令和2年度施政方針 (令和2年2月21日 第16回市議会定例会)

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ページ番号1020205 更新日 令和2年2月27日

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令和2年度施政方針 (令和2年2月21日 第16回市議会定例会)

施政方針

 第16回市議会定例会の開会にあたり、令和2年度の市政運営に対する所信を申し上げ、議員の皆様並びに市民の皆様のご理解、ご賛同を賜りたいと存じます。

(はじめに)
 昨年、「平成」という一つの時代が幕を閉じ、新しい時代が幕を開けました。
 「令和」最初となる施政方針を述べるにあたり、確かな未来を次の世代につなげていく責任を改めて感じています。

 この1年の本市の出来事を振り返りますと、3月末に尼崎城が一般公開、4月には市内12か所に生涯学習プラザがオープン、さらに、10月には「あまがさき・ひと咲きプラザ」の整備を終えるなど、これまで進めてきた大きなプロジェクトが節目を迎えました。
 いよいよ、取組の中身をより高めていかなければならない段階に入ったと認識しています。
 また、市立尼崎高等学校における体罰事案の発生などを受け、体罰の根絶やいじめへの対応、子どもの人権を守る取組に一層注力しなければならないとの決意を新たにいたしました。

 昨年の本市の人口は、社会動態で平成28年から4年連続の転入超過となり、自然減を差し引いた人口全体としても、2年連続の増加となりました。さまざまな取組が徐々に実を結びはじめていると感じる一方で、ファミリー世帯については、引き続き転出超過となっています。
 現在、転出・転入のあったファミリー世帯を対象にアンケート調査を実施しているところですが、加えて、令和2年度は5年に一度の国勢調査が実施される年にあたります。今回の調査は10年ごとに行われる大規模調査で、本市の人口や居住状況等を正確に把握する機会になります。
 これらのデータの分析をもとに、定住・転入に向けた取組について、引き続き効果検証を行ってまいります。

 定住・転入の促進に向けては、地域資源を活かして、まちの魅力を積極的に発信し、まずは多くの人々に訪れていただくこと、そうして訪れた方々がまちに「愛着」をもってくださること、また、地域の活動などに積極的に参画していくなかで、まちへの誇りや充足感、豊かなつながりを得ていくといった好循環をつくりだしていくことが大切だと考えています。

(令和2年度の重点化項目)
 そうした認識のもと、令和2年度は、人々が「訪れたい」「住んでみたい」「住み続けたい」そして「住んでよかった」と思えるまちづくりを目指し、「みんなが訪れる魅力あるまち」「子どもを健やかに育てられるまち」「未来社会を生きる力が育まれるまち」「地域で互いに支え合えるまち」「安心して年齢を重ねられるまち」の5つを重点化のテーマとして取組を進めます。

(みんなが訪れる魅力あるまち)
 1つ目の重点化項目は、「みんなが訪れる魅力あるまち」に向けた取組です。

 多くの市民の皆様の想いが詰まった尼崎城は、一般公開以来、14万人を超える方々が訪れており、好調な滑り出しとなりました。
 また、市民意識調査においても本市のイメージが良くなったと感じる人の割合が半数以上と大幅に上昇し、都市魅力に関する各種の民間調査ランキングにおいても、本市の評価は上昇傾向にあります。
 今後とも、この機を逃さず、尼崎のさらなるイメージアップに向けて取組を進めます。

 文化財収蔵庫をリニューアルし、地域研究史料館の機能を統合した「歴史博物館」を、令和2年10月10日に開館します。
 「地域の歴史を住民のものに、歴史学を市民のものに」。
 これは、昭和49年に本市が発行した「地域史研究」第3巻第3号に掲載されている職員の言葉です。
 私は、まちに息づく歴史と文化は市民の財産であるという考えが、早くからわがまちで提唱されていたことに感銘を覚えました。
 歴史博物館は、こうした精神を受け継ぎ、市民の皆様が本市の豊かな歴史と文化を身近に学び、未来を展望するための拠点とするとともに、本市の過去と現在の営みを後世に伝え、未来の検証に備える公文書館としての役割を果たす施設としてまいります。

