平成26年度施政方針 (平成26年2月18日 第4回市議会定例会)

ツイート
シェア
LINEで送る

ページ番号1008549 更新日 平成30年2月23日

印刷大きな文字で印刷

平成26年度施政方針 (平成26年2月18日 第4回市議会定例会)

施政方針

 第4回市議会定例会の開会に当たり、平成26年度の市政運営に対する所信を申し上げ、議員の皆様並びに市民の皆様のご理解、ご賛同を賜りたいと存じます。

 市長に就任してから早3年が経過しました。
 就任以来、私なりに、尼崎に新しい風を吹き込もうと取り組み、未来へつなぐための基盤づくりに、力を尽くしてまいりました。

 昨年度は、「ひと咲き まち咲き あまがさき」をキャッチフレーズとする「尼崎市総合計画」と、行財政改革計画「あまがさき『未来へつなぐ』プロジェクト」を様々な方のご意見を反映し策定しました。
 この2つの計画は、都市の体質転換を図り、ありたいまちに向けて、私たちが今後まちづくりを進めていく上での羅針盤として、大変重要な役割を果たすものです。

 昨年3月には、経済の活性化とCO2削減が両立する産業都市の実現に向けた提案が評価され、国から「環境モデル都市」に選定されました。環境モデル都市で掲げる「ECO未来都市あまがさき」に向けた取組は、産業振興、低炭素社会の実現とともに、まちの認知度やイメージの向上にもつながり、さらには、本市への定住・転入の促進にも寄与するものと考えています。

 しかしながら、尼崎市には、まだまだ多くの課題があります。昨年は市内で発生した事件がマスコミでも大きく報道され、本市のイメージを傷つけました。駅前の駐輪マナーや、ひったくりをはじめとする街頭犯罪など、暮らしのなかのより身近な課題に対しても、しっかりと対応し、市民の皆様とともに取り組んでいかなければなりません。

 また、政府の経済対策により、大企業から中小企業まで幅広く業況が改善しているものの、先行きは、消費増税などの影響を懸念し、慎重な見通しとなっています。個人の景況感は2期連続でマイナスとなっており、企業収益の回復に比べ、個人が景気の回復を実感するまでには至っていない状況です。

 26年度は、これまで以上に、経済の地域内循環を目指す取組に力を入れるとともに、地域の課題解決に向けた取組と、シティプロモーションの推進を車の両輪として推し進め、景気回復の兆しや、このまちの魅力と暮らしやすさを、市民の皆様の実感につなげるということを強く意識して、取組を進めます。

 一方、市の財政状況をみますと、これまでの行財政改革の取組によって一定の効果を見出してきたものの、収支不足の縮小を見込める段階には、至っていません。
 また、本市財政に大きな影響を及ぼす地方交付税額の基礎となる、26年度地方財政計画において、税収が伸びる想定のもと、基準財政需要額の算定が厳しいものとなる見込みです。社会保障と税の一体改革の本市への影響がいまだ不透明であることなどとあいまって、今後の収支の見通しを立てることが、大変難しい局面だと認識しています。

 私たちは、行財政改革の目標を達成するための財政規律を守りつつ、多様化、複雑化する、まちの課題解決に取り組み、よりよい明日を次の世代につないでいかなければなりません。

 総合計画2年目に当たる26年度は、引き続き、人の育ちと活動を支援する取組、市民の健康への支援やまちの防災機能を高めるなど疾病や災害の予防のための取組、地域資源の活用などによるまちの魅力の再発見と創出に向けた取組、経済の地域内循環を目指す地域活性化のための取組など、ありたいまちの実現や都市の体質転換に向け、将来を見据えた政策を進めます。
 また、早急に取り組むべき行政課題に対応する事業や、環境モデル都市の推進など、本市の特性を踏まえた取組に財源を重点配分するほか、財政負担を伴わない手法も取り入れ、限られた財源を有効に活用する工夫をしながら、施策を展開していきます。

(市政運営の基本的な考え方及び主要な施策)
 それでは、総合計画に掲げる4つのありたいまちと主要取組項目に基づき、市政運営の基本的な考え方とともに、主な施策について申し上げます。

