研究内容について
印刷 ページ番号1038030 更新日 2024年6月13日
子ども一人ひとりの状況に応じ、学力、豊かな人間性、生活習慣など、実社会を主体的に生きていくために必要な力を伸ばしていくことを目的に、多様な実践、中長期的な効果測定を通じた科学的根拠(エビデンス)に基づく先進研究を行っています。
研究対象テーマ(大項目)
- 後伸びする力や子どもの非認知能力を高め、見える化していくための研究
- 学力向上に向けた学力調査の分析
- 発達障害のある子どもへの支援プログラムの実践的研究
- 子どもを対象とした生活習慣病予防教育プログラムの効果測定
研究内容
所長
大竹 文雄 (大阪大学感染症総合教育研究拠点 特任教授)
教育環境が学力に与える影響
生徒の学力向上を目指すためには、学級規模や教員の特性が学力に与える影響を実証的に分析することが必要である。「尼崎市学力・生活実態調査」から学校の教育環境が学力や非認知能力へ与える影響を明らかにする。
出生体重・学校・家庭が健康に与える影響
子どもの健康水準には、出生体重、学校教育、家庭環境など様々な要因が影響を与える。出生体重、学級規模や教員の特性、家庭環境が子どもたちの健康に与える影響を実証的に分析する。
学力に対する相対年齢効果の検証
最近の研究では、生まれ月が就学後の成果に与える影響を指摘するものが多い。これを「相対年齢効果」と呼び、海外ではすでに多くの研究が行われている。本研究では、学力、健康、体力、行動、教員とのかかわりなどの面で、尼崎市の就学期の子どもたちにも相対年齢効果の存在を確認する。
積み木の設置による保育環境の質の変化の効果測定
保育環境の質が高まるよう、市内の保育所に積み木を設置する。その後、就学後の学力や非認知能力にどのような影響がみられるかを測定し、その結果を質の高い就学前教育の実践につなげていく。
主席研究員
安藤 道人 (立教大学 経済学部 教授)
子どもを対象とした行政・教育サービスの利用実態・政策効果の検証
尼崎市が展開するさまざまな子ども施策について、分野横断的に利用実態と政策効果の分析を行う。保育所・幼稚園・児童ホームとともに、放課後等デイや生活困窮世帯向け学習支援などターゲティング的なサービスも対象とし、どのような影響を子どもに与えているかを統計的に評価することで今後の施策改善に役立てる。
北野 幸子 (神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 教授)
非認知的能力の育ちを捉え育む乳幼児教育・接続期教育の開発
乳幼児期は非認知的能力の育成に適した時期である。小学校1年生を対象とした非認知的能力の育ちを捉える方法を開発し実態を明らかにするとともに、非認知的能力の育成を促す保育者のための実践開発を行う。尼崎市におけるより効果的な就学前教育と接続期教育の浸透に資することを目指す。
中尾 繁樹 (関西国際大学 教育学部 教授)
学習や学校生活における困難を改善する指導に関する実践研究
特別支援教育は、全ての学級の学習や学校生活で困難を抱える子どもたちに対して行うものである。近年、姿勢や運動など身体づくりが学力向上と連動していることが分かってきており、子どもたちが学習や学校生活上、困難さを感じる原因を探り、改善または克服に向けた指標づくりと予防のための運動プログラムの開発、展開を目指す。
永瀬 裕朗 (神戸大学大学院 医学研究科 特命教授)
周産期から幼児期までの状況が発達や学力の向上に与える影響
児童の発達において、周産期から幼児期までの様々な状況に対し、どのような関わり方を持つことが発達を促し、その後の生活上の困難の克服や、就学に向けた成長を促すことにつながるかを検証する。
野口 緑 (大阪大学大学院 医学系研究科 特任准教授)
尼っこ健診・生活習慣病予防コホート研究
尼崎市の小学5年生及び中学2年生を対象に実施されている「尼っこ健診」等の分析結果をもとに、子どものどのような生活習慣等が、成人後の生活習慣病に結び付くかを分析し、尼崎市の子どもから成人までの長いスパンを考慮した生活習慣病の予防に関する施策、教育に生かしていく。
濱島 淑恵 (大阪公立大学大学院 現代システム科学研究科 教授)
尼崎市におけるヤングケアラーの実態調査と課題解決に向けた手法の検討
障害、疾病等を有する家族のケアを担う子どもたちをヤングケアラーと呼び、昨今では子どもの人権に関わる問題として認識されている。本研究では尼崎市におけるヤングケアラーのケアの実態や抱える問題を明らかにし、問題解決に向けた具体的な対策を提案することで、ヤングケアラーの早期発見や早期支援を目指す。
藤澤 啓子 (慶應義塾大学 文学部 教授)
就学前教育の質が就学後の学力や健康に与える影響
最近の研究では質の高い就学前教育が就学後の学力や労働市場での成果に与えるプラスの因果的な効果が大きいことを強調する研究が増えてきている。尼崎市の児童たちをめぐる保育環境の質(年齢別定員や縦割り保育の有無など)が就学後の学力や健康に与える因果的な効果を明らかにすることを試みる。
「こどもに関する各種データの連携による支援実証事業」についての効果測定
尼崎市では、令和4年度に虐待等についてハイリスクとなる子どもを事前に予測する新システムを構築した。本研究では、そのリスク判定の精度を高め、スコアの高い子どもに対して予防的に適切な支援が届く手法を検討する。
研究報告
毎年夏に学びと育ち研究所報告会を開催し、研究員より研究成果を報告しています。報告会の内容は、テキストと動画でご覧いただけます。
テキスト
- 第1回 学びと育ち研究所報告会講演録(2018年度) (PDF 15.0MB)
- 第2回 学びと育ち研究所報告会講演録(2019年度) (PDF 4.7MB)
- 第3回 学びと育ち研究所報告会講演録(2020年度) (PDF 4.4MB)
- 第4回 学びと育ち研究所報告会講演録(2021年度) (PDF 4.4MB)
- 第5回 学びと育ち研究所報告会講演録(2022年度) (PDF 17.8MB)
- 第6回 学びと育ち研究所報告会講演録(2023年度) (PDF 6.5MB)
動画
- 第3回 学びと育ち研究所報告会YouTube動画(2020年度)(外部リンク)
- 第4回 学びと育ち研究所報告会YouTube動画(2021年度)(外部リンク)
- 第5回 学びと育ち研究所報告会YouTube動画(2022年度)(外部リンク)
- 第6回 学びと育ち研究所報告会YouTube動画(2023年度)(外部リンク)
学びと育ち研究所における研究の論文化について
学びと育ち研究所における研究をもとに、研究員が発表した論文をご紹介します。
就学前における家庭の経済的困難及び児童の健康・発達面のリスクと学力との関連:行政記録情報による検証
藤澤啓子 深井太洋 広井賀子 中室牧子 (2022)
3歳時の早い就寝時間と小学校の学業成績の向上および非認知スキルの向上との関連性
西山正博 京野ゆき 山口博 川村葵 及川静香 徳本章一 富岡一 美野津寛大 永瀬弘明(2023)
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このページに関するお問い合わせ
こども青少年局 こども青少年部 こども青少年課
〒661-0974 兵庫県尼崎市若王寺2丁目18番5号 アマブラリ3階
電話番号:06-6423-9996
ファクス番号:06-6409-4355