災害から身を守る 2つの力(市報あまがさき平成27年1月号)

ツイート
シェア
LINEで送る

ページ番号1007200 更新日 平成30年2月21日

印刷大きな文字で印刷

画像

市内で死者49人、負傷者7145人を出した阪神・淡路大震災から20年がたちました。今後、起こるとされる南海トラフ巨大地震の被害を最小限にするためには、「行動できる力」と「情報を読み解く力」を養うことが必要です。この機会に防災・減災について改めて考えましょう。詳しくは防災対策課(電話番号06-6489-6165)へ。

阪神・淡路大震災の教訓に学ぶ

画像

平成7年1月17日午前5時46分、戸ノ内町の自宅で被災した酒井克己さんに、今振り返って思うことを伺いました。

間一髪で助かった

妻と食事をしていると突然、「ぐお~」っと、今まで聞いたことのない不気味な音がし、立っていられないほどの揺れが襲いました。とっさに右手で柱をつかみ、左手で混乱する妻を引き寄せ、座り込みました。その行動が私たちを救いました。食卓の両脇にあった二つの食器棚が、さっきまで妻が居た場所に倒れてきたのです。私は、早く収まってくれ、と願うばかりでした。
揺れが収まり、傾いた玄関から外に出ると、道路のアスファルトが剥がれ、波打っていました。どの家も傾いていました。自分の工場(こうば)も屋根の瓦が落ち、崩れる寸前でした。

耐震化の大切さ

当時、関西であんな地震が起こるなんて誰も想像できず、建物の耐震化には無頓着でした。工場の多くは耐震化を考えずに一軒家を改装したもので、邪魔になった柱は取り払っていました。多くの工場は半壊や全壊の状態でした。耐震性を考えて建物を建てたり、改装したりすることの大切さを痛感しましたね。

写真3
戸ノ内町の倒壊した建物
写真4
稲葉元町の家屋火災(撮影者:小寺紘一さん)
写真5
築地の液状化した道路

南海トラフ巨大地震に備える

「行動できる力」を養う

平成23年3月に発生した東日本大震災では、多くの人が津波で亡くなりました。内閣府のアンケートの結果を参考に、災害時の行動について考えてみましょう。

災害直後の人間の行動は? 

DATA

【地震直後の行動】

  • 津波情報を得ようとした=43%
  • 火の始末をした=30%
  • 後片付けをした=19%

【揺れが収まって30分以内に避難を開始した人】62%

【避難しなかった理由】

  • 過去の地震で大津波が来なかった=22%
  • 周囲の人が避難していなかった=13%

5人に1人が「後片付け」という日常生活の延長のような行動を取っていました。また、「逃げなくても助かった」という体験や、周囲の人の行動が安心感を生み、人々の行動に影響していたことが分かります。
避難のきっかけは?

DATA

【避難のきっかけ】

  • 大津波警報の見聞き=28%
  • 周囲の人の呼び掛け=27%

警報と並んで、周囲の人からの声掛けが、避難のきっかけになったことが分かります。

防災意識を共有する
 

防災用品など「形ある」ものの準備だけでなく、人間の行動特性を知り、地域で災害時に行動する意識を共有するという「形のない」部分も備えておきましょう。

  • 南海トラフ巨大地震 日向灘沖から駿河湾に続く海底の溝「南海トラフ」沿いの地域を震源域として起こるとされているマグニチュード9クラスの地震。
  • DATAは内閣府の「東日本大震災時の地震・津波避難に関する住民アンケート調査」(平成24年12月)から抜粋しています。同調査は岩手・宮城・福島県内の27市町の住民約1万4000人を対象に実施されました。数値は小数点以下を四捨五入しています 

地域で防災・減災に取り組む

画像

道意社会福祉連絡協議会会長の脇坂周二さんに、地域で実施している取り組みについて伺いました。

避難マップは防災意識向上の「仕掛け」

津波が来たら、どの経路でどこに避難するかを示す「道意町安全安心マップ」を、平成25年3月に作成しました。
約170人の住民が実際にまちを歩き、危険な箇所などを見付けながら避難経路を確認しました。役員など一部の人が既存の情報を書き込むだけなら、もっと早くできたかもしれません。
しかし、住民全体の防災意識を向上させるには、住民が言葉を交わし、実地を歩くことが大切だと考えました。
マップは協議会の加入者に配布し、より多くの住民に知ってもらうため、ホームページでも公開しています。

交流を深めるきっかけづくりも

ほかにも、AEDの講習会や、人と防災未来センター(神戸市)の見学などを企画し、大勢の人に参加してもらっています。このような機会を提供することで住民間の絆を深め、いざというとき、力を合わせて助け合える地域でありたいと考えています。

