やってみよう!5
統計ラインアップ
アフガニスタスタンってどんな国?
目的
人権のなかでも最も中核的な権利である生存権が、教育とどれほど深く関係しているかについて考え、教育を受けることそのものが、人権であり、「人権としての教育」の取り組みの重要性を認識させる。とくに、アフガニスタンでは、長年の政治的混乱のなかでアルカイダの支配下にあった時期、女性の教育を受ける権利は著しい制限を強いられていたことが、国民の健康や寿命に大きな影 響を与えてきたことを、具体的な統計から考える。
準備
学習室の床または壁に、ビニール・テープで、0%から100%の目盛りを付ける。
進め方
《ステップ1》
参加者たちに、「これから生存権に関する統計を読み上げる」と伝える。それぞれの文章には、「何%か?」の、数字を問う質問が続く。読み上げる文章と、それに続く質問を聞いた後、参加者は自分が正しいと考える%や数字のあたりに立つように指示する。
《ステップ2》
参加者それぞれが、自分が正しいと思う%や数字の位置についてから、ファシリテーターは、その質問の回答を提示する。
自分たちの推測が当たっていたかどうか?
なぜ、そう推測したのか?
思いも寄らない回答であったか? それはどんなこと?
などについて、4~5分間話し合う。
ヴァリエーション
取り上げたテーマに関する参加者の国(日本)の統計を加えてもよい。ユニセフが発行している『世界子ども白書』など最新の資料を活用することが望ましい。ここでは、目的にそって、生存権と、「人権としての教育」をテーマとして取り上げたが、子ども・女性・高齢者の権利などに直接関わる統計を紹介して学習することもできる。
フォローアップ
参加者は、自分たちの国の初等教育・識字率・保健衛生教育・清潔な水・予防注射・生活水準などの整備・進展状況について、精密な調査資料を作成することもできる。また、自分たちが学習したさまざまな権利を保障する責任を負う自治体などの公共機関や国の取り組みの実状などについても、学習を展開していくことができよう。
【注】《統計ラインアップ》の基本構想は、S.ファウンテン著『It' Only Right !(私の権利みんなの権利)(ユニセフ1993)を参考にした。

<統計ラインアップ>質問票 アフガニスタンってどんな国?
質問1
ユニセフの「世界子ども白書(2001年)」によると、新生児が5歳未満で死亡する割合(乳幼児死亡率)は、スウェーデンなどの北欧諸国、ドイツ、スイス、フランスなどのヨーロッパ諸国、あるいはアジアでは日本、シンガポール、韓国などの諸国では、新生児1000人あたり10人未満(~0.9%)となっています。これに対して、ニジェール、アンゴラ、シエラレオネなどのアフリカ諸国では30%前後(新生児1000人について300人前後が5歳未満で死亡)と高い割合を示しています。
さて、アフガニスタンでは、新生児の乳幼児死亡率は〔 〕%位 でしょうか?
【注】正解:25.7%
新生児1000人のうち、257人が5歳未満で死んでいきます。因みに、そのうち、165人は1歳未満で死亡しています。順位 では高い方から4番目です。
質問2
国連は、1990年を『国際識字年』として、2000年までに「世界中のすべての人びとに文字を!」と呼びかけました。当時、世界の総人口のなかで、本来ならばすでに義務教育を終了しているはずの14/15歳以上の人口の約25%が、文字の読み書きができないために、日常生活において不自由を強いられている<非識字>の状態にありました。
質問1で指摘した乳幼児死亡率の高かった国々では、いずれも成人の識字率が低く、例えば、 ニジェール:14%(男21%、 女7%)、アンゴラ:42%(男56%、女29%)、シエラレオネ:31%(男45%、 女18%)となっています。
さて、アフガニスタンでは、成人の識字率はどれ位 でしょうか?
【注】正解:31%
因みに、アフガニスタンでは、1995年~1999年の統計によると、小学校就学率は、 男42%、女15%、中学校就学率は、男32%、女11%です。
質問3
日本は男女ともに、スウェーデンと1位・2位を争うほどの世界でも有数の長寿国になりました(平均余命は男女こみで、日本:80歳、スウェーデン79歳)。
さて、アフガニスタンの<平均余命>は、何歳位 だと思いますか?
【注】正解:46歳
【参考資料】
国民1人当たりのGNP(アメリカ$)
- 日本:32,230
- アメリカ:30,600
- ドイツ:25,350
- フランス:23,480
- バングラディシュ:370
- ルアンダ:250
- アフガニスタン:250
-
シエラレオネ:130
1人当たりの1日の必要カロリーの充足率 - 日本:125
- アメリカ:138
- ドイツ: ―
- フランス:143
- バングラディシュ:88
- ルアンダ:82
- アフガニスタン:72
- モザンビーク:77
- チャド:73
- エチオピア:73
【注】「世界子ども白書(2001年)」による。
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