 最初に、「人が育ち、互いに支えあうまち」の実現に向け、人の育ちと活動を支援する主な取組です。

 暮らしのなかのいろいろな場面で、幅広い年代・立場の人が互いに支えあうことのできる、人と人との豊かなつながりがあるまちになるためには、基礎となる学力の向上のほか、社会性の向上や地域への愛着を持つことなど、一人ひとりの豊かな心の形成が必要です。

 小・中学校における学力向上に向けては、各学校での基礎的な知識の習得を目指すとともに、思考力や判断力、表現力を育む活用型学習支援の取組を進め、全体的な学力のレベルアップに努めてきました。26年度は、若手教員の人材育成、指導力向上にも力を入れ、学校組織力や子どもたちのさらなる学力の向上につなげていきます。
 また、27年度入学者選抜から実施される公立高校の学区再編を見据え、現在中学3年生に配布している進路学習ノートの内容充実を図るとともに、1、2年生向けのノートも作成するなど、3年間を見通した進路学習を実施します。

 子どもたちが健やかで快適な学校生活を送るための教育環境の整備は、学力向上にも影響する非常に重要な課題であると認識しています。
 子どもたちの健康面や学習面での影響を考え、夏の暑さ対策を進めるため、まずは改築する学校について、改築工事にあわせたエアコンの設置に向け、今後、財源確保を含め準備を行っていきます。
 また、中学校における昼食のあり方については、現在、中学校弁当推進事業において、年次的に実施校を拡大しながら、子どもたちの昼食改善や子育て支援を図っています。保護者からの要望が大きい給食の実施については、財政負担の非常に大きな事業となるため、後年度への負担も踏まえながら検討していきます。
 これらの教育環境の整備については、市民の皆様の意見も伺いながら、優先順位を含めたスケジュール、財源確保について整理した上で、その方向性を定めていきます。

 地域活動を支える人材を創出するには、子どものころから社会性・自立性を育んでいくことが大切です。そのため、研究指定校3校で実施してきた人間関係づくりを中心とする「社会力育成モデル事業」の実績を踏まえ、主体的に地域や社会に参画し、行動する力の育成を目指す取組を行う中学校を9校に拡大します。
 生命を尊重する心と規範意識を育成するため、現在中学校において実施している「こころの教育推進事業」を小学校にも拡充し、保護者や地域住民が一体となり小中一貫で道徳的課題について学び、考える機会を増やします。
 また、すべての小学校の4年生を対象に、尼崎の森中央緑地での植樹体験や北堀運河などの見学をとおして、本市の環境保全・向上についての歴史、取組を学ぶことで、環境意識や実践意欲を高めるとともに、まちへの愛着を深めます。

 近年の家庭、地域を取り巻く環境の変化に伴い、青少年の健全育成に向けた支援がますます求められています。
 長期欠席や不登校への対策については、子どもの自立支援室に新たに相談窓口を開設し、関係機関との連携による迅速な対応を図るなど、未然防止と早期対応を強化します。また、子どもたちが抱えるいじめ、不登校、非行などの問題への支援機能を強化するため、福祉事務所における現行3名の子どもの育ち支援ワーカーを6名に増員し、すべての小・中学校を対象に支援できるよう取組を進めます。

 子育て世代を応援する取組として、就学前の子どもを在宅で育てている親と子が一緒に集う「つどいの広場」を新たに2箇所増設し11箇所とします。
 また、塚口保育所の建替えに伴う定員拡大や、法人保育園の分園の設置促進により、待機児童の解消を図ります。
 さらに、市ホームページに子育て支援関連サイトを設置し、利用者の視点に立った、分かりやすく探しやすい子ども・子育て情報を提供するなど、子育てしやすい環境の充実を図ります。
 27年4月の子ども・子育て支援新制度の本格運用開始に向け、就学前の教育・保育のあり方などについて、引き続き審議会で議論をいただいた上で本市の考え方をまとめ、その内容を広く市民の皆様に共有していただくことや、新たな幼保連携型認定こども園の認可、新制度利用者の受付、入所調整などに取り組みます。