「情報を読み解く力」を養う

尼崎市防災ブックを読み解く

「尼崎市防災ブック」はご覧になりましたか。ここでは市役所の地点を例に、同ブックを読み解いてみましょう。

1.被害想定を確認

東七松町1丁目に住むAさんは、巨大地震が起きた時に備えて、尼崎市防災ブックを見て、自宅の被害想定などを調べました。次の被害が想定されることが分かりました。

  • 最大震度 6強~7(6強以上の場合、立って歩くことはできません)。
  • 建物の倒壊する危険性 10%以上、20%未満。
  • 津波による浸水の深さ 0m。ただし、実際の災害では想定しない浸水が発生する危険性があります。

2.避難マップを作る

不安を感じたAさんは、津波による避難勧告が発令された場合を想定し、道路地図を準備し、自宅を基点とする避難マップを次の手順で作りました。 

  1.  一時的に避難する最寄りの津波等一時避難場所「市役所」に印を付ける。
  2.  自宅にいられなくなった場合に避難する最寄りの指定避難場所「日新中」に印を付ける。
  3.  1.2の各避難場所まで実際に歩き、浸水しやすい場所や、ブロック塀が倒れる危険性がある場所などに印を付け、危険な箇所を避けて通れる経路に線を引き、距離を測る。 

Aさんは「尼崎市は地盤が低いので、津波が収まった後でも浸水が続く危険性がある。より北へ向かい、河川から離れている場所への避難も想定した方が良いかもしれない。避難生活が数日にわたると、同居している車いすの母が心配だ。指定避難場所から、支援が必要な人に配慮された福祉避難場所に移る必要があるかもしれない。その場所も確認しておこう」と考えました。また、避難が遅れた場合、市役所の高層階へ避難することも書き加えました。

3. 家族で連絡方法を決める

画像

「災害時に子どもの状況が分からないと、安心して避難できない」。そう思ったAさんは家族と話し合い、携帯電話がつながらなければ、災害用伝言ダイヤルや災害用伝言板(注)を利用して安否を確認しよう、と決めました。話し合い後、Aさんは「持ち出し品や、家具の固定などの点検もしなければ。情報の入手方法も確認しておこう」と考えるのでした。
注) 大規模災害の発生時などに各電話会社が開設するサービス。被災者がメッセージを自宅の固定電話宛てに録音またはインターネット上の伝言板に登録すると、全国から確認できます。

国の地震・津波情報を読み解く

ここでは、災害が発生した時、国から発表される情報の読み解き方を学びましょう。

Q. 気象庁が発表する緊急地震速報は地震の「予報」?
A. 「予報」ではありません。すでに起きた地震で発生した最初の小さな揺れを基に、次に来る大きな揺れの到達時間や震度を予測し、テレビや携帯電話で知らせます。携帯電話の場合、通常の着信音と違う音が鳴ります。予め各携帯電話会社のホームページで着信音を聴いて確認しましょう。

Q. 気象庁が発表する津波の予想高が低ければ安心しても大丈夫?
A. 予想高は「兵庫県瀬戸内海沿岸」という大きな区域の海岸線における平均的な値です。場所によっては予想高の2倍程度の津波が来ることがあります。安心せず、防災行政無線を聴くなどして警戒してください。

みんなの力で津波による死者をゼロに

画像

津波からの避難の要点は、2つあります。「孫子の兵法」にもある通り、1=敵を知り2=己を知ることです。敵すなわち「南海トラフ巨大地震」では、市域に大津波が到達するまでに約2時間の猶予があります。早めに避難行動を取れば、全員が助かることも決して不可能ではありません。
しかし、己すなわち私たちの備え方次第で、成否は分かれてしまいます。近所に自立歩行が困難な人はいませんか。どのように支援すれば、一緒に逃げられるでしょうか。家や塀が崩れ、道が通れなくなることもあります。地盤が液状化するかもしれません。複数の避難経路を実際に歩いて、時間を計ってみると良いでしょう。海岸や河口からより遠く離れ、そして最後に、より高く上るようにします。津波による死者ゼロをみんなの力で実現しましょう。

このページに関するお問い合わせ

総合政策局 政策部 広報課
〒660-8501 兵庫県尼崎市東七松町1丁目23番1号 本庁中館2階
電話番号:06-6489-6021
ファクス番号:06-6489-1827
メールアドレス:

  • ama-koho@city.amagasaki.hyogo.jp (市報あまがさき等)
  • ama-koho2@city.amagasaki.hyogo.jp (あまっこ・尼ノ國等)