若者と企業が育つまち(市報あまがさき平成29年11月号掲載)

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ページ番号1010484 更新日 平成30年4月18日

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長期実践型インターンシップは、尼崎市総合計画の「ひと咲き まち咲き あまがさき」の人づくりの一環で行う事業で、3年目を迎えました。今年も市内企業が県内外の学生を数カ月間受け入れ、社会人としての基礎的な力を育む機会を提供しています。一方で、市内企業にとっても、新規事業の推進や社内の人材育成の場となっています。今月号では、同インターンシップで学生や企業がどんな経験をし、まちに何が起きるのかを考えます。詳しくは経済活性対策課(電話番号6489-6670)へ。

長期実践型インターンシップとは

長期実践型インターンシップとは、学生が市内の企業で3~6カ月の期間、新規事業の企画や社内の課題解決など、実践的なプロジェクトに携わるプログラムです。

長期実践型インターンシップの図

長期実践型インターンシップで得た気付きと学び 学生と企業の成長を追う

平成27年に株式会社 栄水化学で長期実践型インターンシップに参加し、平成29年に同社に入社した大藤嵯生(おおふじさき)さんと、同社代表取締役社長松本久晃(ひさあき)さんに、同インターンシップで得たものや感じたことについて伺いました。

「インターンシップで本気の大人に出会ったことが、人生の転機になりました」

大藤さんの写真

長期実践型インターンシップで携わった事業は、子どものための習慣教育である「エコピカはかせのおそうじ塾」の企画などです。

インターンシップ中、多くの学びがありました。一つ、忘れられない出来事があります。ガラス磨きのイベントを企画したことがあったのですが、頭の中で考えて準備したものが、実際には上手くいかなくて。それからは、企画するときは必ず自分で実際に試すようにしています。

栄水化学の皆さんは、本気でまちや子どもたちの将来について考え、企業として何ができるかを模索しています。こんな熱い志を持った人たちが、尼崎にはたくさんいるのだと衝撃を受けました。

松本社長は、いろいろな考え方やアイデアを持っていて、特に、おそうじ塾の理念である、「おそうじ=教育」という考え方が自分の中で新鮮で、面白いアイデアだと感じました。「多方面から物事を見ることのできる人になりたい」と考えている私にとって、まさに「人生の師匠」に出会えたと感じました。

就職観も変わりました。就職するなら大企業を目指したいと考えていたのですが、地域に根ざした、本気の大人たちがいる企業で働きたいと考えるようになりました。就職活動の際にも、インターンシップで受けた衝撃が忘れられず、採用面接を受けることを決めました。

後輩たちにも私のような人生の転機となる経験をしてほしいので、インターンシップは長期型がいいよと勧めています。

今は当社の本業である掃除の現場と、インターンシップの学生の受け入れ業務を担当しています。将来、おそうじ塾を本格的な塾にしていきたいという目標に向かって、これからも、日々学びながら頑張っていきたいと思います。

 

大藤さんは、「学生時代に何か大きなことに挑戦したい」と考え、平成27年に長期実践型インターンシップに参加しました(当時は和歌山大3年生)。現在入社1年目。

「『学生の成長』を目指して取り組んだら、経営者としても学びになりました」

松本さん写真

平成27年に長期実践型インターンシップがスタートした当初から受け入れを始めました。当時、ちょうど「エコピカはかせのおそうじ塾」を始めたところだったので、新規事業にトライしてくれる外部の若い人材を受け入れることで、会社の発展につなげるシステムを作りたいと考えたからです。ノウハウの蓄積のため、10年は続けたいとも決めました。

学生におそうじ塾に携わってもらうことで、同事業の開催頻度を上げることができました。また、学生ならではの新しいアイデアが出ることも多くありました。

インターンシップの受け入れにあたっては、学生の成長を第一に考えています。学生が目標にしていることを常に意識し、強みや特性を見つけて、それを最大限生かす機会をたくさん作ることを大切にしています。

