遊びを通じて育む力(市報あまがさき平成26年8月号)

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ページ番号1007203 更新日 平成30年3月28日

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現在の学校教育では、知識の習得とともに思考力・判断力・表現力などの育成が重視されています。しかし、それらの「力」は小学校に入って初めて築かれるものではなく、その基盤を形成するものの一つとして、就学前の「遊び」があります。今月号では、子どもが将来にわたり豊かな人生を送るために、大人は子どもの「遊び」にどう関わればいいのか、また遊びの意義について皆さんと一緒に考えます。

保育の専門家に聞く

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自発性を大切に

保育園では、一人ひとりの発達に合わせた遊びを心掛けています。子どもたちは一つのことができるようになると「見て見て!」と私たちに教えてくれます。できたことを褒めることで、その心は満たされ、次のやる気へとつながります。その繰り返しが子どもたちの自発性を育んでいきます。
こうした育みを重ねることで、将来、現実にしっかりと向き合い、自分の可能性を自ら伸ばしていける人に成長してほしいと思っています。
写真:尼崎法人保育園会会長(大島南保育園園長)宮崎 敬子(みやざきひろこ)さん

写真4
笑って 遊んで これからも成長し続けます

保育所の園庭開放

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遊びと体づくり、友達づくり

就学前児が利用できる遊び場の一つに、保育所・園の園庭を地域の子どもたちに提供する園庭開放があります。ここでは園田保育所の園庭開放の様子を紹介します。詳しくはお近くの各保育所・園か保育指導担当(電話番号06-6489-6372)へ。

園田保育所では、平日の午前11時~午後0時30分、園庭開放を行っています。滑り台などの遊具を自由に使って遊んだり、絵本の貸し出しを利用したりできます。
安全に安心して、思う存分遊べる場があることは、子どもにとってとても大切です。戸外で体を動かして遊ぶことで、基礎体力を培い、危険な事態を察知してけがを未然に防ぐ能力を身に付けていきます。また、園庭開放には近所の親子が遊びに来ることが多いため、地域に友達ができます。園庭開放をきっかけに友達の輪が広がり、仲間との遊びの中で、思いやりや社会性を学べます。
また、子育ての悩みを保育士などに気軽に相談することもできます。

インタビュー

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友達と遊ぶ楽しさを見つけました

(小山悠さん 夏蓮ちゃん)

園田保育所の園庭開放を1年ほど前からよく利用しています。今日はプールを楽しみに来ました。自宅で水遊びをするのはなかなか難しいですが、ここなら大きなプールを用意してくれていますので、水着に着替えるだけで気軽に楽しく遊ぶことができます。
自宅で一人で遊ぶより、ここに来た方が友達もできるし、夏蓮も楽しそうにしています。仲良くなった友達も多く、みんなで公園に行って遊ぶこともあります。

座談会 遊びの中で育まれるもの

就学前の遊びの中で、本当に育んでおきたいものとは何でしょうか。おもと保育園では毎年、保護者やボランティアの協力を得て夏祭りを開催しています。参加したボランティア・小山(こやま)佳子さん、保護者・藤村昌司さん、保育士・稲次(いなじ)恵津子さんにお話を伺いました。

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【社会性を育む】

稲次 夏祭りはいかがでしたか。藤村さんのクラスの年長さんは、遊びながら歌う「わらべうた」を発表しました。今日は、わらべうたという遊びの中で学んできたものを保護者や近所の皆さんに見てもらう大切な場でした。

藤村 人前に出るのが苦手だったのに、今日は堂々と発表し、わらべうたのルールもきちんと守って行動していました。成長を実感し、安心しました。
稲次 子どもたちは、わらべうたを通じて、遊びにルールがあることや仲間との関係などを理解します。社会生活の第一歩ですね。
藤村 ただ遊んでいる毎日のようですけれど、遊びの中でいろいろなことを学んでいるんですね。


【社会の仕組みを理解する】

小山 今日、皆さんに味わっていただいた味噌(みそ)うどんの味噌は、子どもたちと一緒に作ったものです。みんな、遊びの延長で、楽しそうに味噌をこねるんですよ。
藤村 私の家でも、子どもたちが楽しそうに作り方を教えてくれました。
小山 何かを作る喜びや達成感を味わうと、自信につながりますよね。子どもには実体験が大切だと思います。
稲次 大人のまね事をすることで、子どもは自分なりに社会の仕組みを理解していきます。ママゴトも、そうした大切な意味を持っているんですよ 