 市民の自主的な学習や、地域を主体的に支える人材の育成を支援することは、地域活動の活性化につながる大切な取組です。多様な市民、そして行政が垣根を越え、まちの課題などについて学びあえる環境をつくり、まちづくりに関わる人材の創出とシチズンシップの醸成を図る「まち大学あまがさき」の具体化に向けて、取組を進めます。
 また、行政や教育機関、民間企業が提供する学習機会を一括編集した生涯学習情報誌「あまなび」の発行や、生涯学習相談コーナーを地区公民館に設置するなど、市民への学習支援を充実します。
 さらに、公民館や地区会館など、自習場所として一部スペースを開放している市内の公共施設の情報を集約し、地域の学校とも連携しながら、市民や子どもたちの自主的な学習活動を支援します。

 まちづくりを進める上で、市民、事業者、行政がそれぞれの責任を果たし、地域や市の課題をともに考え、ともに行動し取り組んでいくことを目指し、自治の基本的な考え方を示す条例を視野に入れながら、尼崎らしいまちづくりのルールを考える市民懇話会を開催します。

 このように、学校教育や生涯学習、家庭生活や地域での様々な活動を通じて豊かな心を育み、未来を担う子どもや地域社会を担う人材が育つよう、世代を超えて、お互いが学びあい、支えあえる環境づくりを進めます。

 次に、「健康、安全・安心を実感できるまち」の実現に向け、市民の健康と就労を支援する主な取組です。

 生涯にわたり、社会に参画し、いきいきと人生を送るためには、年齢にかかわらず、健康で自立した暮らしができることが重要です。
 ひいては、社会の活力の増進や、社会保障費の軽減と市民負担の軽減にもつながることから、本市ではこれまで、予防の観点を重視した取組を進めてきました。これらの取組はすぐに効果が現れるものばかりではありませんが、一定の効果が出始めているものもあり、継続して取り組む必要があります。

 高齢者の介護予防を推進し、より積極的に健康寿命の延伸を図るため、健診受診者の筋肉量を測定し、その結果に基づく保健指導と継続支援を充実させるとともに、地域における健康体操の推進や老人福祉センターの介護予防事業の強化など、健康な高齢者も含めた地域ぐるみの介護予防体制を構築します。
 また、高齢化の進展に伴いさらに増加が見込まれる認知症対策として、早期対応やケア施策を推進します。
 さらに、高齢者や障害者で、判断力が不十分であることなどから福祉サービスの利用や金銭管理に課題がある方に対して、成年後見支援のためのセンターを設置し、権利擁護を図るなど、誰もが安心して生活できる体制を整えます。

 生活習慣病予防に向けては、生涯にわたって自らの健康づくりを実践できるよう、ライフステージに応じた取組が必要です。
 25年度から、市内のすべての小・中学校において、本市独自の食生活習慣の副読本を活用した授業を行っていますが、26年度は、保育所、幼稚園の年長児に活用する教材についても開発し、保育に活かすことで、幼児期からの生活習慣改善教育を行っていきます。

 また、妊婦がより健康で安全な出産を迎えることができるよう、前期健診に子宮頸がん検診、後期健診に貧血検査を追加するなど「妊婦健診事業」を拡充します。

 市民の生命や財産を守り、安全・安心な生活を確保することは、まちづくりを進める上で最も重要です。昨年12月に公表された兵庫県の南海トラフ巨大地震による津波浸水想定を踏まえた地域防災計画を策定し、市域の災害予防、防災活動の計画的な実施、災害による被害の軽減に向けた取組を強化することにより、総合的な防災体制を構築していきます。
 津波などの災害時の情報伝達体制の強化を図るため、保育所や幼稚園、障害者施設など要援護施設に防災行政無線の戸別受信機を配置します。また本市では昨年8月にも、大雨に伴う浸水被害が発生しましたが、近年増加している集中豪雨の被害を軽減するため、10年確率の降雨にも対応した雨水貯留管や末端増補管の整備に着手するなど、災害に対する都市基盤の強化を図ります。
 県が実施するひょうご防災リーダー講座受講者に対する経費助成を行い、防災リーダーを増やすことで地域の防災力向上を図るとともに、各種災害のハザードマップを盛り込んだ「尼崎市防災ブック」を市内の全戸に配布し、普段からの災害への備えを促進します。

