。
    「紹介屋」「整理屋「」買取屋」などの甘い宣伝文句やおとり広告は鵜呑みにしない。
  3.  返済困難になったら、一人で悩まず、早目に専門の相談窓口に相談する。

多重債務に陥ったら

万一、多重債務に陥ってしまった場合の解決方法として、次のような方法があります。

「任意整理」

任意整理は、裁判所などの公的機関を利用しないで、貸金業者と直接和解交渉する方法です。通常は弁護士・司法書士に依頼します。

「特定調停」

特定調停は、簡易裁判所に申立をし、調停委員の斡旋を受けながら和解の成立を図る制度です。

これらは、返済資金を調達して一括返済する方法と、毎月の収入から分割して返済する方法があり、利息制限法に定める利率に換算し直して残債務を確定することが原則ですので、返済額がかなり減額されることがあります。

 「個人再生」

平成13年4月から導入されており、個人事業者や給与所得者が自己破産せずに生活再建できる制度です。

住宅ローンを除いた債務総額が5,000万円以下で、継続的な収入の見込みがある債務者が、債務の一定額を原則3年間で返済する計画をたて、裁判所の認可を受けた上で、計画どおり返済が完了すれば、残債務の免除が受けられるというものです。ローン返済中の住宅も処分することなく、生活の建て直しができます。

「自己破産」

「任意整理」や「特定調停」、「個人再生」による解決が困難な場合に「自己破産」という方法があります。

裁判所に自己破産の申立をし、支払不能であることを裁判所に宣告してもらいます。

さらに、破産宣告を受けた後、すぐに免責の申立を行ない、それが認められると債務の支払義務がなくなります。

破産宣告を受けると、財産を債権者に配当するため、生活必需品以外のもの(不動産、自動車、生命保険など)は処分することになります。しかし、一部の職業を除き、一般の会社員や公務員はそのまま勤務することが出来ますし、また、戸籍や住民票に記載されたり、公民権(選挙権など)を失うことはありません。ただ、破産者は官報に告示されますので、そこから氏名・住所を入手し、あらたにヤミ金業者のターゲットにされることもあるようです。

多重債務返済トラブルの相談窓口

あきらめないで!多額の借金でも必ず解決方法があります。早めに相談する勇気をもちましょう。相談内容に関係する資料や印鑑などを用意し、本人でなければわからないこともありますので、できるだけ本人が相談することです。

尼崎市立消費生活センターによる相談

多重債務等特別相談

休日・年末年始を除く毎週火曜日に尼崎市消費生活センターで実施しています。

相談時間など、詳しくは左のメニューから「多重債務等特別相談」をクリックしてご覧ください。

兵庫県司法書士会による相談

兵庫県司法書士会総合相談センターによる無料相談会

毎週土曜日、午後1時から午後3時まで

阪急塚口駅南 さんさんタウン2番館4階 コミュニティひろば集会室

平日の問い合わせ先 兵庫県司法書士会 総合相談センター

電話:078-341-2755

兵庫県弁護士会による相談

兵庫県弁護士会尼崎相談所(通称・阪神法律相談センター・尼崎)

尼崎市七松町1丁目2番1 フェスタ立花北館5階501C号

多重債務相談(無料)は、毎週金曜日、午後1時から午後4時まで。

相談時間は1回30分まで。予約制です。

電話:06-4869-7613

兵庫県による消費者金融相談窓口

阪神南県民局産業振興・地域連携課

電話: 06-6481-7673

このページに関するお問い合わせ

危機管理安全局 危機管理安全部 生活安全課 消費生活センター
〒660-8501 兵庫県尼崎市東七松町1丁目23番1号 本庁中館8階
電話番号:
06-6489-6690(消費生活に関すること)
06-6489-6688(計量業務に関すること)
ファクス番号:06-6489-6686