認知症の人の暮らしを支える人を募集中(市報あまがさき平成27年9月号)

ツイート
シェア
LINEで送る

ページ番号1007195 更新日 平成30年2月21日

印刷大きな文字で印刷

画像

今後、一層の高齢化が進展することを踏まえ、認知症になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしができるように、本市では、高齢者の安心・安全を支える人の輪を広げるための講座などを実施しています。今月号では、講座を受講した皆さんに話を伺い、一人ひとりができることについて考えます。詳しくは包括支援担当(電話番号06-6489−6356)へ。

【認知症とは】

認知症とは、脳の細胞の働きが悪くなることなどが原因で記憶障害や理解力・判断力の低下などが起こることによって、日常生活に支障が生じている状態を指します。また、周囲の環境や、対応などによっては、不安や焦燥、幻覚などの症状を伴うこともあります。認知症の人が安心して暮らすには、一人の人間として尊重され、その能力が使えるような適切な支援と周囲の理解が必要です。

地域で見守る人(認知症サポーター)

認知症について正しい知識を持ってもらい、地域で認知症の人や家族を支える認知症サポーターを養成する講座を実施しています。ここでは、講座の様子を紹介します。

講座をのぞいてみよう

今回、受講したのは、市内とその周辺を走る名神第一交通14のタクシー運転手の皆さん40人です。認知症の基礎知識などの講義を受けた後、言葉の掛け方などを事例に即して学びました。あなたが運転手なら、どうするか考えてみてください。

画像

事例 深夜にタクシーを運転中、道路を高齢者が一人で脇目も振らずに歩いています。あなたは「もしかして認知症の人ではないか」と思いました。どう声を掛けますか。

  • ステップ1「驚かせない」

 追い越してから前に回り、タクシーも視野に入るようにして近づき、「○○交通の運転手の○○と申します」と名乗りましょう。認知症の人は視野が狭くなっています。後ろから声を掛けると、驚いて無言になったり、脅威を感じてあらがおうとしたりすることがあります。

  • ステップ2「尊厳を守る」

 「こんな時間にお一人で歩いておられるので、おせっかいですが声を掛けました」などと話し掛けましょう。「道に迷ったのではないですか」と話し掛けると、自尊心を傷つけられて「助けて」と言えなくなることがあります。 

私が受講した理由

画像

今回の講座を企画した豊饒(ぶにょう)隆さんに、受講の意図を伺いました。

最近、社員から、認知症と思われるお客さんについての相談や報告が増えました。「はだしで乗車してきた」「夜、車道を歩いているお年寄りがいた」などです。地域密着型の業務を展開することがモットーのわが社としては、昼夜、まち中で車を走らせている業態を生かし、地域の安全・安心を支えることもサービスの一環と考え、認知症について学ぶことにしました。
今後は、当社が講座を受講していることを警察にもお知らせし、認知症の人を支える地域の輪の一員として連携していきたいと思っています。

【受講者の声】

  • ふらふらと不安げに歩く高齢者を気にするようになった
  • 高齢のお客さんに、より親切にするようになった
  • 明日は我が身、という気持ちで支え合うことが大事だと思った

認知症と共に生きる地域への前進に向けて

画像

平成22年の国勢調査で、本市は65歳以上の高齢者のうち、単身世帯の占める割合が県下1位でした。また、平成27年現在、市内在住の認知症の人は約1万2000人と推定されますが、そのほとんどが在宅で暮らしています。その人たちが安心して地域で暮らすためには、医療や介護などの専門家と地域の皆さんが一体となり、高齢者を支える地域包括ケアシステムを構築することが必要です。
このため、本市では、平成27年度から包括支援担当という課を設置し、認知症施策の推進に取り組んでいます。多くの人に認知症サポーターになっていただき、日常生活の中で、認知症の人やその家族への声掛けや見守りなど、各自のできる範囲でご協力をお願いしたいと考えています。認知症サポーター養成講座は平成27年6月末までに308回実施し、受講者数は延べ8,355人です。集合住宅の自治会やPTAなどさまざまなグループが受講し、最近では、銀行や商店など高齢者がよく立ち寄るような事業所にも広がっています。