 また、尼崎市出身・在住で、国内外から支持を集める漫画家、尼子騒兵衛さんの作品や資料をご本人のご厚意により、本市に一括して寄贈、寄託いただくことになりました。
 代表作である人気アニメ「忍たま乱太郎」では、尼崎市の地名を用いた登場人物などが注目され、現在も全国からたくさんの方々が本市に足を運んでくださっています。
 令和2年度には、これらの作品等を活用し、尼子さんのこれまでの画業を紹介する全国で初めての展覧会の開催を予定しています。
 こうした取組を通じて、尼崎市の魅力を内外に発信するとともに、シビックプライドの醸成にもつなげていきます。

(子どもを健やかに育てられるまち)
 2つ目の重点化項目は、「子どもを健やかに育てられるまち」に向けた取組です。

 待機児童ゼロを目指し、平成27年度から令和元年度までの5年間で1,500人を超える保育施設等の定員拡大を進めてきましたが、昨年10月から全国で幼児教育・保育の無償化が開始されたこともあり、今後も入所希望者の増加が見込まれます。
 そうしたことから、保育の需給バランスを踏まえながら、引き続き受入枠の拡大に取り組んでいく必要があります。
 ハード面では、保育施設等の増改築に係る支援、ソフト面では、新卒保育士だけではなく、資格を有しながら保育業務に従事していない潜在保育士に対するフォローアップ研修等の就労支援を行うなど、保育の量と質の確保に取り組みます。

 昨年10月にグランドオープンした「あまがさき・ひと咲きプラザ」では、0歳から青年期に至るまで、課題を抱えている子どもや家庭への切れ目のない支援を行うため、子どもの育ち支援センター「いくしあ」とユース交流センター「あまぽーと」、「アマブラリ」を開設しました。

 ひきこもりの長期化が社会的な問題となるなか、それを未然に防ぐため、今年1月から、子どもの状況の把握が途切れがちになる中学卒業後の年代を対象として、専門員による訪問型の支援を始めたところです。
 令和2年度は、そうした取組をさらに本格化させるとともに、先進的にひきこもり対策を実施している民間事業者へ新たに職員を派遣するなど、課題を抱える青少年の支援に向けた体制整備に取り組みます。

(未来社会を生きる力が育まれるまち)
 3つ目の重点化項目は、「未来社会を生きる力が育まれるまち」に向けた取組です。

 今日の学校教育では、グローバル化や急速な情報化、技術革新など社会の変化を見据え、子どもたちが未来社会を切り拓くための資質・能力を確実に育成していくことが求められています。

 令和2年度については、小・中・高等学校の教室内における無線ネットワークの整備を行い、令和3年度から予定している児童生徒一人ひとりがパソコン端末を活用する授業の実施に向け、準備を進めます。
 これにより、プリント作成や板書といった作業が軽減されるなど授業の効率化につなげるとともに、子どもの発言時間の確保や、情報の整理などによるプレゼンテーション能力の養成、双方向または一斉に情報を共有することが可能になるなど授業の質的向上を図ります。

 こうした取組については、教職員の指導力が、より重要となります。
 ICT環境の活用、プログラミング教育をはじめ、より一層の学習指導の充実に向けた「未来の学び研究事業」によって学校現場をサポートするとともに、引き続き、「あまっ子ステップ・アップ調査事業」と「学びと育ち研究所」の連携による効果検証を行いながら、教職員の指導力向上と、子どもたちの未来に資する教育の実現を目指します。

 また、小学校において外国語教育が教科化されることにより、英語を母国語とするネイティブ・スピーカーや英語が堪能な地域人材の協力を得るなど指導体制の充実とともに、高校生を対象とした海外語学研修の充実を図り、実践的英会話能力の向上に向けた取組を進めます。

