花崗岩製、高さ248.8cm。常春寺境内の観音堂前に西面して建つ宝篋印塔です。以前は水堂の旧集落内の路傍にありましたが、平成6年に現所在地に移設されました。宝篋印塔は鎌倉時代中期から供養塔や墓碑塔として各地で作られるようになり、方形の石を下から基壇、基礎、塔身、笠、相輪の順に積み上げ、笠の四隅に飾りの突起を設けることを特色とする石造品です。
塔身や笠の隅飾(すみかざり)には仏をあらわす梵字が刻まれ、基礎には蓮などの文様が飾られていますが、銘文などはありません。各部位の形式手法などから、宝篋印塔の定型化が進んだ南北朝時代中期ころに作られたものと考えられます。
市内に現存している中世の宝篋印塔でほぼ完全な形で残っているのはこの1基だけであり、またこの時期のものとしては規模も大きく、尼崎における宝篋印塔の代表的作例として貴重な石造品です。
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