 近年の市内のひったくり件数の増加を受け、全市一丸となってひったくり撲滅キャンペーンを実施してきました。26年度は、市内3警察署から提供される情報をもとに防犯地図データを作成するとともに、防犯分野の専門家からの意見、提言をいただき、施策立案に活かします。
 また、犯罪被害者への支援と権利、利益の保護を図るため、総合的施策の研究や、市民への啓発、条例制定に向けた取組を進めます。
 さらに、倒壊や放火などの危険性がある、管理が不適正な空き家への対策についても、先進事例などの研究を行い、条例制定に向け取り組みます。

 以上のような施策を展開しながら、今後も引き続き予防の観点を重視し、市民一人ひとりが健康で、安全・安心な生活を送ることができるまちづくりを進めます。

 次に、「地域の資源を活かし、活力が生まれるまち」の実現に向け、産業活力とまちの魅力を高める主な取組です。

 地域や社会において環境やエネルギーについての関心が高まっているなか、このようなテーマに対応する事業活動が活発化し、地域での経済循環の促進に寄与することは、産業活力だけでなく、まちの魅力と持続可能性の向上につながるものです。

 経済の活性化とCO2削減の両立の取組を進めるため、「中小企業エコ活動総合支援事業」を拡充し、企業活動を環境面から評価し融資条件を決定する環境格付融資を利用した企業に対し、利息の2分の1相当を2年間補助します。また、省エネ設備導入補助の予算額を1千万円まで拡充することで、市内中小企業における環境に配慮した事業活動や省エネ設備の導入を促進します。なお、市内事業者に施工を依頼する場合には補助限度額を引き上げます。
 さらに、持ち家の省エネ改修工事、いわゆるエコリフォームや、その工事にあわせた創エネルギー機器設置への補助についても、市内事業者が施工する場合は補助額を1.5倍にするとともに、プロポーザル方式や指定管理者制度による事業者選定において、市内事業者や市民の雇用を創出する提案であれば選定時に加点を行う取組を新たに導入することで、市内事業者への発注機会の確保などに努め、地域経済の活性化を図ります。
 また、入札による競争性を確保しつつ、適正な価格で契約を締結できるような契約制度の構築は、履行内容の質を確保し、市民サービスの質の向上につながるとともに地域経済の活性化にも寄与することから、契約制度の改善について検討を進めます。
 地域経済の好循環を図り、活性化を促進するため、尼崎市産業問題審議会において、産業や雇用、起業のあり方についての議論をいただき、産業振興やそれを支える雇用・就労の維持・創出についての基本的な考え方を示す条例の制定に向け取り組みます。

 また、歴史・文化をはじめ、産業や生活環境を含めた地域資源の価値を高め、その魅力を効果的に発信していくことは、私たちの生活の質の向上に資するだけでなく、交流人口や活動人口、尼崎に住み続けたい、住んでみたいと思う人の増加につながり、まちの活力を高めるために重要です。
 本市の歴史遺産を活かし、効果的に情報発信していく方策を、富松城跡をモデルとして市民とともに検討する懇話会を設置します。また、義経・与一・弁慶・静にゆかりのある市町村によって実施されているサミットを本市で開催し、「船弁慶」など、ゆかりの演目を薪能や落語で味わえる本市の文化をPRすることで、全国各地から訪れた方に尼崎の魅力を実感してもらいたいと思っています。
 来年度も引き続き、市民の地域への愛着と誇りを醸成する取組や、本市の魅力のより一層の増進・発信に向けた取組を推進し、まちの活性化を図ります。

 次に、「次の世代に、よりよい明日をつないでいくまち」の実現に向け、まちの持続可能性を高める主な取組です。

 行政が持つ財源が限られるなかで、市民の生活を支える都市基盤や公共施設を将来へ引き継いでいくためには、市民や事業者が、身近な地域の環境や景観などに意識を持ち、よりよい住環境を創出していくことと、行政がそのような取組が進むよう支援していくことが重要です。

 低炭素社会の実現を目指し、これまで学校をはじめ、公共施設への太陽光発電設備の導入を積極的に進めてきた結果、25年度末には設置施設が17箇所になる見込みです。26年度は県のグリーンニューディール基金を活用し、開明庁舎と東消防署常光寺出張所への設置を行うほか、改築工事にあわせた小・中学校への設置も継続して行います。
 また、エネルギー管理士や診断プロといった、エネルギー管理に関する資格の受験料などの2分の1を補助することで資格取得を促進し、市内の施工業者のスキルアップを目指すとともに、省エネ設備導入に対する助成との相乗効果により、事業者の一層の環境配慮型の設備導入を図ります。
 コンパクトで平坦な市域を活かし、環境にやさしい市内移動を目指すため、電気自動車の普及促進に向け、急速充電器を本庁舎の来庁者駐車場に設置するとともに、民間事業者の充電器設置を促進します。また、公用車に2台の電気自動車を導入します。