「わらべうた」を夏祭りで披露

【望む将来像】

稲次 園の遊びの中で大切にしているのが、子どもの意欲です。今回の演目を決めるときも「昨年の年長さんはわらべうたをやったけれど、みんなはどうする?」と尋ねたんです。「やる!」と子どもたちが言って初めて演目に取り入れました。
藤村 小学校に入れば、いろいろなことを「やりなさい」と言われますから、今の時期に自主性を尊重してもらうことは大切ですよね。親としては、毎日子どもと向き合うことに精一杯で、取りあえず小学校に入ってやっていけることだけが念頭にあったのですが、遊びを通じて、今後の長い人生を生き抜く力を身に付けてほしいと思います。
小山 私は集団でいろいろな年齢の子どもと遊ぶことで、自分の思っていることを相手に伝えられる人に育ってほしいですね。
稲次 就学前に培ったものが、この先、生きていく力の基礎になります。この時期に自分で遊びを選び、没頭することが、将来における勉強や仕事に対する集中力、人生のさまざまな局面において選択する力につながると思っています。

子育てサークル

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遊びが地域をつなぐ
市内には、市民の皆さんが結成し、活動している「子育てサークル」が31あります。就学前児とその保護者が気軽に参加することができます。その一つ、「親子教室はぐたいむ」の代表・小川好美さんにお話を伺いました。詳しくはこども家庭支援課(電話番号06-6489-6349)へ。

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子育ての悩みを、同じ保護者や子育て経験者の立場で聞いてくれ、助言してくれる人がいることは、保護者の不安感や孤独感を和らげます。保護者の心の安定は子どもの成長に良い影響を与えます。
子育てサークルでは就学前児とその保護者が自主的に、リズム遊びや季節にちなんだ遊び、世代間交流などの活動をしています。子ども同士の遊びを通じて保護者・地域の人同士のネットワークができ、大人も子どもも支え合いながら、安心して暮らせるコミュニティが生まれます。また、子育てサークルのほかにも、公民館などを拠点に活動するグループがあります。お近くのサークルやグループに参加してみてはいかがですか。

インタビュー

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遊び・悩みを共有し、信頼できる友達を

(親子教室はぐたいむ 代表小川 好美さん)

「親子教室はぐたいむ」は毎週火曜日午前10時~正午、中央公民館で活動しています。食について悩む保護者が多いときには、食器などで音を奏でる「キッチンオーケストラ」をしながら食育の話をするなど、みんなの意見を聞いて活動内容を決めています。
サークルを立ち上げたきっかけは、当時1歳だった子どもに同い年の友達がいなかったことです。ここでできた友達には悩みを気軽に相談でき、別々の小学校に上がった現在でも、バーベキューをするなど交流が続いています。

遊びが未来を築く力を培う

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大阪総合保育大学 准教授
瀧川 光治さん

近年、企業が即戦力となる人材を求める一方で、就職後の早期退職・離職も表面化してきています。その中で職場や地域で活躍できる力として、経済産業省が提唱する「社会人基礎力」が注目されています。「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」がその要素です。
これらの土台の形成に当たっては、就学前の「質の高い遊び」の中でいろいろな経験をすることで身に付いていくものが大きいのです。積み木を例にとると、あまりイメージを持たずにただ単に遊ぶのではなく、「こうしてみよう」と、自分なりに頭を働かせながら意欲的に遊んでいるのが「質の高い遊び」です。まさに前に踏み出し、考え抜く力です。子どもの成長は遊び方で大きく違ってきます。大人は子どもの遊びに、「いいね!」と共感しながら、「あっ、○○に見えるね」など、次につながるヒントを出してみることが大切です。
また、遊びの中で友達と一緒に楽しんだり、協力したり、けんかしたりして、葛藤を乗り越えることやお互いの主張を聞き合うことを学ぶことも、チームで働く力の土台となる大切な経験です。心と体が大きく発達する就学前に、たくさん「質の高い遊び」を経験し、自らの力で自らの考える社会を築ける力を培ってください。

このページに関するお問い合わせ

総合政策局 政策部 広報課
〒660-8501 兵庫県尼崎市東七松町1丁目23番1号 本庁中館2階
電話番号:06-6489-6021
ファクス番号:06-6489-1827
メールアドレス:

  • ama-koho@city.amagasaki.hyogo.jp (市報あまがさき等)
  • ama-koho2@city.amagasaki.hyogo.jp (あまっこ・尼ノ國等)