 市立尼崎高等学校の体罰事案を受け、令和元年度から中学校で導入している匿名通報アプリ「STOPit」の対象を市立高等学校に拡大するほか、こども青少年局に子どもの人権擁護を推進するための担当課を設置し、定期的に情報を収集する「子どもの人権侵害に関するアンケート調査事業」を実施するなど、体罰やいじめの把握と対応の強化に取り組みます。
 加えて、スクールソーシャルワーカーを6名から12名に増員し、教育相談環境の充実を図ります。

(地域で互いに支え合えるまち)
 4つ目の重点化項目は、「地域で互いに支え合えるまち」に向けた取組です。

 昨年4月から各地区生涯学習プラザに地域担当職員を配置し、顔の見える関係づくりや地域資源の情報収集など、地域特性に応じた取組を試行錯誤しながら進めているところです。
 阪神・淡路大震災から25年、四半世紀が経過しました。お互いの支え合いや地域コミュニティの重要性など、震災での経験、教訓を再認識するなかで、地域発意による取組や地域力向上のための活動促進に力を入れていきたいと考えています。
 令和2年度は、地域における防災体制の充実を支援する取組として、避難行動要支援者や避難場所の位置情報を地図上で可視化できるシステムを導入し、災害時の支援関係者に対する迅速な情報提供体制の構築を進めます。

 また、市民、事業者の皆様からスマートフォンのアプリを通じて道路等の危険箇所を報告していただく市民協働型の道路維持管理を推進します。

 さらに、公益的な事業を行うNPO法人自らがPRを行い、ふるさと納税制度を活用して資金を調達する仕組みを導入し、地域における活動を促進します。

(安心して年齢を重ねられるまち)
 5つ目の重点化項目は、「安心して年齢を重ねられるまち」に向けた取組です。

 全国的に少子化・高齢化が急速に進み、人口減少が本格化していきます。

 今後は、ファミリー世帯の定住・転入促進に加え、団塊の世代が75歳を超えて後期高齢者となる2025年、65歳以上の高齢者数が最大となる2040年を見据え、誰もが長く元気に安心して地域で過ごせるように、超高齢社会の到来を踏まえた取組を着実に進めていく必要があります。

 令和2年度は、高齢者がよく立ち寄る場所としてスーパーマーケットや薬局などを「(仮称)シニア情報ステーション」と位置付け、地域での介護予防活動を紹介するパンフレットを設置するなど、地域との連携をより一層深めていきます。

 また、認知症の人やその家族が、住み慣れた地域で安心して生活できるよう、医療機関など市内13か所で行われている認知症カフェの設置数のさらなる拡大を図るとともに、認知症サポーターがより実践的に活躍できるよう「ステップアップ講座」を開催します。
 さらに、認知症の人が鉄道事故や他人にけがを負わせるなど、損害賠償責任を負った場合に備えて、本人やその配偶者、生計を共にする同居親族などを被保険者とする「認知症個人賠償責任保険」を導入します。

(その他の主な取組)
 以上が、令和2年度に重点的に取り組む項目の概要です。
 加えて、総合計画に掲げる4つの「ありたいまち」の実現を目指し、今日的な課題を踏まえた様々な取組を推進してまいります。

・助産師の派遣による育児指導など産後ケアの充実
・教室を活用した児童ホームの定員拡大
・夏季休業期間中における「こどもクラブ」の実施日数の拡大と昼食の場の提供
・電話・テレビ通訳の導入や外国籍住民の交流などを通じた多文化共生社会の推進
・救急件数増加に対応した救急隊の増隊
・空き家の適正管理や除却などを促進する補助制度の導入
・狭小地などの隣地統合促進に向けた補助対象地域の拡大
・市民の皆様のSDGsに資する行動を促進する地域ポイント制度の創設
・環境性能等に優れたマンションの建設に係る補助制度の導入
・クリーンセンターの余剰電力を活用したエネルギーの地産地消の促進
などに取り組みます。

(令和2年度予算)
 以上、市政運営に向けての基本的な考え方と、令和2年度当初予算に盛り込んだ主な内容について申し上げました。

 この結果、令和2年度当初予算は、
一般会計 2,096億5,000万円
特別会計 1,009億9,500万円
企業会計 862億2,600万円
となっています。

 令和2年度においても、さらなる構造改善の取組などにより、公共用地先行取得事業費会計繰出金を除いて実質的な収支均衡を確保することができました。
 また、投資事業を調整するとともに、可能な限り市債の早期償還を進めることにより、令和4年度の目標管理対象将来負担が1,100億円を下回るよう見通しを立て、必要な投資と財政規律の両立を図りました。