【講座の受講を】

町内会・自治会や老人会、事業所など、養成講座の開催を希望するグループに対して講師の派遣を行っています。ぜひ包括支援担当までお問い合わせください。

権利を守る人 (市民後見人)

少し専門的な知識を身に付けた上で支援したい、という人は市民後見人養成研修を受けてみませんか。ここでは、市内で初めて同研修を受講し、市民後見人になった森義光さんに、その活動などについて語ってもらいました。

画像

【研修を受講したきっかけは】

定年前に母と義母が同時に認知症になりました。この経験を生かして何か地域の役に立てることがあるかもしれないと思い、参加しました。

【どんなカリキュラムでしたか】

認知症の人や高齢者・障害者について理解を深める講義があり、成年後見制度や介護保険制度などの基礎、関係する民法などについて学びました。施設での体験学習もありました。

【現在の活動内容は】

87歳の認知症の人を担当しており、財産管理と、契約や行政手続きの代行をしています。初めは自宅で暮らしていらっしゃいましたが、徘徊(はいかい)の症状が出たため、サービス付き高齢者住宅に入居、さらに特別養護老人ホームに転居されました。施設との契約書類の記入や転居届の提出などをご本人の代わりに行いました。このときは、母たちのために同様の手続きをしたときの経験が生かせました。

【不安なことはありませんか】

私たちの活動は、一人だけでするものではありません。分からないことがあれば、成年後見等支援センターの職員や弁護士などに相談できます。ケアマネージャーや介護士とも連携しています。定期的に裁判所にも報告します。ご本人のために何が最善かをみんなで考えて支援します。

【今後、研修の受講を考えている人にメッセージを】

市民後見人は天涯孤独(てんがいこどく)の人を対象としていると思うかもしれませんが、実は家族がいても利用するケースはあります。団塊(だんかい)の世代が65歳を超え、高齢者がどんどん増え、若い人は減っています。また、「子は親の面倒を見るもの」という価値観を持つ人が少なくなっています。だから、高齢者を含めて元気な人が、助けの必要な近所の高齢者の面倒を見るべきだと思います。興味のある人は、ぜひ受講してください。

【用語解説】成年後見制度と市民後見人

認知症や知的障害などにより、判断能力が十分でない人は、預貯金などの財産を管理したり、介護サービスに関する契約を結んだりすることが難しいことがあります。このような人を支援するのが成年後見制度です。
近年、認知症の人や高齢者のみの世帯が増加してきたため、本市では、弁護士などの専門職のみでなく、一般の市民が後見人となり、活動できるように、市民後見人養成研修を実施しています。現在、本市では、3人が活躍中です。詳しくは成年後見等支援センター(電話番号06-4950-0452)へ。

編集後記

今回取材した市民後見人の森さんは、詩吟の会の会長もしておられます。後見を担当している方にも、録音したテープを持っていくこともあるそうです。関わり始めには「詩は聞かん」と聴いてくれなかったのですが、ご本人の体調が落ち着いてきたからか、今はよく聴いてくれるようになったとのこと。

また、ボランティアとして、お弟子さんたちと、特別養護老人ホームで詩吟を詠む活動もされているそうです。
自身の持ち味をいかした支援は、お互いにとってプラスになり、また、楽しんで取り組めるため、長く続けられるのかもしれませんね。

(担当N)

このページに関するお問い合わせ

総合政策局 政策部 広報課
〒660-8501 兵庫県尼崎市東七松町1丁目23番1号 本庁中館2階
電話番号:06-6489-6021
ファクス番号:06-6489-1827
メールアドレス:

  • ama-koho@city.amagasaki.hyogo.jp (市報あまがさき等)
  • ama-koho2@city.amagasaki.hyogo.jp (あまっこ・尼ノ國等)