その中で、インターンシップは経営と同じ部分があると気付きました。計画を立ててもその通りに行かないことが多く、状況に合わせて計画やゴールの設定を変える必要があるためです。おかげで、環境の変化など大変なことが起きても、慌てず対処できるようになりました。

また、将来的には、地元の高校生も対象にしていきたいと考えています。今の子どもたちは、何かをするときに「親や先生が言ったから」と他責にしてしまうことが多いと感じています。インターンシップで、企業の大人たちが「仕事の大切さ」「働く意味」などの職業観を子どもたちに教えたい。この考え方は当社のおそうじ塾の理念と共通しています。

このまちの子どもたちが、社会に出て活躍できる人材になってほしいと思います。そして、「尼崎の子なら大丈夫」と思ってもらえる「尼崎ブランド」を育みたいと考えています。

 

株式会社栄水化学は建物クリーニング事業などを行う市内の企業です。「エコピカはかせのおそうじ塾」事業では、掃除を通して自主的に行動できる子どもの育成を目指しています。昭和34年創業。

インターンシップ実施レポート

平成30年3月まで、市内企業で長期実践型インターンシップを実施しています。チャレンジ中の皆さんを、ぜひ応援してください!(本文中では、同インターンシップに参加している学生をインターンシップ生、担当する社員をメンターと表記しています)

株式会社栄水化学

栄水化学のインターンの写真

最後までやりきって自分に自信が持てるように

インターンシップ生の花澤さんは「自信を持ち、軸のある人間になりたい」と思い、参加しました。

「おそうじ塾を担当しています。無料体験イベントのアイデアを考えるなど、自分なりに工夫し取り組んでいます」

松井さんは、業務を通して自分にできることを見つけたいと考えています。

「市内の小学校と連携し、掃除の授業化を担当しています。大学では人前で話す機会がないので貴重な経験です」

メンターの大藤さんは「2人はお互いに相談や確認をし合う良い関係です。最後まで責任を持ってやりきり、自分の強みに気付いてほしいと思います」と見守ります。受け入れにあたっては、学生2人を大藤さんが担当し、インターンシップ全体のコーディネートを安葊さんが行う体制で臨んでいます。

株式会社チューブロック

チューブロックのインターンの写真

インターンシップ生として自分が会社に貢献できること

山田さんは、新しいことに挑戦し、自分に足りないものを知るため、インターンシップに参加しました。

「和やかな職場で、自席と社長の距離がなんと3メートル。社長がどんどん前進する姿に刺激を受け、インターンシップ生としての自分が会社のために何ができるか考えるようになりました」

メンターの西本さんは「業務に追われて新規や改善のアイデアを考えることが難しい当社の現状を、山田さんが補ってくれています。当初はインターンシップ生の受け入れに不安を感じていましたが、今は具体的なビジョンが見えてきています」と笑顔で語ります。

山田さんは、来年3月に新規サイトを稼働するという目標に向け、「いいものを作りたい」という思いを持って、業務に取り組んでいます。

株式会社まいぷれ with YOU

まいぷれのインターンの写真

一貫した業務を経験し仕事の深いところを学びたい

「最低3カ月はインターンシップに参加したいと思っていました」

インターンシップ生の上松さんは、仕事の深いところを経験したいと考え、半年間のプログラムに挑戦しています。

メンターの高野さんは受け入れにあたり、お客さん扱いせず、一社員として扱うことを心掛けています。

「上松さんには地域通貨ポイント事業の営業を任せています。相手の懐に入るのが上手で、お客様に気に入っていただいているようです。会話の中でお客様のニーズをくみ取るなど、営業の大切なことを学んでほしいと思います」