 歳入においては、市税収入をはじめとした主要一般財源が昨年度と比べ増加しているものの、法人市民税については、税制改正による税率引下げの影響以上に減少しています。

 歳出においては、社会保障関係費の増大に加え、焼却施設の更新や給食センターの整備など必要経費が増加し、まだまだ厳しい状況が続きます。
 そうしたなか、令和2年度予算では、大規模な投資事業を見据え、計画的・戦略的に基金の積立、活用を行い、財政負担の平準化を図っていくこととしています。

 今後においても、財政再建の取組の途上であることを組織全体で再認識しつつ、将来につけを回さない財政運営に意を用いてまいります。

 また、行財政改革の一環として取り組んでいる公共施設マネジメントについては、予防保全の推進とライフサイクルコストの低減に取り組むとともに、見直し対象となる施設については、タウンミーティングなどを通じて、市民の皆様と方向性を共有しながら、着実かつ丁寧に取組を進めてまいります。

(むすびに)
 海外に目を転じますと、米中貿易摩擦、中東情勢の不安定化やイギリスのEU離脱、直近では、新型コロナウィルスの発生拡大による影響など、先行きの不透明感が増しています。
 また近年、アメリカを筆頭に、各国が自国第一主義の傾向を強めていることにも、懸念を抱くところです。

 そうしたなか、「誰一人取り残さない社会の実現」を基本理念とし、協調的に世界が発展することを目指した、持続可能な開発目標「SDGs」が、いま注目されています。
 世界が、そして地域が、持続的に発展していくためには、人々が互いの違いを認め合い、支え合う寛容な心を持つ社会を築いていくことが必要です。

 昨年はラグビーワールドカップ日本大会が開催され、多くの海外の方々との交流の輪が広がりました。
 また、さまざまな出身国の選手で構成された日本代表が「ONE TEAM」となることで実現した、その活躍ぶりは、多くの人に感動を与えるとともに、異なる個の力が同じ方向を向いて合わさった時の力の大きさを改めて示すものとなりました。
 まちづくりにおいても同様です。人々が、まちに「誇り」と「愛着」を持ち、まさに尼崎市民が「ONE TEAM」となって、力を合わせて進むことができれば、その推進力は計り知れないものとなります。
 市制100周年を機に制定した「自治のまちづくり条例」の理念である、相互理解と対話を大切にしながら、尼崎というまちの力が最大限に発揮されるまちづくりを進めてまいります。

 そして今年は、いよいよ東京で、平和の祭典オリンピック・パラリンピックが開催されます。世界中から多くの人々が日本を訪れ、私たちにとっても、年齢や国籍、文化の違いなどを超え、お互いを尊重し合う「多文化共生社会」の実現に向けて、さらに取組を進めていく絶好の機会になると考えます。
 また、「スポーツのまち尼崎」を掲げる本市としましては、記念公園から尼崎城を目指す聖火リレーや女子マラソンの前田穂南さんをはじめ、尼崎ゆかりの選手を応援する事業などを実施し、スポーツ振興という面からも、オリンピックイヤーとしての機運を高めてまいります。

 今回のオリンピックに向けた招致プレゼンテーションのなかで、「おもてなし」という言葉がジェスチャーとともに使われました。あのジェスチャーは、つぼみが花開く姿を表わしてつくられたのだそうです。
 
 本市のまちづくりのキャッチフレーズは「ひと咲き まち咲き あまがさき」です。

 まさに、つぼみが開き花を咲かせるときの胸の高なりのように、人々がまちの魅力を感じ、将来への希望を抱き、豊かな心を持って暮らしていける、そんなまちを目指し、今後とも全力を尽くしてまいります。

 どうぞ、議員の皆様、市民の皆様、引き続き、ご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。

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