 喫緊の課題である放置自転車対策については、鉄道駅周辺を中心にこれまでも様々な取組を進めてきました。放置自転車は歩行者の安全を脅かすだけでなく、まちの魅力も損なうものであり、ハード・ソフト両面でのさらなる対策が必要です。
 26年度は新たに補助制度を創設し、駐輪場が不足する駅の周辺において、民間事業者による民間用地を活用した駐輪場の整備を促進します。また、現在JR尼崎駅において一定の効果をあげている、駐輪場の管理運営、誘導啓発、撤去、保管返還の一体的な業務委託を市内全駅に拡大し、放置自転車の削減の取組強化を図ります。
 さらに、鉄道事業者、商業者、市内事業者との協働により、放置自転車防止ポスターの掲示や子どもの声による啓発放送を行うなど、自転車を路上に放置しにくい環境づくりや、駐輪マナー向上に取り組みます。
 安全に快適に市内を移動できるように、既存の道路空間を利用した自転車道、自転車レーンの整備、歩道内の自転車通行位置の明示などの環境改善も進めます。

 自動車運送事業については、28年度の民営化に向け、市民の皆様の生活に影響を与えることがないよう円滑な移譲に向けた取組を行っていくとともに、引き続き、市民の皆様から信頼が得られるサービスを提供できるよう経営改善に取り組みながら、安全運行の徹底と接遇の向上に努めます。

 財政状況が厳しい見通しのなか、市民生活の基盤となる公共施設の老朽化対策は、施設・設備の長寿命化など、環境と将来負担を考慮した取組を進める必要があります。道路や橋梁、また公園遊具などの老朽化に伴い今後増加する維持管理経費の削減や平準化を図るため、現況調査の実施や長寿命化計画の策定により、国の交付金活用などによる財源確保を行うとともに、計画的な維持管理を進めていきます。
 
 水道事業、工業用水道事業については、引き続き「水道・工業用水道ビジョンあまがさき」で定めた今後の目指すべき方向性に沿った事業運営に取り組み、給水量の減少傾向や受水企業の需要動向に留意しながら、給水機能を高めるための施設整備を行い、安定給水の確保に努めます。
 また、下水道事業については、「尼崎市下水道中期ビジョン」に基づき、計画的・効率的な下水道施設の維持管理と改築更新を行うとともに、浸水対策や高度処理化などの機能向上に取り組みます。

 よりよいまちを未来に引き継ぐため、市民、事業者、行政がともに良好な住環境の形成に向けた取組を進めることで、まちの持続可能性を高めます。

(まちづくりの進め方)
 これまで申し上げてきました、4つのありたいまちの実現に向けた取組は、もちろん行政だけで進められるものではありません。
 就任以来、市民自治のまちづくり、協働のまちづくりに取り組んできましたが、そのなかで痛感しているのが、行政がまだまだ変わっていかなければならないということです。
 行政には、分かりやすい発信で、広く情報を共有するとともに、多様な主体の力をコーディネートし、最大化する役割が求められています。職員の意識や行動の変化を促し、資質向上を図ることが不可欠です。
 25年10月に運用を開始した人事評価システムを活用し、職員個々の能力などの把握と、適材適所への人事配置による仕事の質の向上を図るほか、評定者面談などを通じた人材育成や意欲喚起による職員の資質の向上を図り、行政が変わる取組、市役所への信頼を高める取組を進めます。

 また、今日的な視点で各事業の必要性、有効性、担い手などについて改めて見直すとともに、PDCAサイクルを踏まえた事業の再構築と新たな事業の展開を図るため、「公開事業たな卸し」により市民の皆様の目線でチェックをいただいているところです。25年度に廃止、もしくは要改善の点検結果となった事業については、今後それぞれ再構築や改善に取り組んでいきます。また、多様な方々とともに事業たな卸しを実施するなかで学んだことを、今後の総合計画の施策評価や事務事業評価の実施に活かしていきます。