上松さんは「残りの日程では、中長期の一貫した仕事を任せていただけるそうなので、社会人になったときに生かせるような、気付きや学びを得たいです」と意気込みます。

若者と企業の挑戦が人を育て、まちの力になる

まちで長期実践型インターンシップに取り組む理由や、起こりつつあることについて、同インターンシップのコーディネートを行っているNPO法人JAE代表理事坂野充さんに聞きました。

坂野さんの写真

「おせっかい」な尼崎は、学生を育てるのに向いている

長期実践型インターンシップで「学生の成長」を打ち出していますが、実際、どのような点が学生の成長につながっているのでしょうか。

学生は最初、自分の成長のために参加しますが、受け入れ企業の「良い経験をしてほしい」という思いを感じると、「お世話になっている企業に何か貢献したい」という気持ちを持つようになります。戦力になるためには自分の知識や経験をより高めなければなりません。それが、学生を本気にさせるのです。

それには受け入れ側の関わり方が重要です。尼崎にはおせっかいな大人が多いということで、インターンシップに向いていると感じています。

企業の受け入れ方や、学生の感じ方で、尼崎らしい傾向などはありますか?

他社で受け入れている学生への関心の高さに、特に尼崎のおせっかい度を感じます。市内企業で行う集合研修後、「◯社のあの子どうなってるの」と聞かれたり、最後に「ほんとに成長したなあ」と自然と喜んだりするのは、ほかの地域ではなかなかありませんね。

学生も「インターンシップに行って良かった」と感じているのでしょう。インターンシップ後にそのまま就職したり、関連プロジェクトに関わったりして、居付いている人が非常に多い。一般的には「その企業にインターンシップに行った」という感覚ですが、「まちにインターンシップに行った」ともいえるのは尼崎ならではでしょうね。

尼崎の企業が背負う「アマ」の看板が、このまちをインターンシップの舞台にする

「まちにインターンシップに行く」とは?

尼崎の企業は「アマ」に対する愛着心が強いところが多いんですね。企業が学生を「アマの企業」として受け入れ、ほかの企業ともつながることで、「まちにインターンシップに来て」というコンセプトが打ち出しやすくなっています。

「産業のまち尼崎」の財産が生きる

このインターンシップのもう一つの柱である「企業の成長」についても教えてください。

尼崎は産業のまちとして歴史があり、生かすべき技術や知識、経験を持った企業がとても多い。これはまちの財産です。ただ、変化の激しい現代、現状維持ではいけないこともあります。新規事業を始めるのは未知なことが多いですが、学生にトライしてもらうことによって、推進することができるのです。

また、人材育成の仕組みが確立していない企業が多いという課題もあります。6カ月間で学生をどう育てて、戦力になってもらうかを考えることが社員の学びとなり、企業の人材育成のノウハウ蓄積にもなります。

学生と企業の成長が生み出すものはありますか?

新たなことにチャレンジする企業が増えたり、その企業同士が連携したりすることで、いつかまちの中でイノベーションの種が生まれるかもしれませんね。

集合研修
どの企業も自社・他社の分け隔てなく学生に真剣に接する集合研修の様子

編集後記

お話を聞かせていただいた方々の強いエネルギーに押されるように、原稿を書き進めた号でした。

新しいことへの挑戦。若さへの期待。尊敬できる大人との出会い。まちへの愛着。理想を実現するための一歩。

「そんなわくわくが溢れる尼崎でインターンシップに参加しないと、人生損するかも!?」

なんてキャッチコピーを付けたくなるくらい、笑顔と信頼に満ちたインターンシップ現場でした。

このページに関するお問い合わせ

総合政策局 政策部 広報課
〒660-8501 兵庫県尼崎市東七松町1丁目23番1号 本庁中館2階
電話番号:06-6489-6021
ファクス番号:06-6489-1827
メールアドレス:

  • ama-koho@city.amagasaki.hyogo.jp (市報あまがさき等)
  • ama-koho2@city.amagasaki.hyogo.jp (あまっこ・尼ノ國等)