 25年度より、市民や事業者からアイデアを募り、行政も連携しながら、公共サービスの水準を上げていく「提案型事業委託制度」を導入しました。26年度は「あまがさき環境オープンカレッジ推進事業」、「ごみ減量・リサイクル推進事業」、「コミュニティ連絡板維持管理事業」の3事業について、それぞれの担い手の特長を活かしたサービスの提供を図ります。
 特に、「あまがさき環境オープンカレッジ推進事業」については、担い手となる団体が、自立性・自主性をより高めるため、受託を機に任意団体から市民主導によりNPO法人化される予定です。

 また、「新しい公共」の担い手の育成・支援の一環として、様々な社会的課題を市場と捉え、それをビジネスの手法で解決しようとする「ソーシャルビジネス」の振興に向けた取組について検討を行い、25年度は基本方針となる考え方をまとめました。26年度は、市民・事業者の皆様や、職員一人ひとりの理解浸透を図る取組や、商工団体や金融機関、大学などの多様な主体がその振興を支援する環境づくりを進めます。

 さらに、ありたいまちの実現に向けて重点的に取り組む項目について、本市が抱えている問題点を共有し、現在の取組状況と市の考えを示しながら、実施すべき対応の方向性について市民とともに考える、総合計画キャラバンを実施します。

 行政として不断の改革に取り組むとともに、市民の皆様と情報や課題を共有し、ともにまちづくりを進めます。

(平成26年度予算)
 このような考え方のもと編成しました、26年度予算の概要について申し上げます。

 歳入面では、実質的な地方交付税や市民税の増など、主要な一般財源で、やや増収が見込まれるものの、歳出面で、扶助費や公債費などが引き続き高い水準で推移しており、厳しい財政状況が続いています。
 投資的経費やその他経常的な経費など歳出全般において経費の縮減を図るとともに、市税の高額滞納案件への対応策として、担当職員の増員などにより、滞納処分業務に専念できる体制を構築し、より一層の市税収入率の向上に努めるなど、引き続き、構造改善に取り組み、一定の収支改善を図ります。その上で、なお解消しきれない収支不足に対しては、市債や基金の活用といった財源対策を実施します。

予算額については、
 一般会計 1,998億 1,000万円
 特別会計 1,839億 9,672万円
 企業会計 392億 7,014万円
 合  計 4,230億 7,686万円 となります。

(むすびに)
 尼崎市は、平成28年度に市制100周年を迎えます。
 記念すべき100周年に向けて、記念事業の検討、新市史の編集、本市発祥の地である城内地区まちづくりの検討など、市民、事業者、行政がともに考え、進めていくプロジェクトもスタートします。
 過去の歩みを振り返り、深く知ることで、先人たちの取組に感謝するとともに、尼崎の未来を見据え、次の100年に向けたまちづくりを進めていかなければなりません。
 
 武庫川のコスモスが、去年の秋も見事に咲き誇り、大勢の方々の目を楽しませてくれました。
 このコスモスの咲く場所は、かつて不法投棄などによりごみ捨て場同然のように放置されていたそうです。地域の皆様がなんとかしたいと立ち上がり、ごみを撤去したり、草引きをしたりと、何年にもわたりコツコツと地道に取り組まれた努力が実を結び、今では市外からも多くの方が訪ねて来られる尼崎の秋の風物詩となっています。

 私たちのまち、尼崎には、課題や困難をばねに前向きに努力し、プラスに変えてきた力があります。そのことによってもたらされるまちや暮らしが良くなったという実感は、次の課題解決へ挑む新たなエネルギーになります。

 私は、このような本市の持つ力を信じ、地道に、かつ果敢に、市民の皆様とともに挑戦を続けます。
 そしてその先に、人が咲き、まちが咲き、より良い“あまがさき”が咲き誇る未来の姿があると確信しています。

どうぞ、議員の皆様、市民の皆様、引き続き、ご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。

 

このページに関するお問い合わせ

秘書室 秘書課
〒660-8501 兵庫県尼崎市東七松町1丁目23番1号 本庁南館2階
電話番号:06-6489-6008
ファクス番号:06-6489-6009